多重債務者の冴えない青年・梶隆臣はひょんなことから凄腕のギャンブラー・斑目貘と出会い、行動を共にするようになる。
さらに梶は命すら対価にするギャンブルや、それを成立させるために立会人を派遣する中立の秘密組織「賭郎」の存在を知ることに。
裏社会に根を張る賭郎の立ち会いのもと、賭郎の会員権と1千万円を賭けてQ太郎と言う老人とゲームをすることになった貘と梶。
負けたら命を取られる危険な勝負に勝った貘は、全てを凌駕する暴力を持つ別人格の怪物・ロデムを宿すマルコを仲間に加え、賭郎の会員権や大金を得た。
賭郎の会員権を梶に譲った貘はさらに賭郎の能輪立会人の手配で新たな賭郎勝負の場を設定してもらうこととなり、貘と顔なじみである立会人の夜行妃古壱が梶の専属につくなか、富士山中のトンネルでテロリストの佐田国との賭郎勝負に臨む。
相手方には専属立会人の目蒲がつき、賭け金集めのためにVIPたちも見守るなか、勝負は負ければ首吊りのハングマン(ババ抜き)となった。
他方、人数制限で勝負の場に入ることができなかったマルコは貘の指令で山を越えてトンネルの向こう側を目指す。
佐田国に恨みを持つ賭郎会員の鞍馬の用心棒レオも山に潜伏しており、佐田国サイドの動きを探っているのであった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
いよいよゲームスタート
暴力による実力行使の禁止、スポンサーたちからの音声と画像はオフ、発覚しないイカサマは賭郎は関知しない。
どのババが来るかは手札を見るまでわからないよう、賭郎がシャッフルして配る。
先攻後攻を決めるじゃんけんをいち早く貘が始めるが、反応が遅れた佐田国を見て何かを感じ取った様子。
じゃんけんは佐田国が勝ち、後攻を選択したことで先攻である貘にババが配られることに。
そして目蒲が立会人のハンカチを落とし、妃古壱もそれに応じてハンカチを落とすなか、ゲームが始まるのだった。
最初のゲームでいきなり追い込まれる貘
配られた手札を整理すると、佐田国は2枚、貘は3枚となるが、貘に配られたババの数字はまさかの「5」だった。
先攻の貘が引いてペアを作り、勝負は早くも佐田国がババを引かなければ貘の負けという最終局面。
言葉で駆け引きに持ち込もうとする貘だが、佐田国は迷わずババではない方を引いてあがる。
これで貘のハングマンは全11工程のうちの5工程まで組み立てられることに。
しかし貘は佐田国の様子をずっと観察し、自分の読みをもとにハメる策を考えているのであった。
2回目のゲームも落としてしまう
2回目のゲーム、ババは佐田国に配られた状態で佐田国2枚、貘1枚の最終局面となる。
揺さぶりをかけながら佐田国の反応を見る貘。
貘は読みきったことを確信してカードを引くが、そのカードはまさかのババ、さらに数字は「4」だった。
読みが外れ、さらに佐田国にそのまま上がられて早くも貘のハングマン完成まであと2工程。
追い込まれた貘にもさすがに焦りの色が見えるのであった。
3回目も負け、崖っぷちに
3回目のゲームが始まるが、貘ら怖気づいたのか、ババを持つ佐田国からなかなかカードを引こうとしない。
痺れを切らした佐田国側のクレームでルールに「カードを引くのは1分以内」と追加される。
そして貘がババを引いてしまう。
その数は「1」。
このまま佐田国に上がられいよいよ崖っぷちという状況で、貘はこれまでの展開が読み通りとばかりに反撃へと動き出すのであった。
佐田国が勝てばテロ決行
世界各地からロケットや兵器が大量に流出した。
黒幕は貿易を管理する一族であるカールという男であり、佐田国と組んで大金を儲けながら兵器を横流し。
そしてその兵器が富士の山中に運搬され、部下と共に佐田国の革命の狼煙を待っていた。
その様子をマルコとレオが監視するが、勝負に貘が負ければ佐田国のテロを防ぐのは困難。
テロを防げるかは貘の肩にかかっているのだった。
貘が反撃の狼煙を上げる2連勝
4回目のゲームは貘が「3」のババを配られた状態で最終局面となる。
と、ここで貘はさりげなくカードをフラフラと移動させながら佐田国が引くのを待つ。
僅かに苛立ちながら引いた佐田国は、初めてババを掴まされた。
対する貘はあっさりと佐田国の癖を読んで上がり、初勝利を飾る。
そして続くゲームでも貘は大胆に読みきってあがり、2連勝。
佐田国のハングマンも7工程まで組み立てられるのだった。
繰り広げられていたイカサマ合戦
次のゲームでは貘に「5」のカードが配られ、どちらが勝ってもハングマンが完成する最後のゲームとなる。
しかしここでも貘の術中にハマり、差し出されたカードをすんなりと受け取った佐田国がババを掴まされた。
動揺を隠せない佐田国に対し、今度は貘が堂々と佐田国の手札を覗き見る行動に出る。
立会人たちは愕然とするが、佐田国は真横にいる貘に気付いていないのか、それを止める様子もない。
それもそのはず、佐田国は最初から全く目が見えておらず、勝負は互いによるイカサマ合戦となっていたのである。
結局最後は貘が上回り、佐田国の負けが確定するのだった。
イカサマ合戦を制した貘が勝利
全盲の佐田国は人工視覚の医療技術によって、スポンサーたちが見ているモニターの画面を視覚として再現していた。
つまり佐田国は目隠しを装っていたものの意図的にババ抜きのゲームを選んでおり、さらに貘の手札を盗み見ていたのがイカサマの内容である。
それに気付いた貘はさりげない動きでカメラの切り替わりや法則を検証し、6台のカメラが10秒おきに半時計回りに切り替わっていることを確信。
そうとわかればカメラの切り替わりに合わせて自分の手札を死角に動かして惑わしつつ、さらに梶が放った銃弾によりカメラの1台が故障するラッキーを生かし、佐田国が映像を視覚化できない10秒の間に佐田国の手札を覗きこんだのである。
相手に発覚しないイカサマは賭郎は関知しない。
桁外れの洞察力で貘が勝利を飾ったのだった。
ハングマン決行を前に立会人同士の號奪戦へ
佐田国が敗れたことで資産を全て失い、カールは兵器を佐田国に売ることができなくなった。
しかしカールは自分の身の安全を確保するため、佐田国の同志たちに特別にタダでミサイルを撃たせてやると提案する。
佐田国の同志たちは佐田国の救出へ向かうなか、佐田国に肩入れする立会人の目蒲もハングマンの実行より面白いショーとして立会人同士の戦いである號奪戦の開催を宣言。
立会人のランクは號が若い方が上位とされ、自分より上位の立会人に挑戦するのが號奪戦。
ハンカチが挑戦の証であり、妃古壱もハンカチで応じていたことから勝負を受けていた。
開始の合図はなく勝負が始まり、目蒲が「無敵の死神」である妃古壱に挑むのであった。
【5巻のまとめ】
命懸けのババ抜き、貘は序盤から立て続けに負けて崖っぷちに立たされることとなる。
さらに佐田国は武器商人のカールからロケットや武器を大量に買うこととしており、山の向こう側に潜伏した同志たちがテロ決行の準備を進めていた。
図らずもテロを防げるかどうかが貘の双肩にかかることとなるなか、貘は佐田国のイカサマを看破し、逆にイカサマし返すことで見事に逆転勝利を飾る。
勝敗が決したことでテロも防がれたかに見えたが、同志たちは佐田国の救出へ、そして佐田国に肩入れする目蒲も命の取り立てよりも面白いショーとして、立会人同士の戦いである號奪戦の開催を宣言。
VIPたちが見守るなか、目蒲が「無敵の死神」こと妃古壱に挑むのであった。
次巻へ続きます。
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