借金を抱えた若者が裏社会に引きずり込まれていくアングラ漫画。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
裏社会への入り口
大阪。借金まみれの若者、加藤亮の家を借金取りが訪れた。
見知らぬ業者の来訪に不審がる加藤だったが、借金取りは慣れた手つきでドアのチェーンを切断し、家に押し入って加藤を拉致。
〈加藤の部屋に借金取りが押し入る [東京闇虫 1巻](c)白泉社/本田優貴〉
気を失って拘束された加藤はそのまま連れていかれ、目が覚めると部屋の中に男と二人っきりだった。
男によればここは東京で、仕事を依頼したいとのこと。
「お前が変わるチャンスはここだ。この仕事、やるのか?やらないのか?」
〈謎の男から選択を迫られる [東京闇虫 1巻](c)白泉社/本田優貴〉
男の問いかけに迷う加藤は、いったん引き受けて逃げることを決意する。
加藤が隙を見て部屋を飛び出そうとすると、そこはネットカフェだった。
そして仕事の内容は「公園にいる特定の相手に紙袋を渡すだけ」。
難なく仕事を終え、ネカフェに戻った加藤に渡された報酬は10万円。
〈楽な仕事で大金が…? [東京闇虫 1巻](c)白泉社/本田優貴〉
こんなに美味しい仕事はない。
謎の男浅村の見事なやり口
加藤はそのまま個室のブースへ連れていかれる。
男は浅村と名乗り、ここで仕事をし続けて借金を返済した時点で加藤は自由の身となることを通告される。
ただし、仕事の内容は闇金、偽造、ドラッグ、詐欺、裏カジノとアングラなものばかりであった。
早速、加藤の次の仕事が言い渡された。
田中雄一という男が抱えた借金94万の利子回収である。
〈次の仕事は利子回収 [東京闇虫 1巻](c)白泉社/本田優貴〉
加藤は田中の家に向かうが、田中は違法金利を逆手にとって開き直り、加藤は門前払いを食らってしまう。
そこで浅村が登場。
浅村は手土産の高級菓子で話を聞かせる姿勢を作り、「借りて返さないのは世間では泥棒と言うんですよ」などと丸め込んでいく。
そして最後には追い詰められた田中に対し、「美味しい仕事も紹介してやる」といって見事に田中を引き込んだ。
〈債務者を引きずり込む浅村 [東京闇虫 1巻](c)白泉社/本田優貴〉
浅村の鮮やかな手口に加藤は惹かれていく。
ヤクザマンションで手柄をあげる加藤
1週間後。
加藤は順調に仕事をこなしていた。
この日受け取った紙袋を、加藤は白泉マンションというところに持っていくよう指示を受ける。
マンションの部屋に向かう途中の廊下で、加藤はパンツ一丁の男たちが奴隷のように並んでいる姿を目撃する。
〈指示された先は見るからに怪しいマンション [東京闇虫 1巻](c)白泉社/本田優貴〉
明らかに様子がおかしい。
加藤は指示された部屋に入り、中にいた石橋という男に紙袋を渡す。中身は300万。
しかしここで加藤に浅村から電話が入り、「今渡した300万は渡すな。取り返して帰ってこい。絶対にだ」と命令が。
〈突如、浅村からの無茶振りが [東京闇虫 1巻](c)白泉社/本田優貴〉
隙を見て紙袋をぶんどり、逃げ出す加藤。
すぐさまたくさんの部下たちが加藤を追う。
マンションの出入り口は固められ、逃げ場がない。
加藤は屋上へ向かい、追ってきた1人ともみ合いになる。
今回の浅村の命令は、石橋から仕入れた時計が偽物だったためであり、その取引の代金を加藤が運んでいたのだった。
加藤はもみ合いの末男を殴り倒し、ライターを奪ってマンションに火をつける。
〈追い込まれた加藤が放火 [東京闇虫 1巻](c)白泉社/本田優貴〉
火はあっという間に燃え広がり、現場は大混乱。消防隊も駆けつけた。
加藤は要救助者に紛れてまんまと脱出に成功、浅村のもとへ戻った。
〈要救助者に紛れて脱出に成功 [東京闇虫 1巻](c)白泉社/本田優貴〉
ヤクザが素人相手にコケにされたとあって、マンションの火災は事故として処理された。
浅村は手柄を挙げた加藤に興味を持ち始め、加藤もまた浅村に気に入られたことでモチベーションを高めるのだった。
【1巻のまとめ】
自らの借金返済のために浅村の駒として裏の仕事をすることになった加藤。
浅村の魅力に惹かれ、自身もヤクザマンションから見事に金を持って脱出に成功したことで、浅村から一目置かれるようになっていきます。
次巻へ続きます。
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