笑える、泣ける、熱い、深い、4拍子揃った名作。
日常回ではギャグ要素、ストーリー展開では伏線も多いので、あらすじを読んで気になるところがあればもう一度読み返すことをお勧めします。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
トカゲと姫との出会い
主人公の雨宮夕日はある朝、喋るトカゲ(ノイ=クレザント)と出会います。このトカゲは他の人には見えないようです。ノイから「世界を滅亡から救うために協力してほしい」と言われ、ひねくれものの夕日は頑なに拒否しますが、いつの間にか「掌握領域」という超能力を授かります。
〈ノイから「掌握領域」の説明を受ける夕日[惑星のさみだれ1巻](c)少年画報社/水上悟志〉
騎士の契約として夕日に課された使命は
・敵である魔法使いより先に姫を見つけ、守ること
・敵と戦い、打ち勝つこと
の2つ。やる気のない夕日は他にいるという仲間に任せて日和見を決めようとしますが、早速敵が襲ってきます。
敵は魔法使いが使役する「泥人形」。単独ではまず勝ち目はなく、必死に逃げる夕日でしたが、あえなく追い詰められてしまいました。
夕日「あ 死んだ」
〈泥人形に襲われる夕日を助けに来たさみだれ[惑星のさみだれ1巻](c)少年画報社/水上悟志〉
と思った矢先、隣の家の少女朝比奈さみだれがとんでもないパワーで泥人形を殴りつけ、破壊します。
このさみだれが、守るべき姫だったのです。さらに、さみだれは夕日の通う大学の助教授である朝比奈氷雨の妹でもありました。
翌日から夕日は掌握領域の訓練を始めます。
掌握領域は訓練することでパワーを伸ばすことができますが、体力を消耗します。そして、掌握領域を手に入れ使命を課される代わりに、願いを1つ叶えることができるようです。
面倒なことに巻き込まれたくない夕日でしたが、そんなことはお構いなしにさみだれは夕日を巻き込んでいきます。
最終的には空に浮かぶ巨大な影「ビスケットハンマー」が地球を砕くのを防がなければならず、予知ではそのとき夕日が自分の隣りにいるのだ、と。
〈地球を砕こうとする巨大な影「ビスケットハンマー」[惑星のさみだれ1巻](c)少年画報社/水上悟志〉
さみだれ「私のものになりなさい、トカゲの騎士。絶対の忠誠と信頼を誓って。」
いきなりの命令にドン引きする夕日でしたが、さみだれの勢いに飲まれていきます。
さみだれ「あんなんに地球は壊させへん!!なぜならこの地球を砕くんは私の拳やからじゃーーーーっ!!」
この世界をぶっ壊す。夕日はさみだれの野望に惹かれ、忠誠と信頼を誓うのでした。
〈さみだれに忠誠を誓う夕日[惑星のさみだれ1巻](c)少年画報社/水上悟志〉
ちなみに、あくまで騎士としての使命は地球を破壊から守ることであって、最終的に地球を自らの手で砕くというのはさみだれと夕日だけの野望です。
忠誠と恋慕
さみだれと一緒にトレーニングを始め、家にお邪魔するなど和気あいあいとした生活を送る夕日でしたが、「敵も味方も作るな。孤独に暮らせ」という祖父の強い教えが呪いのように影を落とします。
夕日は祖父が呪ったこの世界を壊すこと、さみだれは自分が壊すことで地球を永遠に自分のものにすることが目的です。2人の間に信頼が芽生え、それによって夕日を繋いでいた祖父の呪縛も弱まり、夕日は少しずつ前向きになっていきます。
川で溺れそうな猫を掌握領域で助ける夕日。それを超能力者が大好きな同級生の火渡に見られ、デートすることになりました。
が、デート中に2体目の泥人形に遭遇します。他の人を巻き込まないように1人で囮となる夕日でしたが、まだまだ掌握領域も弱く太刀打ちできません。ピンチに陥いったところを、ここでもさみだれに助けられました。
〈2体目の泥人形もさみだれが粉砕[惑星のさみだれ1巻](c)少年画報社/水上悟志〉
ケタ違いのパワーで泥人形を蹴散らすさみだれ。強く美しい主人の姿に、夕日はどんどん惹かれていきます。この主人を守るため、自分も強くなることを誓うのでした。
夕日の過去と契約の願い
夕日の父は元刑事で、同僚に裏切られて事件に巻き込まれ、殺されています。母はそのショックで失踪。
人間に絶望した祖父から強い呪縛を受けながら育った夕日は、この世界そのものを呪っていました。その祖父が病気を患ったため、夕日はお見舞いにいくことになります。
祖父は土下座しながら、自分の過ちを詫びますが、すんなりとは受け止められず、気持ちの整理がつかない夕日。
今までため込んできた気持ちを1人で発散し、夕日は泣きながら契約の願い事をノイに告げます。
夕日「おじいちゃんを助けて。」
〈祖父を助けるために契約の願い事を告げる夕日[惑星のさみだれ1巻](c)少年画報社/水上悟志〉
その表情は無垢だった少年のようでした。これをもって夕日は正式にトカゲの騎士となります。
夕日 vs 3体目の泥人形
その夜。3体目の泥人形が夕日の前に現れます。夜とあって、さみだれは就寝中。山の中を逃げ回って体力を消耗し、意識を失う夕日でしたが、夢のなかでさみだれに激励を受け復活。
〈単身で泥人形に立ち向かう夕日[惑星のさみだれ1巻](c)少年画報社/水上悟志〉
自らの持ちうる限りの力と知恵を振り絞って泥人形を崖から転落させ、単独で勝利しました。
犬の騎士 東雲半月との出会い
単独で泥人形を倒し、自信を深める夕日。そんな夕日とさみだれの前に、犬(ルド=シュバリエ)の騎士:東雲半月が現れます。古武術の達人でもある半月はケタ違いのパワーを持つさみだれをも子ども扱いできるほどの実力を兼ね備えていました。
〈古武術の達人でもある犬の騎士東雲半月が味方に[惑星のさみだれ1巻](c)少年画報社/水上悟志〉
夕日は地球を砕く魔王さみだれの片腕として、もっと強くならなければならないと誓うのです。
【1巻のまとめ】
地球を自らの手で砕くため、騎士となった夕日。ケタ違いのパワーをもつ姫であるさみだれに惹かれながら、人としても徐々に成長していきます。そんな前に現れた犬の騎士、東雲半月。古武術の達人でもある実力者との出会いが、さらなる成長につながっていくのです。
次巻へ続きます。
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