二ツ坂高校1年の東島旭は中学まで美術部だったものの、「薙刀は高校部活界のアメリカンドリーム」という謳い文句に感激し、薙刀部に入部した。
インターハイ予選ではダークホースである國陵に敗れてしまい、3年生が引退してエースの宮路真春、部長の野上えり、2年の大倉文乃、1年で剣道経験者の八十村将子、初心者だが長身の紺野さくらと共に新たな体制でスタートを切る。
本格的な薙刀の練習が始まり、旭は「女は度胸」という真春のアドバイスをもとに抜き技を特訓。
國陵との練習試合では負けてしまったものの、反省と課題が見えた二ツ坂。
夏合宿の開催が決まり浮足立つ二ツ坂の面々だったが、待っていたのは薙刀教士・寿慶による地獄の猛特訓であった。
旭1人だけ薙刀ではなく水汲みの雑務を命じられ、心が折れそうになりながらも旭はひたむきに努力する。
中盤では基本のフォームについて褒められたものの、稽古では「お前は勝つ気がないのか?」と厳しい言葉をかけられた旭。
厳しい寿慶の指導と言葉、その真意は―。
4巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
足りなかったのは自ら攻める姿勢
川での魚獲りも周りの部員に先を越され、全くいいところのない旭。
掛かり稽古でも抜き技狙いを紺野に見抜かれ、逆にフェイントで揺さぶられてから抜き技をやり返されてしまう始末。
ショックで放心状態になる旭だが、真春のアドバイスで自分に攻める姿勢が足りなかったことに気づく。
そして合宿5日目には気合を入れなおして臨むのであった。
合宿の締めは限界まで追い込む円陣稽古
5日目はこれまでの練習のまとめとなる円陣稽古。
全員が防具をつけて輪になり、我こそはと思う者が中心に出て挑戦者と対峙、3連勝すれば解放されるというもの。
まず他の人を押しのけて中心を目指す気概が試され、真春があっという間に2連勝を挙げる。
しかしそこで中心に出てきたのはまさかの寿慶。
真春もさすがに寿慶には敵わず、また振出しに戻る。
その寿慶も2連勝した後の3戦目はわざと負けて円陣に留まり、自分が抜ける気も誰かを抜けさせる気もないことが判明する。
つまりこの稽古は誰が最弱化を明らかにするものではなく、決して終わることのない過酷な内容だった。
それでも旭を含め全員が本気モードとなり、全力で延々と戦い続ける。
そしてついに旭にとってこれまでの鍛錬の成果が出る時が来た。
フラフラになりながらも寿慶を相手に名乗りでた際、ずっと取り組んできた水汲みのおかげで重心が安定し、寿慶の殺気が込められた打ち込みを躱して渾身の抜き技を放つ。
そのまま力尽きるように倒れ込んでしまうが、その技は寿慶も認めるほど美しいものだった。
倒れた旭を抱えて寿慶が円陣から離れ、その後真春、野上、大倉、八十村、紺野の順に円陣から解放されていく。
終わったころには全員が体力の限界を迎え、初日とは裏腹に晩御飯も食べないまま泥のように眠ってしまった。
こうして合宿が終わり、寿慶は真春に「お前の傲慢さは長所だが、弱点にもなり得ることを忘れてはいけない」とアドバイスを送る。
他の部員たちにとってはこの過酷な6日間を逃げずに耐え抜いたことは自信となり、不思議と安堵に似た涙がこみあげてきたのだった。
ライバルの國陵も不本意な形で夏が終わる
合宿後、薙刀のインターハイの放送を見る二ツ坂の面々。
優勝の大本命は昨年の優勝校で2年生エースの戸井田奈歩率いる熊本東高校。
そして東京代表の國陵は予選ブロックで敗退していた。
國陵のエースである寧々は全国の晴れ舞台で強くなった自分を姉貴分である戸井田に見せようとしていたが、再会したときに既に戸井田の傍には島田という別の妹的な存在がいたことにショックを受けてしまう。
自分は戸井田のなかの一番ではなかったのかと落胆し、調子を落とした末にチームも敗れてしまった。
大将である寧々の不調で敗退したにも関わらず寧々は「あんた達となんか好きで来たんじゃない」と言い放ち、これに必死に部をサポートしてきた同期の的林がキレた。
部の空中分解という後味の悪い結果で3年生が引退するなか、ふだん温厚な寒河江が自ら次の部長に名乗り出る。
國陵でも新しい季節が始まろうとしているのだった。
夏休みが明け、昇級審査へ
夏休みが明け、クラスの女子たちがみな垢ぬけて大人びていくなか、旭は円陣稽古の効果があってか昼休みの購買でのパン争奪戦に勝つなど別の方向で成長を遂げていた。
薙刀の構えも少しずつ様になり、次の目標は薙刀の昇級審査。
無級の旭たちは基本しか見られないことになっているが、果たして無事に初級合格を掴み取ることができるのか―。
【4巻のまとめ】
体力も精神力も限界まで追い込まれる地獄の夏合宿をやり抜いた二ツ坂。
他方、インターハイに出場していたライバルの國陵もエースの寧々が姉と慕う熊本東のエース・戸井田奈歩との再会を果たすもその眼中に自分がいないことにショックを受け、調子を崩してチームの敗退してしまう。
國陵は部内の空中分解寸前の険悪な空気に包まれながらも、温厚な寒河江が次期部長に名乗り出て新たな季節が始まった。
そして夏休みが明け、二ツ坂の次の目標は薙刀の昇級審査。
無級の旭たちは基本しか見られないはずだが、無事初級合格を掴み取ることができるのか―。
次巻へ続きます。
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