カモメ古書店、そこは凶悪な犯罪に巻き込まれた被害者やその遺族が無念を晴らすために訪れる店。
古書店の主・鴨ノ目 武（カモ）とその相棒である島田 虎信（トラ）のコンビでこれまで数々の復讐依頼をこなしてきた。
シリアルキラーの園田に両親と従姉妹を殺害された開成 奈々子の面倒を見ながら、奇妙な同居生活が続いている。
犯罪に手を染めながらも十分な裁きを受けず反省もしていない犯罪者たちに、被害者に代わって復讐を行う2人の「復讐屋」の物語。
前作「善悪の屑」は作品の途中で本シリーズが有害図書指定を受けるほど過激な内容となっており、Amazonでは取り扱いが停止。
そこから描写をマイルドに変更し、タイトルも変更しながらメインストーリーを受け継いだ続編です。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
カモの過去と復讐代行の始まり
4年前、鴨ノ目（カモ）は妻の美咲と娘の里奈とごくありきたりだが幸せな家庭を築いていた。
しかしそれが1人の犯罪者によって一瞬にして壊されることとなる。
カモが仕事に出ている間、スーパーで通り魔の男に目をつけられ、その男が自宅に押し入ってきたのである。
仕事を終えたカモが帰ってきたときには自宅が警察によって封鎖され、カモが見たのは無惨に殺された妻と娘の遺体。
刑事をしているカモの叔父が必死にカモに声をかけるが、カモは心の底から絶望を味わうこととなった。
カモにとって生きがいだった愛する娘を失った喪失感と、褒められる母親ではなかったが最後まで娘を守ろうとして殺された妻への想い。
1週間近く経っても立ち直ることができないカモに対し、見かねた叔父は事件の容疑者が1人浮かんでいるが、警察官僚の息子であるために逮捕に慎重になっており、挙句の果てには警察が別の犯人をでっち上げることを検討していることを告げる。
証拠や目撃者の証言からしても容疑者の男が犯人であるのはほぼ間違いないのに、逮捕されずにのうのうと逃げられる可能性がある―？
復讐のために立ち上がったカモは、その容疑者が1人で夜道を歩いているところを待ち伏せし、ナイフで刺した。
抵抗した相手の爪が喰い込んで額に傷を負ったものの、相手を刺殺してその死体も隠したカモ。
容疑者は行方不明となって警察もそれ以上の捜査に本気を出すことなく、カモの初めての復讐が遂げられた。
無気力状態から脱したカモだが、テレビでは自分と同じように家族を凶悪犯に殺される悲惨なニュースが報道される。
自分と同じ思いをした被害者や遺族のため、復讐を代行することがカモの生きる目的となっていく。
住んでいた団地を引き払い、亡くなった父の古書店「カモメ古書店」を継いで復讐代行屋を始めたカモ。
ニュースで報道されたばかりの強盗殺人事件の容疑者が不審死を遂げたことで、カモの叔父はカモが復讐を代行したことに薄々勘づいている様子だが、カモの復讐にかける強い覚悟を知るとそれ以上口出しはしないのであった。
カモとトラが復讐依頼の標的に
カモと相棒の島田虎信（トラ）によって目・耳・口が不自由な身体となった男が、2人への恨みから復讐を「朝食会」代表の榎 加世子に依頼する。
彼は元教師だが、陰湿なイジメで自殺した生徒の祖母の依頼でカモとトラによって復讐され、イジメの共犯として3人の生徒と共に復讐されてこのような身体になった男。（前編「善悪の屑」1巻参照）。
話を聞いた榎はすぐさまカモメ古書店を訪れてカモを誘い出し、ボディガードである鶴巻 裕がカモを拉致する。
復讐を受ける側に立たされたカモだが、その表情は動かない。
榎はカモの携帯を使ってトラを呼び出し、カモが朝食会に拉致されたことを知ったトラは単身で指定された場所に向かうのであった。
朝食会との直接対峙
カモが監禁されている場所は榎が所有する倉庫であり、駐車場も自分が所有する場所。
榎はそこまでの道には防犯カメラもぬかりなく設置し、カモとトラの仕事についても調べ上げていた。
呼び出されたトラは力尽くでカモを救出しようと息まくが、鶴巻はオタクのような見た目とは裏腹に榎によって特殊な訓練を受けた凄腕のボディガード。
地下格闘技の元チャンピオンの血が騒いだトラが本気モードに入ると2人のバトルは一層激しいものとなっていき、相討ちとなって両者同時に倒れた。
戦いの中で、カモとトラの復讐に対する覚悟や世の中のクズを1人残らず殺すという強い決意を知った榎はカモへの復讐依頼を受けるのを取りやめ、2人を解放。
朝食会と因縁ができたものの、生き延びることができたカモとトラはまた元の生活に戻っていくのであった。
【1巻のまとめ】
カモメ古書店、そこは凶悪な犯罪に巻き込まれた被害者やその遺族が無念を晴らすために訪れる店。
古書店の主・鴨ノ目 武（カモ）とその相棒である島田 虎信（トラ）のコンビでこれまで数々の復讐依頼をこなしてきた。
シリアルキラーの園田に両親と従姉妹を殺害された開成 奈々子の面倒を見ながら、奇妙な同居生活が続いている。
過去に復讐依頼をこなした相手から逆恨みされ、依頼を受けた朝食会の榎がカモとトラを対象に狙うことに。
しかしやり方は違えど社会の屑を憎む理念は同じ。
榎は復讐依頼を受けるのを取りやめ、一時はカモとトラを捕らえるが解放するのであった。
次巻へ続きます。
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