大きく重い者が絶対的に有利という相撲界の常識を覆すため、小さな力士の潮 火ノ丸が弱小の大太刀高校(ダチ高)相撲部に入部し、日本一と横綱を目指し歩み始めた。
部長の小関と元番長の五條、レスリング国体王者の國崎と、見るからにひ弱な三ツ橋を新たに加え、5人で歩み出した相撲部。
関東新人大会の個人戦では元横綱の息子・久世の前に越えられない体格差の壁を痛感し悔しさをにじませる火ノ丸、その前に親友の辻 桐仁が姿を見せ、ダチ高相撲部の監督として指揮を執ることに。
それぞれの特訓を経てインターハイの県予選が開幕。
団体戦決勝では火ノ丸が沙田との死闘を制してダチ高が優勝、個人戦では火ノ丸が優勝し、ダチ高は個人と団体で全国大会出場を決めた。
大会後、女子マネージャーとしてレイナと堀が加入し、インターハイに向けた稽古を積む火ノ丸たち。
そんな折、柴木山親方の計らいで力士たちとの合同稽古への参加が決まり、名古屋遠征へ。
そこで現役大関の弟にして国宝の一人である日景と偶然出会い、勝負することとなるのであった。
10巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
火ノ丸の必殺技は早くも対策済…?
日景の圧倒的なリーチからの強烈な突きをかいくぐり、百千夜叉墜を仕掛ける火ノ丸。
しかしただならぬ嫌な予感を察知し、技を途中で止めてしまった。
そこに日景と同じ高校の部員たちが割って入り、国宝同士の対決は中断。
火ノ丸の投げ技も含め、ダチ高は既に全国のライバルたちから対策を練られていることが浮き彫りとなり、火ノ丸は悩みを抱えたまま合同稽古に参加するのであった。
トップクラスだけが集う合同稽古場に火ノ丸が参加
苦労して磨き上げた必殺の投げが既に対策されていると知り、稽古が身に入らない火ノ丸。
冴ノ山はそんな火ノ丸を呼び出し、挫けぬ心の大切さを説きながら、十両以上の力士のみが集まる鈴ヶ嶽一門の合同稽古場へと案内した。
プロ中のプロに1人混じった火ノ丸に対し、早速三尾錦が「ここでは番付が全て。番付のない者はここでは虫ケラも同然」と洗礼を浴びせる。
しかし火ノ丸は怯むことなく三尾錦に自分の番付を決めるよう要求。
立ち合いでは前頭八枚目の三尾錦を相手に全身全霊の百千夜叉墜で勝ち星を挙げ、まずは我を通すことに成功するのであった。
元横綱に一目置かれ、特別稽古を受けることに
初見の技で三尾錦に土を付けたことで関取たちも火ノ丸に興味を持ち、次々と立ち合いが決まる。
しかし火ノ丸の百千夜叉墜がキレイに決まったのは最初の1回だけであり、すぐに対応されてしまった。
関取たちは日々研究し研究されてを繰り返しており、同じ技が二度通用するほど甘くはなかったのである。
現実を突きつけられてショックを受ける火ノ丸。
そこに元横綱の駿海が現れ、火ノ丸は直々に特訓を受けることに。
火ノ丸の後を追っていたレイナと共に、泊まり込みでの特別稽古が始まるのであった。
理不尽な指導を乗り越えろ
一切の口答えが禁止されるなか、「100円で30分以内にその日の食事を用意しろ」など理不尽な指示が飛び戸惑う火ノ丸とレイナ。
さらに許可が出るまで相撲の練習は禁止。
せっかく短い時間で関取との立ち合い稽古が実現しても「百千夜叉墜以外の決まり手は認めない」など理不尽とも思える稽古となる。
昔から無茶ぶりで弟子を潰したこともあるという駿海に不安もよぎるが、どの指示にも確固たる意図があった。
許可が出るまで練習が禁じられたのは、痛めた右腕の回復を優先するため。
そして決まり手を制限したのは、その技の限界を知ったうえで足掻くことで新たな発想を自力でつかむため。
連敗する悔しさをにじませながら、火ノ丸は必死に稽古についてくのであった。
飛び入りの日景を退け、壁を乗り越えた火ノ丸
合同稽古には日景も姿を見せ、兄である大関・大景勝を超えて日本人最強の座を掴み取るという並々ならぬ野心をのぞかせる。
火ノ丸が駿海のもとで特別稽古を受けていると知った日景は単身で駿海のもとに乗り込み、「火ノ丸を目の前で倒すから俺を弟子にしろ」と迫ってきた。
一方、特訓の成果で壁を乗り越えるヒントを掴んだ火ノ丸も売られた喧嘩を買い、名古屋城では最後までできなかった国宝同士の対決となる。
手加減無しの日景に対し、十分に回復した火ノ丸は本来のパワーで対抗。
さらに百千夜叉墜の対策を講じていた日景に対しても、フェイントを混ぜて多彩な投げ技を仕掛けながらかき回し、最後は宣言通り百千夜叉墜で日景を投げ飛ばして見せた。
限られたお金と時間の中で食事を用意するという無茶ぶりにも「出前を呼んで食事を用意するだけでいい」という正解にたどり着いた火ノ丸。
柔軟な発想を身に付け、視界が開けるのであった。
現役横綱との手合わせ
大口を叩いて乗り込んできながら敗北を喫した日景はそのまま引き下がろうとするが、駿海は「強くなりたければ見下して勝負を避けている兄貴と100番相撲を取れ」とアドバイス。
そして買った火ノ丸にはご褒美として、10秒という極めて短い時間ながらも現役横綱と立ち合えることに。
夢の勝負はたった5秒で火ノ丸が負けてしまったが、恵まれた環境と体験を糧に強くなることを決意するのであった。
小関は心を鍛えるため出稽古へ
一方、合同稽古では小関がプロ相手に委縮してしまい、絶不調に。
国技館での全国大会に向け不安が残るなか、見かねた國崎は小関に度胸をつけさせるために稽古後ある場所に連れ出す。
マネージャーの堀を加えた3人でプロレスのマスクを付けながら向かった先は、日景の所属する金沢北高校相撲部の合宿所。
道場破りはあえなく門前払いをくらってしまうが、金沢北高の部員たちにダチ高の日本一にかける想いを見下されたことで小関の胸の内に闘志が湧いてくるのだった。
【10巻のまとめ】
インターハイに向けた新技が早くも対策され行き詰ってしまった火ノ丸は、元横綱・駿海に気に入られて修業を積むことに。
そこでの特訓を経て壁を越えるヒントを掴んだ火ノ丸は、日景との野試合に見事勝利した。
一方、他の部員たちはそれぞれの弱点を克服すべく稽古に励むのであった。
次巻へ続きます。
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