カモメ古書店、そこは凶悪な犯罪に巻き込まれた被害者やその遺族が無念を晴らすために訪れる店。
古書店の主・鴨ノ目 武（カモ）とその相棒である島田 虎信（トラ）のコンビでこれまで数々の復讐依頼をこなしてきた。
シリアルキラーの園田に両親と従姉妹を殺害された開成 奈々子の面倒を見ながら、奇妙な同居生活が続いている。
過去に復讐依頼をこなした相手から逆恨みされ、依頼を受けた朝食会の榎がカモとトラを対象に狙うことに。
しかしやり方は違えど社会の屑を憎む理念は同じ。
榎は復讐依頼を受けるのを取りやめ、一時はカモとトラを捕らえるが解放した。
一方、ゴアゴアコミックの編集者として過ごしていた園田、漫画家志望で同性愛者の男から好意を持たれ、いつしかストーカーされるように。
だが園田は未解決である練馬区一家殺人事件の真犯人のサイコパスであり、ストーカー化した男を返り討ちにするのだった。
6巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
心霊体験で死後の世界を考えるカモ
女性に酒を飲ませて強姦する方法を講義する悪質セミナーの主催者、ジェイク堀尾は、カモとトラによってきついお仕置きを受けた（前作「善悪の屑」3巻参照）後、懲りずに田舎でまた同様のセミナーを開いていた。
集団レイプの被害者から復讐依頼を受けたカモとトラは再びこの男に行き着いて制裁を加え、その後山奥の温泉宿に一泊することとなる。
しかしそこは料金が異様に安いうえに部屋が古く、額縁の裏には意味深なお札が貼ってある部屋だった。
カモは死後の世界は信じていない様子だが、奈々子とトラは幽霊が出るかも不安に。
そしてその夜、トラは布団の中で金縛りにあい、そこにいるはずのない小さい子供か何かに足を掴まれる感覚を味わうこととなる。
さすがのトラも恐怖するなか、その様子に気付いたカモは緊張しながらも自分の亡き妻と娘の写真を出し、「この2人と話がしたい」と幽霊に問いかけた。
すると幽霊はどこかへ行ったのか、不思議と金縛りも解けた。
幽霊が本当にいるかどうかはわからないものの、カモは「幽霊に死んだ時の記憶があるなら、死後の世界は無い方がいい」とこぼすのであった。
DV彼氏を勝手に制裁
元彼から連絡が来ただけで彼女にひどく暴行する男がいた。
宅配業者がちょうど訪れた際、明らかに暴行を受けている女性が応対したことで通報しようかどうか迷っていると、そこをカモとトラが通りがかる。
話を聞いた2人は依頼を受けたわけでもなくその家に押し入り、DV彼氏を痛めつける。
怯え戸惑う女性を前にカモは「オレ達は暴力を振るう人間に暴力を振るうのが好きなだけだ」と言い放ち、勝手に制裁。
クズを憎む心から自発的に働いたのであった。
隣人トラブル①：素行の悪い独り身のオヤジ
あるマンションでは、西田家が隣人トラブルに巻き込まれていた。
幼い娘の花奈の自転車が隣人に駐輪場で蹴り壊され、怯える娘のために父親がクレームを入れるべく立ち上がる。
管理組合長の太田を通じて犯人が隣人の尾賀だと突き止めるが、尾賀は60代の一人暮らしで素行も悪く、問題のある男性だった。
太田と共に尾賀の部屋を訪ねると、尾賀は悪びれる様子も見せずに白を切る。
さらに報復とばかりに夜中に大音量でギターを鳴らすなど嫌がらせ行為に及び、父親の怒りが頂点に達した。
金槌を手に直接乗り込んでいったところに太田が割って入り、酒を交えて仲裁することに。
温厚な太田の仲裁で腹を割って話すことができた2人は互いに謝罪して和解。
尾賀は心を入れ替えて花奈に謝罪し、数日後には西田家が排水管のトラブルに困っているところを助けるなど器用な点を見せて隣人関係も良好になるのであった。
隣人トラブル②：キ●ガイ親子
しかし平和は長く続かなかった。
マンションの隣に住んでいる尼崎という老婆とのトラブルが再燃し、尼崎が人糞をマンションのエントランスにかけるなどの常軌を逸した嫌がらせが始まった。
2人暮らしをしている息子もまともではなく、太田は我慢の限界に達して直接クレームを言いに行くが、刃物を手にした尼崎の息子に威嚇され、逃げようとしたところを車に撥ねられて還らぬ人となってしまう。
直接手を下していない尼崎親子は警察でも罪に問うのが難しく、義憤に駆られた尾賀が尼崎親子の家に乗り込んだものの、逆に不法侵入の罪で警察に突き出される結果に。
そして尾賀が拘留されている数日間に尼崎親子の嫌がらせはエスカレートし、西田一家も耐え兼ねて引っ越すこととなった。
たった1人で戦うこととなった尾賀は太田らの無念を晴らすため、カモメ古書店を訪れカモとトラに復讐を依頼。
話を聞いた2人は尼崎親子の家に押し入って拉致し、これまでに行ってきた迷惑行為の数々に対する落とし前をつけさせる。
アフガン戦争時に捕虜に対して行われた、皮膚を一気にめくりあげて剥がす「シャツ脱ぎ」という拷問で痛めつけたうえに拘束したまま山奥に置き去りにし、親子はそこで野垂れ死ぬこととなった。
1年後、平和が戻ったマンションでは尾賀が心優しい管理組合長として住人たちと良好な関係を築いているのであった。
【6巻のまとめ】
この巻では心霊体験、DV彼氏へ勝手に制裁、マンションの隣人トラブル2つに関するエピソードを収録。
メインストーリーに進展はありませんでした。
次巻へ続きます。
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