富樫や黒田らサブ組もそれぞれの意識を改め、アシトの視野を学びつつ夜練に励む。
福田監督もその努力を認め、具体的な助言で後押しする。
さらに栗林からサッカーノートを託されたアシトは感覚を共有できる喜びを知る。
やがてサブ組の成長は紅白戦に表れ、エスペリオンは好調を維持する一方、青森青蘭が首位に立ちはだかる。
15巻のあらすじを振り返ってみましょう。
主力不在の危機と桐木への重圧
プレミアリーグは首位の青森星蘭高校をエスペリオンが追走、そして3位には圧倒的な攻撃力を誇る船橋学院の三つ巴の優勝争い。
しかしU-18日本代表選手を抱える各チームとも、この時期に代表のチェコ遠征があるため主力が不在となり、なかでもエスペリオンは主力4人が抜けることに。
代表に選ばれるのは常連組の義経、山田、高杉、桐木…と思われたが、代表チームの監督の判断でここ最近の試合で疲れの見える桐木は選外となり、代わりに阿久津が初招集された。
突然の選外に呆然とする桐木をよそに、セレクション合格から代表入りまでのし上がったことに喜びを隠さない阿久津。
船橋学院との直接対決までに4人は帰ってくるものの、それまでの2試合は残りのメンバーで戦わざるを得ず、かつ負けられない戦いとなる。
福田監督は穴埋めとして富樫と、Bチームから昇格させる朝利・竹島・橘らにチャンスを与える方針を固め、桐木に主将としてチームを牽引して勝利するよう命令した。
頼みの綱の栗林もトップチームとの約束から、船橋学院戦しか出場できず、その試合を終えたらトップチームに戻る予定。
代表から選外となり、さらに戦力的に穴だらけのチームをまとめ上げて勝たなければならなくなった桐木は、はらわたが煮えくり返る想いでいるのであった。
花との再会とすれ違う想い
次の東京VANSユース戦ではアシト・富樫・竹島・朝利の1年生がディフェンスラインを構成することが決まった。
夜練の成果も見え、自信を胸に試合が待ち遠しく感じるアシト。
久々の出場機会に喜びを爆発させるなか、アシトは久しぶりに花と出会った。
だが花との思わぬ再会に心を揺り動かされたアシトは「なんで今来るんだ」と口走ってしまう。
花も先日アシトの額にキスして以来気まずい想いで避けていたものの、アシトの母からの頼みで様子を見に来ただけだったのである。
アシトが動揺を隠せず額にキスした意図について問うと、花は自分の素直な気持ちを口にしないまま、そそくさとその場を去っていく。
双方ともお互いに想いを寄せながらも気持ちがすれ違う状況。
その様子を見ていた杏里は花に、「アシトに試合に集中させてあげてほしい。花が来るとアシトはおエースを乱される」と伝える。
その言葉の裏には、同じくアシトに好意を寄せる女子としての嫉妬も混じっているのであった。
東京V戦開幕と1年生守備陣の奮闘
そして迎えた東京V戦。
要注意なのは両WBから一気に攻め上がってくる辰巳と酒井の2人であり、エスペリオンはSBのアシトと朝利がそれを止める大事な役割を担う。
Bチームからは伊達ヘッドコーチも応援に駆け付け、アシトたち1年生の守備陣に気合が入った。
そして試合が始まると、プレミアリーグの速いゲームスピードでもアシトたちは夜練の成果を見せ、連携を取って東京Vの攻撃を凌いでいく。
しかし順調そうに見える流れでも富樫は違和感を抱いており、また次第に東京Vに押し込まれる苦しい時間帯が続くことに。
原因は、ミスからの失点を恐れるあまり、竹島と朝利がセーフティなクリアにばかり逃げていたこと。
いち早く気づいた富樫は、リスクを冒して前方へのスルーパスを狙いつつ、2人にも攻撃の起点となるように叱咤する。
味方への的確なコーチングを見ていた福田監督も、富樫の成長を評価するのであった。
桐木の孤立と東京Vのカウンター
エスペリオンはGKの秋山とMFの小早川が、アシトたち4人の守備のバランスを上手くとってカバー。
そしてチームが立ち直るなか、攻撃では桐木が栗林を彷彿とさせる個人技で攻め上がっていく。
迷ったら桐木にボールを預ければ心配ない、という意識のもと、勢いづくエスペリオン。
しかしフィニッシュのところだけ桐木からのパスに味方FWがなかなか合わせることができず、自分のアピールのためにこの試合は絶対に落とせない桐木はフラストレーションを溜めていく。
東京Vも、桐木が次第に味方へのパスではなく個人技での突破を優先し始めたところを狙い、WBの辰巳が桐木からボールを奪ってカウンター。
ロングパスが通って一転して東京Vのチャンスとなり、いつの間にかフォーメーションが崩れていることに気づかなかったアシトと竹島も対応が遅れてしまう。
そして相手の強烈なシュートがエスペリオンのゴールへ襲い掛かるのであった。
【15巻のまとめ】
エスペリオンは代表遠征で主力を欠く中、桐木に主将としての重責が課されるが、代表落選の悔しさを抱え孤立を深める。
一方アシトら1年生は夜練の成果を発揮し、東京V戦で守備陣として奮闘。
富樫がリスクを恐れぬコーチングで成長を見せ、チームは踏ん張りを見せる。
だが桐木は個人技に傾倒し、連携を欠いた隙を突かれ東京Vの鋭いカウンターを受ける展開へと追い込まれていく。
【15巻の見どころ】
この巻の見どころは、主力不在というチームの危機に、桐木が主将として重責を背負わされる場面です。
代表落選の悔しさを抱えながらも、チームを導かねばならないという矛盾した状況が、彼の葛藤を鮮明に映し出します。
また、東京V戦でアシトら1年生守備陣が夜練の成果を発揮し、富樫がリスクを恐れず仲間を鼓舞する姿は成長の証であり胸を打ちます。
一方で桐木が孤立し、個人技に走った隙を突かれる流れは、チームプレーの難しさを際立たせています。

次巻へ続きます。
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