ブラフや不意打ち、奇襲を駆使してルールのない喧嘩に勝ち続けてきた高校生の佐藤 十兵衛は、ある日ヤクザに雇われた”喧嘩師”工藤に狙われることになる。
いつも通りブラフや不意打ち、奇襲を駆使して撃退しようとする十兵衛だが、人並み外れたパワーとタフネスを持つ工藤は何度倒しても立ち上がってくる。
一旦は距離を取って撤退する十兵衛だが、追ってきた工藤とビルの屋上で対峙し、失禁しながら命乞いをする屈辱の敗北を喫した。
工藤へのリベンジを胸に誓う十兵衛は古武術富田流の師匠・入江文学のもとで本格的に修行に入り、相手の心臓への強烈な打撃で失神に至らしめる富田流の奥義「金剛」を習得するため、ヤクザのアジトを襲撃して本気で殺しに来る相手と戦うことに。
文学から発破をかけられ金剛のコツを掴んだ十兵衛だが、進藤塾出身の元総合格闘家であり今はヤクザに雇われている橋口が立ちはだかる。
「金剛以外で決めるのは禁止」という修行のルールを設けられながらも、巧みな戦い方で見事、文学の手を借りずに宣言通りの金剛で橋口から勝利を挙げた十兵衛。
そして進藤塾の秘技「煉獄」を取り入れるため、師範格の青木に決闘を持ち掛けてその練習の様子を盗撮した十兵衛と文学は、煉獄の正体が5手ずつのパターンを組み合わせた連撃であることを突き止めた。
幼いころから武道家であった父と二人三脚で鍛錬に励み、進藤塾とも接点があった文学は、すぐさま煉獄の習得に向けて乗り出す。
進藤塾の開祖・山本 陸や数々の男気溢れる武勇伝を持つ「喧嘩王」上杉 均を始め、進藤塾の中でも極秘扱いとされる煉獄を文学が盗み出し、進藤塾の青木との決闘で仕掛けるのであった。
12巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
不幸な事件により無期懲役となった最強のプロレスラー・カブト
15年前、パワー・スピード・テクニック・カリスマ性全てに秀でるカブトというプロレスラーがいた。
マスクを脱げば内気で恥ずかしがり屋の青年であったカブトは、18歳の時に出会った初恋の相手と結婚。
しかし妻は中学生3人の暴行を受けて命を落としてしまい、さらに当時の日本の司法では中学生を裁くことができなかった。
さらに犯人の少年たちが面白がって悪びれる様子のない映像をカブトに送りつけ、法律で裁かれないことをいいことにカブトを殺して箔をつけようと考える。
怒りと復讐心に火が付いたカブトはプロレス界を去る覚悟を固めて少年たちのもとへ赴き、顔に濃硫酸を浴びながらも少年3人を惨殺。
裁判では自ら少年たちへの殺意を認め、無期懲役となるのだった。
富田流と進藤塾の運命を変えた田島
10年ほど前、柔道のオリンピックで金メダルを取ったカワタクが「富田流の入江 無一なら山本 陸に勝てる可能性がある」と発言したことで富田流が一気に世間の注目を集めた。
何でもありのルールでなら当時最強とされた山本 陸に勝てる―。
毎日修練を積んだ意味を見出すように山本 陸と富田流の激突へと期待が高まっていく。
初めは相手にしようとしなかった山本 陸も、無一がテレビのクルーの眼前で熊を素手で、しかも一撃で仕留めたことで決闘を受諾。
しかしその直前、山本 陸は田島 彬に奇襲され、左目を負傷してしまう。
強くなるために進藤塾を離れた田島が運命を変え、またその後に無一を殺すことになるのであった。
文学が煉獄で青木に勝利
煉獄はもともと山本 陸が編み出し、数人の内弟子のみに授けた技。
必殺でありながらも模倣は容易であるため、人前で使うのは厳禁とされた。
それが今、文学が習得に成功し青木を相手に放っている。
途切れることのないラッシュで前にも横にも倒れることすらできないまま、青木は気絶。
1分を超える煉獄で文学が勝利を飾るのだった。
父の仇である田島に復讐を誓う文学
山本 陸が左目を負傷した後、それが無一の仕業だと勘違いした上杉が無一に喧嘩を吹っ掛けた。
山本 陸の左目を負傷させた真犯人である田島は、上杉との戦いでダメージを負っていた無一に決闘を仕掛けて意識不明の重体に追い込んだ。
駆け付けた文学は救急搬送されていく父に寄り添い、無一は一命をとりとめたものの意識は回復せず、また回復したとしても脳挫傷により障害が残る状態になっていた。
格闘家としての父を殺した相手、田島への復讐に身を駆られるようになっていく文学。
鍛錬を続け、9年が経ってようやく父が意識を取り戻す。
文学は父に仇を討つことを涙ながらに宣言し、半年後に父は息を引き取った。
あれから田島はアメリカでボクシングのヘビー級チャンピオンを一撃で倒すほど強くなったが、文学はその背中に追いつくことを目指すのであった。
(ギャグ回)萌vsネットユーザー②
(※11巻の続き)
オルテガを逮捕に追い込んだ萌は、さらにネット掲示板で世論を誘導しながらガイアとマッシュを揺さぶる。
しかしマッシュは萌の予想以上に策士、ずっと記録していた録音を武器に萌を脅し、罰として萌は終わらぬ一発ギャグ地獄に落とされるのだった。
【12巻のまとめ】
身につけた煉獄で青木に勝利した文学は、父の仇である田島への復讐へと一歩近づいた。
かつて文学の父・無一は富田流の当主として山本 陸と決闘することとなったが、その直前に新道塾出身の田島が山本 陸を襲い、左目を潰したことで運命が変わった。
山本 陸を襲った犯人と勘違いした上杉が陸の息子である海を引き連れて無一のもとに乗り込み、その後無一は田島との決闘に敗れて意識不明の重体に。
それが原因で命を落とした父の仇を討つため、文学は田島への復讐を胸に誓っているのだった。
次巻へ続きます。
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