色々な孤児が集まる「孤児院」・グレイス=フィールド(GF)ハウスは、院のシスターで「ママ」と慕われるイザベラのもとで、「きょうだいたち」にも血縁関係はないが、幸せに暮らしていた。
ここでは、赤ん坊のころに預けられた子供を、特殊な勉強とテストにより育てあげ、6歳から12歳までの間に里親の元へと送り出す...と孤児たちは教えられていた。
里親が見つかり、外の世界に出ることになったというコニーが人形を置き忘れたため、主人公で身体能力に優れるエマと、知略に優れるノーマンはそれを届ける。
しかし二人は、近づくことを禁じられていた「門」でコニーが食肉として出荷される瞬間を目撃する。
今までママやきょうだいたちと幸せに暮らしていた孤児院は、実は「鬼」に捧げる食用児の養殖農園だった。
そして「鬼」の存在を知ったエマとノーマンは、リアリストで博識なレイを仲間に引き入れ、GFから全員で逃げ延びるための脱獄計画をスタートさせる。
農園の真実を知られたことに気づいたイザベラは犯人の詮索を始め、さらに増員の監視者としてシスター・クローネを招聘。
イザベラのミスを知ったクローネが犯人を特定してイザベラからママの座を奪い取ることを考え始める。
イザベラとクローネ、2人に気づかれずにエマたちは脱獄の作戦を練らなければならないのだった―。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
年長者に目をつけるクローネ
発信機の大きさや形がわかれば後は壊し方…しかし発信機が壊れたときのアラートの可能性を考えると、壊すのはあくまで脱獄本番のとき。
壊し方についてはレイがいったん預かり、次の課題は「全員を連れ出す方法」。
エマは全員の基礎体力と思考能力向上のために本気の鬼ごっこ遊びを開始し、ノーマンを先生にして全員でトレーニングする。
〈本気の鬼ごっこ [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
しかしそこに目をつけたクローネも名乗りを上げ、鬼役として参加しながら子供たちに探りを入れることに。
ノーマン、エマ、レイの3人に加えドン、ギルダを加えた5人に目をつけるクローネは、子供たちの予想外の能力に驚きながらも本気で追い回し、次々と捕まえていく。
〈クローネも飛び入り参加 [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
幼子2人を抱えながら逃げるエマもクローネに追い詰められて捕まってしまい、残るはノーマンとレイ。
しかし2人は見事に逃げ切って見せ、クローネは最年長の3人の実力を認めつつ警戒する。
一方、ノーマン達も本番の脱獄ではチームを組まなければ逃げ切れないこと、そしてクローネの背後も取れたことから殺すのも不可能ではないことを悟るのだった。
〈ヒントを得たノーマン [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
内通者がいる?
チームを分けるため、そのリーダー役としてドンとギルダも主犯に引き入れることを決めたノーマン達。
しかしイザベラのやり方や振舞いから1つの懸念が浮かぶ。
〈内通者がいる? [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
イザベラは高い確率でクローネにマークさせるまでもなく主犯を特定していること、そしてそれは子供たちの中に内通者がいるという可能性だった。
疑心暗鬼に陥るなか、思考を巡らせるノーマンは脱獄の決行を最速の10日後に決める。
〈最短での脱獄決行を決める [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
10日間のなかでドンとギルダを味方に引き入れ、発信機を壊し、全員で逃げ切る。
イザベラの裏をかくため、急ピッチで作戦を練り始めるノーマン。
ドンとギルダを引き込むが、2人がボロを出せば即アウト―。
万が一脱獄が失敗しても2人は主犯としての罰を免れるよう、真実は一部隠すことにしたエマとノーマン。
〈真実を隠してドンとギルダを仲間に [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
「GFを卒業した子供たちは人身売買され、生死はわからない。全員で逃げて売られてしまったコニー達を助けに行こう」
エマとノーマンの説得で味方に入ったドンとギルダだが、コニーが死んでいるという真実を隠す、残酷な嘘をついてしまったのだった。
炙り出された内通者
内通者を特定するため罠を仕掛けるノーマン。
ドンとギルダの2人に別々に嘘のロープの在り処を教え、イザベラがどのロープを回収するかで特定しようというものである。
〈内通者を炙り出せ [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
クローネにカマをかけられるギルダを見て心配するエマだが、ギルダもなかなか尻尾を出さない。
クローネは「エマの嘘つき!と思ったらまた私の元へおいでなさい」と種を撒いてギルダを解放し、事なきを得る。
そしてノーマンは内通者がレイだと特定した。
〈内通者はレイだった [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
ノーマンはドンとギルダのみならず、レイにも嘘の情報を流していたのだった。
独自に動いていたレイ
「ずっと前からイザベラのスパイだった」と白状し、牧羊犬の役割でノーマン達の安全をコントロールしていたことを認めるレイ。
ノーマンはレイから情報を引き出しつつ、イザベラへの二重スパイになるよう迫る。
〈二重スパイを依頼 [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
「例え内通者であっても一緒に生きて逃げたい」という、エマの願いのためだった。
レイは6年前から農園の真実に気づき、スパイになる代わりに身の安全と仕事に対する報酬をもらう取引をイザベラに持ち掛けていた。
〈ずっと前に真実に気づいていたレイ [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
脱獄計画を仕掛けたのもレイ。
子供たちとイザベラの動きを巧に誘導しながら、手に入る報酬を通じて外の世界についても情報を集める、6年越しの用意周到な計画だった。
ノーマンとエマを守りたいレイが二重スパイになる条件として突きつけたのは、「エマを騙して『全員で逃げる』というのを諦める」というもの。
〈レイが突きつけた条件 [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
レイを引き入れつつ、エマの願いも叶えるにはどうすればいいのか―。
エマがレイの内通を予想外にあっさりと受け入れた一方、ノーマンは頭を悩ませることになるのだった。
脱獄への手がかり
イザベラの動きを探るうちに、ハウスの中に秘密の部屋があることを突き止めたエマ。
〈ママの隠し部屋がある [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
イザベラの書斎と洗面室の間に数メートル分の幅があり、毎晩イザベラはその周辺で姿を消すというのだ。
恐らく定時連絡のための部屋であり、いま侵入するのハイリスクローリターンという結論に至り、次に逃走経路と外の情報を探るノーマン達。
レイが報酬として手に入れた双眼鏡を持って塀へ下見に行くことを決める。
さらにエマが図書室で別の手がかりを発見した。
複数の蔵書に「ウィリアム・ミネルヴァ」という人物からモールス信号によるメッセージが隠されていたようだ。
〈ミネルヴァからのメッセージ [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
しかし計画に綻びが生じる。
スリが得意なドンがイザベラのポケットからマスターキーを盗み、ギルダと共に秘密の部屋への侵入を試みるのだった。
〈ドンとギルダの独断行動 [約束のネバーランド 2巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
【2巻のまとめ】
ドンとギルダを加えた年長者5人にクローネが目をつけるなか、着実に脱獄の準備は進む。
なかでも6年前から農園の真実に気づいていたレイは、自らイザベラのスパイになる代わりに身の安全と仕事に対する報酬をもらう取引を持ち掛け、子供たちの動きをコントロールしながら用意周到な準備を進めていた。
そのレイの内通に気づいたノーマンは二重スパイを依頼するが、現実主義者のレイはエマの「全員で逃げる」という願いを諦めるよう条件を突きつけ、ノーマンは頭を悩ませることとなる。
その頃、エマは図書室の蔵書から「ウィリアム・ミネルヴァ」という謎の人物がモールス信号で秘密のメッセージを送ってきていることに気づく。
またドンとギルダはイザベラからマスターキーを盗み、ハウスに隠されたイザベラの隠し部屋への侵入を試みるのだった。
次巻へ続きます。
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