ゴールデンカップスに移籍した凡田だが、パ・リーグの打者の洗礼を浴びて苦戦を強いられることとなる。
生え抜きで似たような年齢・成績の投手である印西とライバルとなり、凡田が地元開幕投手の座を射止めるが、味方打線の援護で勝利したものの凡田自身はピリッとしない内容だった。
印西もまたシーズン最初の先発では黒星を喫し、共に不甲斐ない出来の2人に地元TV局の老山アナとその娘の恵が鋭く切り込んでいく。
ハングリー精神が足りないと指摘された凡田は程なくして2軍に落とされることとなるが、ギリギリで引退を免れた。
仕切り直しとなった翌シーズンからはトクの愛弟子である布川、本木、薬丸の3人によるアマがき隊がブレイク。
最終戦までもつれこんだ大接戦の結果、ゴールデンカップスが優勝を果たした。
チームからは坪内がホームラン王、扇田と凡田が並んで最多勝、薬丸が最多セーブ、本木が最優秀中継ぎと5人の個人タイトル獲得者が出る結果に。
パープルシャドウズとのCSを制したゴールデンカップスが日本シリーズ進出を決めるが、ピリッとしない凡田には「短期決戦の先発には不向き」という烙印が押されてしまう。
そんな折、ボストン・ブルーソックスのマイナーのコーチとなったボビーと再会を果たした凡田は、遊びで取り入れたナックルに刺激を受けてオリジナルのナックルカーブを秘かに練習し始めた。
日本シリーズではナックルカーブは全て四球となってしまったが、間接的にチームの日本一に貢献した凡田。
しかし翌シーズンからはコロナ禍の影響で開幕が延期となり、調整に大失敗した凡田は全く良いところを見せられずに無期限の2軍降格となってしまう。
引退もチラつくなか、2軍でバディを組むことになったのは異色の外国人捕手パーシー。
メジャー経験者で確かな技術を持ちながらも育成契約に甘んじているパーシーと共に凡田は再び昇格することはできるのか―。
12巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
2軍で持て余す存在のパーシー
パーシーは凡田がスパイダース時代に同僚だったトーマスの弟。
パーシーは一時ブルーソックスに在籍し、台湾を経て日本に来た身であり、フリーバッティングでは快音を連発していることから育成契約としてゴールデンカップスに拾われた。
兄のトーマスはスパイダース退団後にアメリカへ帰り、一時コロナ陽性で引きこもりとなったものの、現在は株のトレーニングで大儲けしているらしい。
パーシーはコロナ禍を避けるために比較的安全な日本で暮らすことを強く望んだのが来日の理由だった。
そして2軍で持て余している凡田とバディを組むこととなるが、パーシーはどうしても外国人としてコミュニケーションの壁の問題がある為、よほど突出した結果を残せなければ1軍昇格、つまり支配下登録のチャンスはない。
2軍の試合ではかなり打つうえにキャッチャーとしても確かな才能を持つパーシーもまた、1軍のレギュラーを奪うレベルにならなければ出番がなく持て余されているのだった。
生き残る道はナックル
打ちまくるパーシーと2軍でもイマイチ結果が出ない凡田。
1軍正捕手の有田が軽い肉離れで2軍に降格してきたときがパーシーにとって昇格の最大のチャンスだったが、それでも昇格したのは期待のルーキーだった。
有田からの情報で凡田がナックルを投げたことがあると聞いたパーシーは、世界でも唯一の左投げのフルタイムナックルボーラーになるしか凡田が生き残る道は無いとアドバイスする。
実はパーシーがメジャーに在籍できたのはナックルを捕るのが上手かったからというのが最も大きな理由だった。
ナックルについて造詣が深いパーシーに教わる形で、指先の感覚のコントロールが上手い凡田の特訓が始まる。
ボビーとの遊びで体験したナックルが、凡田にとって活路となるのであった。
生まれ変わった凡田だけ昇格するが…
フルタイムナックルボーラーとなった凡田は2軍の先発でも6回までノーヒットノーランを好投を見せる。
しかし自分でもどこに行くかわからないナックルは見逃されると必然的に四球も増えるうえ、普通の捕手なら捕るのも一苦労。
球速と変化量を上手く調整して凡田がナックルに磨きをかけ、ついに凡田が1軍再昇格のチャンスを掴んだ。
ダーティ桜塚と持田も凡田がフルタイムナックルボーラーとして復活の道を歩んでいることを知り注目する。
ところがゴールデンカップスのベンチは1軍では外国人枠が主力で埋まっていることを理由に、凡田だけ昇格させパーシーを見送ってしまう。
そして凡田の1軍での登板は、風が強いことで有名な千葉マリンスタジアム。
正捕手の有田は何とかナックルを捕球しようとするも、変化量を抑えれば打たれ、変化させれば風の影響で捕球できずパスボールに。
早くもパーシー不在で凡田は苦境に立たされるのであった。
【12巻のまとめ】
パーシーとの特訓の末、左投のフルタイムナックルボーラーとして生まれ変わった凡田。
世界唯一と言っていい投球で翻弄し見事に1軍への復帰を果たすが、相棒のパーシーは外国人枠の都合から2軍残留となってしまう。
凡田の復帰戦の舞台は風の強い千葉マリンスタジアム。
正捕手ですらナックルの捕球が難しいなか、相棒不在で凡田は苦境に立たされるのであった。
次巻へ続きます。
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