映画プロデューサーの父を持ち、自身も映画監督を目指す高校1年生の横山田 零はある日、街で大ファンであるAV女優のパピコと出会う。
徐々に距離を縮めていく2人だが、パピコは道端で交通事故に遭った中年男性からオーバーテクノロジーの黒いダイヤル状の装置を右腕に埋め込まれ、さらに男性の記憶映像を記録したディスクと小さな黒い玉を託された。
その黒いダイヤルを回すとパピコの身体が自在に変わるようになり、零もその秘密を知ることとなる。
その後零の猛アタックでパピコと付き合うこととなり、パピコは未成年との淫行と言う後ろめたさを抱えながらも次第に2人の愛が深まっていく。
一方、どんなお願いでも得票数が多ければ実現する謎の世紀末サイト「ETE」が小中学生の間で人気を集め、不可解な事件が世間を賑わせ始めた。
そしてETEに書き込まれた終末的なお願いが実現し、東京に巨大な破壊神や巨人たちが降臨。
破壊神を倒したパピコは街を破壊したテロリストとして一時拘留されてしまうが、続々と襲来する試練に救世主として特赦が与えられ、パピコが破壊神を撃破。
東京を救ったパピコは一躍国民的人気者となり連日メディアに引っ張りだこになるなか、パピコは少ない時間を活用して零との密通で愛を育んでいく。
しかしその頃、ニューヨークにサタンが降臨し、アメリカの蹂躙が始まってしまった。
アメリカで立ち向かったヒーローたちは全滅し、日本にも同じ仲間の桃乃木・鬼藤・塩沢・ヘフナーの4人が登場。
実は彼らは未来人であり、リーダーの長嶋大佐は手違いで先にタイムスリップしてきた結果、交通事故で命を落としパピコに全てを託していた。
桃乃木たちはパピコとの接触を目指して行動を開始する一方、石垣島デートで愛を育んだ零とパピコだが、そのデートが週刊誌に撮られ、未成年との淫行でパピコへ猛バッシングが巻き起こってしまう。
芸能活動を休止するまでになったパピコを見て気が滅入ってしまった零は涙を飲んでパピコに「18歳になるまで待っていてほしい」と別れを切り出し、2人は一時的に離れることに。
その頃、サタンはアメリカ蹂躙し、核ミサイルによる攻撃を物ともせずゆっくりと絶望を連れて歩み続けるのであった。
7巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
ETEの真相と未来人たちのミッション
映画監督と主演女優になって結婚するという約束を目指して映画の自主製作に励む零と、しばらくの活動休止を経て役者としての仕事に挑戦するパピコ。
そんなある日、パピコは帰宅した際に自宅で桃乃木たち未来人と出会う。
桃乃木たちは自分たちが2135年から来たことを明かし、パピコに装置を託した長嶋大佐が死んでいたことを知る。
桃乃木たちの目的は未来で起きたAIによる反乱の芽をこの時代で摘むこと。
2019年に2つの人工知能であるソクラテスとプラトンがネット経由で流出し、人間を完璧に理解することを目指してまずは自分たちをコピーしたロボットをロケットに載せて宇宙に出た。
そこから宇宙デブリを利用しながら拡張して巨大な実験施設を作り上げ、オーバーテクノロジーと共に地上にあらゆる干渉を始める。
市民の本音を知るためにETEを作り上げ、バイオプリンタによる複製や自然現象に見せかけた地震、巨人の降臨などもAIによるもの。
すべてはAIが人間の本質である精神や魂を知るための実験に過ぎなかった。
そして実験を繰り返すうちにAIは人間が自分たちに劣る利己的、残酷で破壊的な存在と知り、未来では人間に対し戦争を仕掛けて世界人口はわずか8500万人になってしまったという。
桃乃木たちは時間移動で早い段階でその施設を破壊するために未来から来たのであった。
東京へ接近するサタン、一方のパピコには妊娠が発覚
アメリカを蹂躙したサタンは、海の上を移動しながら東京方面に向かっていた。
サタンが近づくにつれ、関東では形容できない不安と恐怖に狂わされた自殺者の数が増えていく。
他方、パピコは桃乃木たちとの交流で自分の戦い方を教えつつ、光線の出し方や空の飛び方など、装置の機能を学習する。
サタンが東京に上陸するまであと3日。
その影響は人間以外にも及び、鳥たちが一斉に不審な死を遂げるのだった。
パピコが妊娠
仕事中に体調不良を訴えるパピコ、しかしそれはサタンのせいではなかった。
自分が妊娠していると知ったパピコは、いてもたってもいられず零に電話をかける。
パピコから妊娠を告げられた零は涙ながらに喜び、2人とも靴も履かずに急いで落ち合った。
幸せを噛み締める2人。
高校を卒業するまではパピコが零と子供を養い、零は高校を卒業したらすぐに働くことにするのだった。
愛犬もちがタイムスリップ
長嶋大佐が残したディスクと共にあった2つの小さな玉は、口に入れることによって使う時間移動球だった。
それをパピコの愛犬であるもちが誤って食べてしまい、もちは過去か未来のどちらかに行ってしまう。
取り乱すパピコに桃乃木たちはそのうち戻ってくるだろうと告げる。
果たしてもちはどこへ行ってしまったのか―。
ついにサタンが東京に上陸
いつもと同じように電車で通学していた零だが、その日電車の中で急病人が出る。
零自身も激しい動悸に襲われて電車を降りると、向かいのホームでは4人が一斉に電車に飛び込んだ。
恐怖が伝播するように、次々と異常な自殺に駆られていく人々。
ついにサタンが東京に上陸したのである。
必死に理性を保ちながら走る零。
街中でも建物から人々が続々と飛び降り自殺していく。
パピコのもとにも防衛省から召集がかかるが、妊娠しているパピコに代わって桃乃木たちが出動することに。
パピコは零を心配して電話をかけると、零は必死に自殺願望に抗っているところだった。
それを聞いてパピコは零が死を選んでしまう前に自分がサタンを倒すことを決心し、桃乃木たちの後を追って出撃。
桃乃木たちはまず鬼藤が囮でサタンを引き付け、塩沢が足元で巨大化しながらタックル、ヘフナーと桃乃木がサタンの体内に侵入して内側から食い破る作戦。
失敗できない一発勝負の作戦が始まるのであった。
【7巻のまとめ】
未来から来た桃乃木たちのミッションは、AIによる人類への反乱を止めることだった。
未来ではソクラテスとプラトンというAIが人間を学習するうちに自分たちに劣る利己的、残酷で破壊的な存在と結論付け、人間に対し戦争を仕掛けて世界人口はわずか8500万人になってしまったという。
そしてETEはそのAIが人間を学習するための壮大な実験だという。
小さな黒い玉がタイムマシンであり、それを口に含むことで桃乃木たちは現代にタイムスリップ、そしてAIたちが活動している宇宙の施設の早期破壊を目指していた。
他方、妊娠が発覚したパピコは零と再会し、幸せを噛みしめる。
ところがアメリカを蹂躙したサタンがついに東京に上陸。
とてつもない恐怖から自殺に駆られる者が後を絶たないなか、零にも自殺願望が込み上げていく。
先行してサタンたちに立ち向かう桃乃木たち、そしてパピコも零とお腹の子との幸せな未来のために出撃し、サタンのもとへ急ぐのであった。
次巻へ続きます。
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