33歳の誕生日を迎えた脚本家の倫子は昔、フッた男・早坂から再度告白があるかと期待するが見事にフラれてしまう。
そこで高校時代からの親友、香と小雪と行われる「女子会」という名のタラレバ話をしているとモデルのKEYが現れ、初対面なのに「タラレバ女」とののしられることに。
そして倫子は自身が書いた脚本への出演をKEYから拒否され、若い女の脚本家に枕営業されて仕事を取られてしまう。
そしてやけになり酔っぱらった倫子は、KEYから迫られ枕営業してしまう。
恋愛から離れすぎていて、次なる一歩が上手く踏み出せない倫子たち3人。
倫子はKEYとのことでどう接していいかわからないし、香は売れたバンドマンの元カレ・涼と衝撃的な再会を果たすが、涼に彼女がいるにもかかわらず身体の関係になってしまう。
そして小雪も自分の中でどストライクの男・丸井と運命的な出会いを果たすが、丸井は既婚者で不倫することになった。
倫子は仕事を取られた若い女の脚本家が入院したため、ピンチヒッターをする羽目になる。
一方、小雪も丸井が食中毒になり入院するが、丸井の妻はもうすぐ出産予定であることが判明。
香もまた、涼に都合の良い女扱いされ翻弄され、倫子もDVDを借りに行った先でイケメンと出会い交際するも、こだわりの強すぎる彼に我慢の限界を感じ、あえなく別れてしまった。
失恋でやる気をなくしていた倫子は、KEYに発破をかけられて仕事熱を取り戻すが、食事の席ではKEYにはっきりフラれて傷つき、香と小雪も巻き込んで占いに走るなど迷走。
その後、KEYが過去に妻と2人きりで結婚式を挙げたこと、教師をしていた社長の妹の教え子であると同時に結婚して夫婦でもあったことや、妻が33歳という若さで亡くなったことが明らかになった。
香は妊娠騒動を機に目を覚まして涼から離れるが、小雪は丸井との不倫から脱却できずにいるうちに、丸井の姉に一緒に寝ているところを見つかりようやく我に帰った。
一方の倫子はマミから早坂と別れたことを告げられ、ネットドラマの打ち上げの場で傷ついた早坂と急接近。
酔った勢いで2人キスをし、後日早坂はKEYから聞いたおすすめのBarで倫子とデートすることに。
だがそこにはなぜかKEYが待ち受けていた。
KEYに早坂とのデートを邪魔される倫子だったが、倫子と早坂は交際することとなり、年相応の恋愛に幸せを感じる。
一方のKEYはドキュメンタリー監督の堂越からのインタビューをすっぽかして失踪。
KEYの捜索を手伝うこととなったマミは、KEYが引きずっている亡き妻が倫子にそっくりであることを知り、香と小雪にも伝える。
まさかKEYは本気で倫子のことが好きなのではー。
一度は早坂との新しい生活を始めようと意気込んでいた倫子だったが、そこに事情が変わった!と香、小雪、マミが現れ、KEYの元へと倫子を連れて行く。
KEYは妻とそっくりな倫子を重ねて見ていたのだ。
KEYは倫子に「自分の方こそタラレバ男よ!」と殴られ、目を覚まそうとしていた。倫子もKEYにくちびるを奪われ、自問自答の昔の自分たちの記憶をたどる「タラレバ」の旅へと出た。
昔のことを振り返ってセックスしていると、KEYを本当に好きなのか?と考える前に倫子の頭の中はKEYのことばかりで埋まっていたのだ。
そして「タラレバ」たちは、倫子の記憶の中で法話を唱える。「人生一生、酒一升、あるかと思えばもう空か」と。
最終巻のあらすじを振り返ってみましょう。
天秤にかけた幸せ
やっと掴んだ、早坂との幸せな生活と人生を手に入れるはずだった。でも2度目の芸能人で7歳も若い男とのセックスを取った。
その頃、香たちは磯料理と酒を満喫していた。マミは倫子が女子会を毎日のように開いて騒いでいた理由を身を持って体験するのだった。
2度目のセックスの後、倫子はKEYと自分の気持ちと向き合って話すと腹を決める。倫子はもうKEYの言葉で傷つくことはない。とセックスをして確信したのだ。
妻のことを悲しそうに話すKEYを倫子は抱きしめる。
「ずっと生意気で失礼でキライだったけど、あんたのビデオを見て胸が締め付けられた。あたし、あんたのこと好きなんだと思う」と告白。
もし、KEYと静かに飲んでいて、出会っていたら…と考えた倫子だったが、「飲んで騒いで、タラレバ言っているのが本当の自分」とありのままの自分の生き方を変えるつもりはないことを涙ながらに訴える。
するとKEYは「じゃあ、あんたがオレを変えてくれ。オレとあんたが恋愛するにはそれしかないだろ!?」とすがり、倫子もKEYのことを拒絶せずに受け入れた。
そこへ早坂から電話がかかってくる。KEYは早坂からの電話を無視するように誘い、倫子はKEYと幸せになれるかどうかわからないまま、流されていく。
KEYは「幸せってなんだよ、そんなの卒業しろよ」と3回目のセックスに突入。
KEYは倫子にもう実体のない幸せにすがらず、現実を見て生きてほしかったのだった。
幸せの実態とは
「幸せ」の尺度とは?その年齢によって幸せの尺度が変わってくる。
そこへ「タラレバ」が現れ、早坂のことを放っておいて別の男と外で行為に及ぶ倫子をはしたないと揶揄するが、倫子はもはやその言葉に動じない。
自分の幸せよりもただKEYのことを幸せにしたいと願っている自分に気がつく。
今までの倫子とは、別人のようだった。
「タラレバ」たちは、倫子の脳内で一生独身だ!と脅すが、倫子は「それならそれでいい」と開き直る。
そして「タラレバ」と別れを告げるのであった。
本当の気持ちをぶつけろっ!
倫子は早坂に自分の本当の気持ちを伝える。
幸せの象徴である土鍋をチラ見して少しは悔やむが、もう後には引かない。
早坂は自分の恋愛のやり方に対して倫子に疑問を呈したが、倫子は自分に非があるのだと伝える。
倫子は自分より7つも若いKEYを好きになってみっともないと考えていたが、早坂は違った。倫子の気持ちを尊重したのだ。
「倫子さんが後悔しないほうを選んで。じゃないとまたタラレバ女っていわれちゃうよ。ちなみに僕はタラレバ男じゃないよ。だって倫子さんに出会えたから」
すると、倫子は突然立ち上がり、「今何て言った!?それだよ、タラレバの反対語…」
「タラレバ」の反対語の正体、それは『から』という感謝の言葉だった。
祝!タラレバ娘卒業
倫子・香・小雪はそれぞれの現実に直面していた。そして「タラ」が風船を配って小雪に渡す。
「レバ」の姿も。横目で丸井親子を見つけながら、その場を立ち去る。大量の風船が大空を舞う。
早坂と話している倫子。LINEが香と小雪から送られてきた。「外見て!!」倫子が窓を開けて空を見上げると、無数の風船が空をキレイに舞っていた。
しかし、早坂にはその風船は見えない。タラレバ女たちだけに見える風船なのだ。
早坂は、倫子にKEYの元へと第4出動をかける。
倫子は東京タワーでドキュメンタリー映画の撮影をしているKEYのもとへと向かい、カメラが回っているなかで「タラレバ」の後悔ではなく、KEYに出会えた「から」という感謝を涙ながらに伝える。
するとKEYも後ろから、倫子を抱きしめてキスしながら、倫子のおかげでいつの間にか過去にとらわれず今を生きる幸せに気付かされ、会心の笑顔を見せる。
それは今まで見たことのない笑顔だった。
そして、倫子は今日、34歳の誕生日を迎えた。
自分の生き方を曲げるつもりなんてない人生をこれからも送るのだろう。KEYの人生を変えられて幸せな誕生日だった。
【9巻(完)のまとめ】
倫子はKEYと3回目のセックスをして、KEYへの本当の気持ちに気が付く。
KEYの過去を知り、KEYから話を聞き、改めて自分がKEYのことを好いているのだ、と思う。
そしてKEYに幸せになってもらいたい、ただそれだけでいいと自分の中の「幸せ」の尺度も変わってくるのだった。
そして、早坂に本当の自分の気持ちを伝える。
早坂も倫子はKEYのことが好きなのでは?と気づいていた。
「でも、僕はタラレバ男じゃないよ、倫子さんと出会えたから」と話した。そこで倫子は「タラレバ」の反対語、「から」に気が付く。
KEYも倫子のおかげでいつの間にか過去にとらわれず今を生きる幸せに気付かされ、会心の笑顔を見せた。
倫子はKEYの人生を変えられて幸せな誕生日を迎えたのだった。
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