山岳救助隊を目指す大学生の日高ミチロウは、友人の殺人未遂容疑で拘置所に収容中の弟・マコトを改心させるために奔走していたが、サイコパスであるマコトは反省の色を見せず、実刑判決が下ってしまう。
途方に暮れていた矢先、突如として赤い雨が降り出し、霧に包まれた拘置所は戦国時代にタイムスリップしていた。
ミチロウは幼き弁丸(後の真田幸村)と出会い行動を共にする一方、マコトは弁丸の兄である真田源三郎を斬って逃走。
源三郎を救うべく拘置所の医務室へと運び届けるミチロウだったが、そこで囚人の暴動が起き無秩序状態となり、攻め入った真田軍と解放された凶悪犯らの激戦となった。
刑務官である菊地が争いの収拾に動き出す中、ミチロウは真田十勇士と共に凶悪犯の謀略を阻止して弁丸を守り、先の世の者として真田家の客将として協力することとなる。
他方、ミチロウが捜索する弟マコトは逃亡中に同じくタイムスリップについての真相を知る不破と合流し、さらに歴史の歪曲が加速。
マコトと合流した不破は愉快犯のように歴史を歪曲させることを目的としており、今度は北条家をそそのかして真田家に降伏を迫る。
北条軍2万が砥石城に到着、対する真田軍はたったの50人と絶望的な戦いが幕を開けた。
現代人の力を借りて遠隔式の爆弾や仕掛けていた罠で北条軍の第一波を退けた真田軍だったが、戦況を見守っていた不破とマコトが真田軍の大将である真田昌幸が拘置所に避難していることを見抜き、すぐさま襲撃へ向かう。
真田軍の兵や刑務官らと斬り合いながら拳銃を手に入れたマコトが、因縁の相手である真田源三郎と再び対峙することになるのだった。
最終巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
マコトを救いたいミチロウの決意
源三郎が剣術でマコトを追い込むが、マコトも所持していた拳銃で対抗。
さらに真田軍は兵の数でも数的不利に陥り、源三郎や弁丸といった首級を狙う北条軍によって囲まれてしまう。
真田十勇士や水沢らが援軍に駆け付けるなか、再び源三郎がマコトと対峙。
拳銃の引き金に指をかけるマコトだったが、源三郎の気迫の形相が自分を想って叱る兄ミチロウの姿と重なり、思わず手が止まった。
心のどこかでは道を踏み外したことを兄に叱ってほしいと願っていたマコトは、その場に駆け付けたミチロウの目の前でそのまま源三郎に斬られてしまう。
仇敵としてマコトの首級を獲るつもりの源三郎に対し、兄としてマコトの命を救いたいミチロウは戸惑いを隠せないが、それでもマコトを放っておかないと決心する。
兄弟としての絆の深さと覚悟を悟った弁丸も源三郎を説得し、ミチロウはマコトを連れてその場を離脱するのだった。
ミチロウが不破と対峙、戦いは佳境へ
その頃、拘置所にいる真田昌幸を狙う不破に対しては赤岡たち守備隊が抵抗。
さらに北条軍が本腰を挙げてこちらに向かっていることを察知した真田昌幸はそのまま拘置所での籠城戦へと移行しつつ、狼煙で合図を受けた源三郎や真田十勇士らが守備が緩んだ北条本陣へと奇襲をかける。
マコトを助けるために拘置所に戻ってきたミチロウは不破と遭遇し、まだ戦いと混乱を楽しむ不破と対峙することに。
不破はあえてミチロウを弄びながら殺意を煽り、不殺の覚悟を捨てさせてミチロウをマコトの目の前で狂気の道へと誘うのが狙いのようだ。
必死に理性を保つミチロウだと、加勢に来た赤岡が不破に斬られたことでつにリミッターが外れた。
時を同じくして北条軍が拘置所の内部にまで侵入する一方、北条本陣に源三郎らが到達。
戦いは佳境を迎えるのだった。
真田軍が奇跡的な勝利を挙げる
大将首である北条氏政めがけて切り込む源三郎だが、惜しくも鉄砲や守備兵の槍に阻まれ、弁丸の目の前で命を落としてしまう。
兄の死で武士としての生き様を理解した弁丸が覚醒し、単独で斬り込んで北条氏政を仕留めた。
他方、不破はあえて現代に帰る方法をミチロウに明かして生きる希望を与え、ミチロウを本気にさせる。
ミチロウが不破を殺す決心を固めて戦うなか、最後は兄をに殺しをさせたくないマコトが倒れたまま拳銃で不破を撃ち抜いた。
北条軍に追い詰められていた真田昌幸らはいったん拘置所から避難していたものの引き返してきた菊地たちの車に拾われて辛くも脱出に成功。
こうして真田軍が奇跡的な勝利を挙げたのであった。
エピローグ:歴史という運命に抗う者たち
その後、不破に教わった通りに指定された日時に近江のある場所へと向かったミチロウたち。
そこにはボロボロの校舎があり、既に霧が立ち込め赤い雨が降っており、他にも大勢の人の気配がした。
そして閃光と共に校舎や現代人たちが消え、現代へと帰っていった。
霧が晴れ、戦国時代に残されたミチロウたちはその場で徳川蒼らと出会う。
それ以来ミチロウと蒼はそれぞれ真田家と徳川家として戦う間柄となり、そのなかで狂った歴史の修正を目的とする蒼は真田源三郎の代わりとなる者を用意して質として徳川家に仕えるよう指示を出した。
こうして源三郎の代わりに出されたのが、一命を取り留めて生きながらえたマコト。
時は流れ、真田家が与する豊臣方が滅びるとされる1615年の大坂夏の陣。
歴史が正しく流れるためにはこの戦いで豊臣方が滅びなければならないが、ミチロウたち真田軍は生きるために歴史という運命に抗おうとする。
マコトは病床に臥せりながらせめてもの贖いとして、皆がこの時代に生きた証を残すべく、運命に抗うの真田軍の姿を屏風画にしたためるのであった。
【5巻(完)のまとめ】
圧倒的な数の不利を跳ね除け、真田源三郎が命を落としながらも真田軍が奇跡的な勝利を挙げた。
戦いの最中で改心したマコトは重傷を負いながらもミチロウに助けられ、多くの現代人がタイムスリップで現代へと戻るなか、ミチロウやマコトを始め数人はこの戦国時代に残された。
ミチロウはその場で同じく戦国時代に残った徳川家康(蒼)と出会い、それ以来狂った歴史の修正を図る蒼率いる徳川家と戦う間柄となる。
そして時は流れ、真田家が与する豊臣方が史実では滅びるとされる大坂夏の陣。
歴史が正しく流れるためにはこの戦いで豊臣方が滅びなければならないが、ミチロウたち真田軍は生きるために歴史という運命に抗おうと戦い、その様子を病床に伏せたマコトが屏風画にしたためるのであった。
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