ある日偶然春高バレーのテレビ中継を見かけた小柄な少年・日向翔陽は、「小さな巨人」と呼ばれ躍動する地元・宮城県立烏野高校のエースに心奪われバレーボールを始める。
低身長という身体的不利を補って有り余るほどの類稀なる運動神経とバネ、バレーへの情熱を持ち併せていた日向であったが、入学した中学校のバレー部に指導者どころか自分以外の部員がいないなど環境に恵まれず上達の機を逸していた。
中学3年の夏、やっとのことでメンバーを集めて出場した最初で最後の公式戦で、日向率いる雪ヶ丘中は「コート上の王様」と呼ばれる天才セッター・影山飛雄擁する強豪・北川第一中に惨敗してしまう。
影山に中学校での3年間を否定された日向は、影山へのリベンジを果たすべく憧れの烏野高校排球部に入部。晴れて迎えた部活動初日、体育館に入った日向の目の前には影山の姿があった。
初めは反発し合っていた二人だが、それぞれの持ち味を生かした“トスを見ない”クイック攻撃、通称・「変人速攻」を編み出し、独りでは見ることのできない「頂の景色」を見るため、個性豊かな烏野高校の仲間たちと共に全国大会を目指すこととなる…。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
序章:中学最後の大会
170cmという身長ながら春高バレーで活躍する烏野高校の「小さな巨人」に憧れてバレーボールを始めた主人公・日向翔陽。
〈念願の初出場を掴んだ日向 [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
不運にも中学に男子バレー部は無く、中3になって新しく加入した後輩と他の部活に所属する友人たちを助っ人に加え、念願の大会出場を果たす。
やるからには勝ちたい―。
気合十分で初戦に臨むが、相手は優勝候補の北川第一中学。
”コート上の王様”の異名を持つ天才セッター・影山飛雄を擁する強豪である。
初出場に緊張する日向たちに対し、バレーにストイックに向き合う影山も本気で戦うやる気を見せるのだった。
〈影山も本気で臨む [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
悔しさをバネに再戦を誓う
「小さな巨人」に憧れてバレーを始めたが、中学入学当初は部員は自分だけ。
練習相手も場所も確保すらままならず、それでも友人たちの手を借りてようやく掴んだ大会への出場。
日向は高い身体能力を活かして思う存分に飛びスパイクを打つが、相手のブロックに阻まれてしまう。
〈壁に阻まれる日向 [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
チームとしての実力の差は歴然であり、気づけば2セットを連取され3セット目も22-7で負けている。
それでも勝利を諦めずに戦う日向に対し、相手司令塔の影山は手を緩めるどころか、味方のプレーに叱責を飛ばしてやや孤立気味。
マッチポイントを握られても日向の戦意は折れず、影山の予想すらも上回る動きでマークを外し、スパイクを叩き込む。
〈日向が見せたポテンシャル [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
惜しくも日向のスパイクはアウトになり、ゲームセット。
日向にとっての中学生活で最初で最後の公式戦はわずか30分あまりで終わってしまい、この悔しさをバネにいつか影山にリベンジすることを誓うのだった。
〈リベンジを誓う日向 [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
ライバルとの再会、衝突
中学を卒業し、「小さな巨人」がいた烏野高校に進学した日向。
期待に胸を膨らませて体育館に直行する日向だが、そこにはリベンジを誓ったはずの影山の姿があった。
〈まさかの再会 [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
どうやら影山は県内一の強豪校に落ち、烏野高校に来た模様。
そこに主将でウイングスパイカーの澤村(3年)、副主将でセッターの菅原(3年)、ムードメーカーでウイングスパイカーの田中(2年)が現れ顔合わせを済ませるが、日向と影山はまったくウマが合わない。
〈ウマが合わない日向と影山 [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
そうこうしているうちに口うるさい教頭先生が現れるが、ヒートアップした日向と影山は勝手に勝負を始めてしまう。
影山のジャンプサーブを受け損ねた日向のレシーブが教頭先生を直撃し、一同は教頭先生のカツラが取れたところを目撃することに。
幸いにも教頭先生は「何も見なかったことにしろ」とお咎めなしになったが、たっぷり怒られた澤村は日向と影山にお仕置きする。
「互いがチームメイトだって自覚するまで、部活には一切参加させない。」
〈部活から締め出される [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
古豪が復活するにはチーム一丸となって戦う必要があるための、主将としての決断だった。
手を組む覚悟
締め出された日向と影山だが、全く距離は縮まらない。
それどころか影山は日向とペアで先輩たちに勝負を挑むことを決意し、「バレーボールをするためなら何でもする」という気持ちで互いに手を組む。
〈勝負を申し入れる [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
勝負の申し出に対し、澤村は
・他に入る1年生を加えた3対3の試合とする
・日向と影山が負けたら3年生がいる間は自己中心的な性格の影山にセッターはやらせない
という条件で試合をセッティングする。
セッターというポジションにかなりの思い入れのある影山にとって、絶対に負けられない試合。
勝負に向け、翌日から早朝の練習が始まるのだった。
〈早朝練習へ [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
仲間意識が芽生え始める
日向・影山のチームには先輩気質の強い田中が入ることとなり、練習する3人。
しかし影山は日向のことを戦力としてカウントしておらず、日向も影山を見返すために少しずつ上達し始める。
日向の圧倒的な運動センスと絶対に諦めない姿勢を次第に影山も認め、ようやくセッターとして日向にトスをあげるように。
〈初めてのトス [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
日向と影山が互いを味方として認識し始めているのだった。
試合の相手は月島と山口
勝負の相手となる1年生は、長身ミドルブロッカーの月島 蛍と山口 忠。
〈相手の月島・山口 [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
皮肉屋で毒舌家の月島は、影山の中学時代の異名である「コート上の王様」に込められた「独裁が過ぎてチームメイトの信頼を失った」という意味をネタに神経を逆なでしてくる。
そのことをまだ引きずる影山を見て、日向は発奮。
月島たちを相手に喧嘩を売り、勝負の日を迎えるのだった。
負けられない練習試合が始まる
月島・山口のチームに入るのは主将の澤村。
月島は影山を煽って精神的に崩しにかかるが、日向だけは影山を100%信じてトスを呼び込む。
〈影山を信じる日向 [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
触発された影山も吹っ切れ、徐々に連携攻撃を試す。
影山の厳しいトスには日向の運動センスでもなかなか追い付けないが、観戦していた菅原のアドバイスで「仲間の能力を使う」というヒントを得た影山。
ずば抜けたボールコントロールで日向の能力を最大限に生かすトスをあげるのだった。
〈日向を活かせ [ハイキュー!! 1巻](c)集英社/古舘春一〉
【1巻のまとめ】
ある日「小さな巨人」と呼ばれ躍動する地元・宮城県立烏野高校のエースに心奪われバレーボールを始めた小柄な少年・日向翔陽。
中学時代は環境に恵まれず、3年最後の大会にようやくメンバーを集めて出場するも、「コート上の王様」と呼ばれる天才セッター・影山飛雄擁する強豪・北川第一中に惨敗してしまう。
影山に中学校での3年間を否定された日向は、影山へのリベンジを果たすべく憧れの烏野高校バレーボール部に入部。
しかし晴れて迎えた部活動初日、体育館に入った日向の目の前には影山の姿があり、同じ部員となってしまった。
反目し合う2人に仲間意識を持たせるため、部活への参加を禁止した主将の澤村。
先輩達に部活参加を認めさせるため日向と影山は手を組み、他の1年生である月島・山口を交えた練習試合に臨む。
互いに先輩を1人ずつ加えた3対3の練習試合、まだまだ未熟ならも成長が見え始めた日向についに影山がずば抜けたボールコントロールでトスを上げるのだった―。
次巻へ続きます。
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