学校にも家庭にも居場所がない高校生の神代ユウは、あるきっかけでボクシングのワンツーを独学で覚え、いつしか不良たちを撃退する実力をつけ始めた。
その噂は「不良狩りのボクサー」として広がっていき、さらに強い者たちに狙われるユウ。
恐怖に膝が震えながら柔道使いの猛者、岩戸とのタイマンに臨み、偶然に助けられながらも勝利を挙げた。
暴力に怯えながらも、ユウは自分の居場所を求めて再び不良がはびこる夜の街に引き込まれていくのだった。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目をつけられるユウとマサキ
世田商の岩戸と戦ってから、しばらく街に姿を見せなくなったユウ。
岩戸を倒し、仲裁にマサキまで出てきたとあって、ユウの株は上がる一方である。
しかしいいようにやられ面白くない世田商の吉井率いるヤンキーたちは、ユウ以外にマサキをも狙うようになる。
〈マサキも狙うことに [ホーリーランド 2巻](c)白泉社/森恒二〉
ユウは下北沢からは距離をおいて吉祥寺を彷徨っていたが、その情報は瞬く間にヤンキーたちの間で広まるのだった。
ユウとボクシングの出会い
ユウがボクシングのワンツーを覚えたのは、2年前に本を見て独学で始めたのが最初だった。
中学でいじめを受け不登校になったユウは、自分の居場所がなくなりいっとき飛び降り自殺も考えたが、屋上からあと一歩踏み出す勇気は出なかった。
どうしようもなく、せめて殴られても痛くないような技術を身につけようと本屋で出会ったのがボクシングの本。
〈ボクシングとの出会い [ホーリーランド 2巻](c)白泉社/森恒二〉
殴られたことしかなかったユウは、何となく本に書いてあるとおりに殴り方を練習し始めると、いつの間にか時間を忘れて没頭。
基礎体力をつけるトレーニングも合わせて1日数千回もパンチを練習し、ワンツーを磨き上げていく。
〈ワンツーの練習 [ホーリーランド 2巻](c)白泉社/森恒二〉
そしてその才能を試す時が来た。
学校でいつものようにいじめられそうになった際、反射的に1発のパンチを繰り出すユウ。
〈反射的に出たパンチ [ホーリーランド 2巻](c)白泉社/森恒二〉
相手を倒すことはできずその後ボコボコにされたが、初めて人を殴るという経験を経て「あの後続けて打っていたらどうなっていただろう」と考え、自分を変えることを決意したのだった。
ユウを導くマサキ
吉祥寺の公園でユウを見つけたマサキ。
マサキはユウがヤンキーたちに狙われていることを警告すると、ユウは「僕が街にいるにはどうすればいいですか?」と弱弱しく問い返した。
〈ユウの問い [ホーリーランド 2巻](c)白泉社/森恒二〉
そのときタイミング悪く、マサキに恨みを持つヤンキーたち集団が現れ、刃物をチラつかせながら喧嘩を仕掛けてくる。
マサキはユウに喧嘩の仕方を教えながら相手を倒すテクニックも披露。
〈マサキのテクニック [ホーリーランド 2巻](c)白泉社/森恒二〉
持ち前のボクシングの技術も相まって、マサキは数人を難なく倒した。
応援を呼ばれそうになると、マサキはユウを連れて退散するのだった。
勝つためのヒント
ユウのことを気にかけるマサキは、どうしても街で生き残りたいというユウに「前に出て戦う」というヒントを教える。
マサキに言われるがままストレートを打ち込むと、マサキは素早く前へ躱してユウのがら空きの側面をとった。
「勝つなら前へ進むしかない」
〈前へ進むしかない [ホーリーランド 2巻](c)白泉社/森恒二〉
ユウは生き残るための唯一の道を見つけ、自分が勝つか消えるか、覚悟を固めるのだった。
岩戸からのアドバイス
街で岩戸と再会したユウ。
岩戸はユウを襲うような様子はなく、「最初に勝機を得た自分の勝ち」ということを再確認させたうえで、ユウに「やるとなったら腹をくくれ」とアドバイスを送る。
〈岩戸からのアドバイス [ホーリーランド 2巻](c)白泉社/森恒二〉
そして代沢高の空手使いがユウの前に立ちはだかるだろうということと、「いつも正面から同じ場所を狙って打ってきたら叩き落とせる」とヒントも与えた。
マサキと岩戸のアドバイスを胸に、ユウには少しずつ笑顔が戻っていく。
それはユウが着実に成長している証でもあった。
空手使いの緑山ショウゴ
代沢高の空手使い、緑山ショウゴはマサキと戦いたくてうずうずしていた。
しかしハネッ返りがすぎたのか、先輩でレスリング使いの土屋に目をつけられ、空手を軽視されたことで2人は空手とレスリング、どちらが強いのかハッキリさせることとなる。
〈ショウゴvs土屋 [ホーリーランド 2巻](c)白泉社/森恒二〉
路上でのレスリングの強さに自信満々の土屋だったが、ショウゴは強烈な手刀で土屋のタックルを潰して勝利。
表の試合では禁じ手となる技も身につけたショウゴは、路上でその威力を存分に発揮するのがモチベーションだった。
土屋を倒してますます調子づくショウゴだが、マサキとの全面戦争では分が悪いとたしなめられ、まずはユウとのタイマンを制してマサキを引きずり出すことを画策するのだった。
〈ショウゴの狙い [ホーリーランド 2巻](c)白泉社/森恒二〉
【2巻のまとめ】
岩戸を倒し株を上げるユウだが、いいようにやられている世田商はユウとマサキにも狙いを定めるようになる。
そんなユウはマサキと岩戸から戦うためのアドバイスを教わり、自分の存在を賭けて更なる戦いに身を投じる覚悟を固める。
他方、代沢高の空手使い 緑山ショウゴは先輩でレスリング使いの土屋を押しのけ、自らの腕試しのために強者を求める。
ショウゴがまず目をつけたのは、ユウだった。
次巻へ続きます。
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