平凡な毎日が突然終わりを告げた。
16歳の高校生、高畑瞬はいつもと同じような退屈に気を倦ませていたが。突如として教師の頭がはじけ、姿を現しただるまとともに「だるまさんがころんだ」が始まる。
失格した生徒たちが次々と死に、何とかクラスで唯一生き残った瞬。
しかしこれはまだ始まりに過ぎなかった。
全世界の高校生が非情な選別ゲームに巻き込まれて次々と命を落としていく。
まねきねこ、こけし、しょんべんこぞう、うらしまたろうの試練を乗り越え、瞬のブロックでは他に同級生の秋元いちか、危険人物の天谷武、デブの秋本クリストファー健人(クリス)、パワフルな真田ユキオの計5人が生き残った。
瞬はゲームの途中で出会った平井翔子といつしか惹かれあうようになっていたが、翔子はくじ引きによる運試しで命を落としてしまう。
悲しみに暮れる一方、ゲームの様子は全世界に向けて配信されており、生き残った生徒たちは「神の子」として崇められるようになっていた。
4巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
かみまろ登場、最後の選考へ
運試しを生き残ってから3か月の月日が流れた。
世界ではあれからも選別ゲームが続き、すべての結果が出るまであと3か所。
テレビでは連日報道が飛び交い、奥平教授は神の子研究家として一躍名を馳せている。
〈名を馳せた奥平 [神さまの言うとおり 4巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
「神の子」として一方的に崇められるのに嫌気がさしていた瞬は、久々にいちかや他の生存者たちに連絡を取り待ち合わせすることに。
いちかと天谷は変わりなく、ユキオは髪が伸びている。
それにしても一番変わったのはクリス。
一気にスリムになって歌手「クリスタルA」として華々しくデビューし、一躍人気者になっていた。
そうこうしているうちに全ての選考が終わり、このゲームの発起人である神小路かみまろが姿を現す。
〈全てを仕組んだ神小路かみまろ [神さまの言うとおり 4巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
かみまろはおもむろにサイコロを振って生存者たち311名を1~6のグループに分け、翌朝の集合を言い渡す。
死ぬ覚悟を固める者、最後にやりたいことをやる者、愛する人と逃げる決意を固める者、それぞれが最後の夜を過ごし、翌朝を迎える。
真相究明に動き出す男
一方、「神小路かみまろ」の名に聞き覚えのあった引きこもりの男が動き出す。
男は元暴走族だが、大人になり脱退するとともに心の隙間を埋めるかのように二次元にハマる。
そのとき道端で同人誌を売る作家からタダで譲り受けた希少な同人誌、その作家のペンネームが「神小路かみまろ」だったのである。
〈一人のオタクが真相に迫る [神さまの言うとおり 4巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
男はその同人誌を手に、世界を救う決意を固めて家を飛び出すのだった。
運動会編:どきょうそう
押し寄せた報道陣に見送られながら、瞬たちが集合場所にあった巨大サイコロの扉に入っていく。
たどり着いた先はだだっ広い運動場。
〈だだっ広い競技場[神さまの言うとおり 4巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
かみまろは結局集合しなかった約半数の生徒たちに死の罰を下し、運動場にたどり着いた者たちに「運動会」の開催を宣言する。
それぞれに割り当てられていた1~6の数字はそのまま学年を表し、学年別のチーム対抗戦。
瞬たちの1年生チームは他の学年よりも10人以上少ない割り振りとなる。
最初の種目は「どきょうそう」。
〈最初は"どきょうそう" [神さまの言うとおり 4巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
くじで呼ばれた生徒たちがトラックに並ぶ。
ゴールには「〇」「×」と書かれた2つのゲートが。
そしてクイズが出されるとともにスタートの合図。
走者の後ろからはくるみ割り人形が追いかけてきており、捕まれば死。
またゴールを間違えても死。
さらには、ビリの走者にも死という過酷なルールの徒競走だった。
それぞれ1回ずつエントリーされる形式。
第2レースに選ばれた天谷は他の走者をわざと一方のゴールにねじ込んで正解を見極め、力ずくで生存を勝ち取る。
その後もレース中に騙し合いが横行し、狡猾な者だけが生き残っていく。
そしていちかと瞬の番が来た。
必勝法が確立できないままレースに臨む2人。
いちかは死に際のスリルに快感を覚える一方、瞬はどちらが正解かわからぬまま全速力でゴールを選び飛び込む。
ただの運任せに自分の身を投げ出し、自分が死ねばいちかが別のゴールにたどり着いて生き残れる、というだけの無鉄砲な選択。
〈命を簡単に投げ出した瞬 [神さまの言うとおり 4巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
そのネジの外れ方にいちかは惹かれ始めるのだった。
かみまろの正体を追って
家を飛び出したオタクはテレビ局に急行し、奥平教授に接触を図る。
男はこれまで行われてきたゲームの内容が同人誌のストーリーと酷似していることを根拠に、「かみまろは人間だ」という推理をする。
奥平もまた、「かみまろの正体を知っている」と答え、男の推理を肯定した。
〈かみまろの正体を知る奥平 [神さまの言うとおり 4巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
2人が「かみまろ」とこのゲームの真相に近づいていく―。
【4巻のまとめ】
一連のゲームを発案した神、神小路かみまろが姿を見せる。
かみまろは生き残ったすべての生徒を対象に運動会を開催。
招集に応じなかった生徒は死に、招集に応じた瞬たちは1~6の学年別チームに分けられた。
最初の種目「どきょうそう」では智略や戦略・判断力が問われるなか、瞬は自らの命を軽々と投げ出してみせ、周囲を驚嘆させる。
一方、外の世界では「かみまろ」の名前に聞き覚えのあった一人の男がかみまろの正体と事件の真相を追うべく、奥平教授と接触。
かみまろは元同人作家で、その同人誌の内容に沿ってゲームが行われているという推理にたどり着く。
次巻へ続きます。
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