20XX年12月27日。ハジメは、6歳年下の幼馴染である人気若手女優の希堂琴音に偶然再会するが、琴音は別れ際に「私を止められたのは、あなただけだったのに」という謎の言葉を残して去っていく。
その翌日、ハジメは二人の刑事から琴音が駅で大量の死傷者を出す毒ガステロを起こし、さらに自分もガスマスクを外して亡くなったことを聞かされた。
それ以来、事件直前に琴音と会っていたハジメは、執拗に警察の取り調べを受け、マスコミにも追いかけ回されることとなる。
ハジメ琴音のマネージャーの塩見から接触を受け、琴音の無実を信じる芸能関係者たち（大物俳優・久保田玄奘、元アイドルグループのジュンペイ、琴音と同事務所の宮ノ森真由、若手お笑いコンビ"コンビニマシンガンズ"）らと独自に事件を調査し始めた。
しかし"コンビニマシンガンズ"のナナコの指と生首の動画と共に何者かから「これ以上、琴音の事件に踏み込むな」「警察には知らせるな」という警告があり、まとめ役の玄奘は要求通り事件を手を引くことを決めてしまう。
諦めることのできなかったハジメは真由と共同生活しながら調査を継続するが、ある夜家に押し入ってきた黒ギャルによって2人は撃ち殺されてしまった。
薄れゆく意識のなか、ハジメが「琴音と別れたあの時に戻りたい」と強く願うと、いつの間にか12月27日のテロ事件発生直前にタイムリープしていた。
ハジメは急いでテロ事件現場に駆けつけ、琴音を見つけると、琴音はテロ事件を起こしながらも「ミヤコのためにはこうするしか」という言葉を残して息絶えていった。
二度目の死を迎えたハジメは、そのヒントを胸に再びタイムリープして事件の半年前に目覚め、今度は琴音と付き合って幸せにすることで凶行から引き離そうとする。
しかし今度はマネージャーの塩見が何者かに拉致されてしまい、同じくタイムリープしてきた真由と再び手を組んで黒幕を捜査することに。
琴音から聞いた「ミヤコ」こと新人女優の千田ミヤコをマークすると、ミヤコが怪しい動きをしているうえにミヤコが立ち寄ったある高級マンションにはなぜか玄奘も姿を現した。
だがそのマンションに住んでいるのは、女たらしで有名なジュンペイ。
次々と要注意人物が浮かび上がってくるのであった。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
琴音を狙うジュンペイを玄奘が諫める
ハジメと真由が気づく前に、琴音を飲みに誘ったジュンペイ。
女たらしで有名なジュンペイだが、琴音にはいつにも増してしつこく絡み、2軒目に強引に連れて行こうとする。
真由からの度重なる不在着信やハジメからの「すぐ会いたい」というメッセージで琴音は帰ろうとするが、ジュンペイは腕を強く掴んで離さない。
するとそこに玄奘が姿を現し、紳士的にジュンペイをたしなめて琴音を助けた。
琴音は無事にジュンペイの手から逃れられた一方、帰宅したジュンペイは失敗したイライラをミヤコにぶつけるのであった。
男女として結ばれるハジメと琴音
その晩、ハジメと琴音は男女の仲として結ばれた。
それから1週間、ハジメは何事もない日々を油断せずに過ごしていたが、真由はハジメが生き生きとしていることに気付く。
いつしか真由もハジメに好意を抱き始めているようだが、真由は琴音との幸せを願って身を引こうとしていた。
しかし、ハジメたちの平穏はすぐに壊されてしまうこととなる。
邪魔者の手が琴音に迫ってきたのだった。
ハジメが命を狙われる事態に
ある日、ハジメのもとをミヤコが訪ね、「琴音が何か悩みを抱えているようだ」と相談に来た。
真意がつかめず警戒するハジメは当たり障りのない対応でミヤコを返し、真由と合流しようとする。
ところがハジメの車のブレーキが壊れ、事故を起こして入院することに。
ミヤコがハジメと会って時間を稼いでいる間に、ジュンペイが車に細工をしていたのである。
幸いにも命に別状のなかったハジメは、琴音が幼い頃に両親を殺された血みどろの状態で佇んでいる凄惨な光景が夢の中でフラッシュバックして目を覚ました。
そこに事故を捜査する刑事として柳と南田が現れ、ハジメの車のブレーキが壊された痕があったことや、これ見よがしに覚醒剤が車の中から見つかったことを告げる。
警察はハジメが何者かにハメられた可能性を疑っており、ハジメは警察を利用して黒幕に近づくことを考えるのであった。
ハジメを狙ったのはミヤコとジュンペイ
事故で携帯が壊れていたとはいえ、真由にも琴音にも全く連絡を取ろうとしていなかったハジメに対して真由が叱咤。
当のハジメは琴音に無事を告げる留守電を残しつつ、柳と南田に対してミヤコが怪しいことを匂わせて捜査するように誘導する。
そして病院から帰ると、家では琴音がハジメのことを待っていた。
まっすぐな目で「何を隠してるの？」と問う琴音に対し、巻き込まないためにはぐらかすハジメ。
ハジメは琴音を守る為にGPSを琴音のバッグに忍ばせる一方、柳と南田の捜査は早くも壁に行き当たってしまう。
覚醒剤絡みの捜査を担当する刑事によるとミヤコには男（ジュンペイ）がいたそうだが、捜査の手が及ぶ前にミヤコはどこかに行方をくらましてしまったというのである。
捜査の手が自分に及びつつあり、ミヤコに逃げられたジュンペイはパニックになりながら黒幕にすがりつき、汚れ仕事を任されるのであった。
琴音が失踪、ジュンペイ・ミヤコ・塩見の遺体が見つかる
琴音が何か悩みを抱えていることを見抜いたハジメだが、直接聞き出すことはできず、GPSの信号を見守ることにする。
そのまま1か月が何事もなく過ぎたが、いまだに塩見とミヤコは見つからず、またジュンペイも行方不明となった。
そして迎えたクリスマスの日、琴音は真由とコンビニマシンガンズの2人（土屋・水野）を家に招いて鍋パーティをすることに。
気心の知れた人だけで楽しい時間を過ごし、ハジメも今の琴音ならテロ事件を起こすはずがないと考える。
だがその考えは間違いだったとすぐに思い知らされることに。
翌日に琴音は失踪し、数日後には琴音が事件を起こす前によく訪れていた場所で死体が次々と発見されたのである。
樹海の入り口近くでジュンペイが、無人島でミヤコが、そして廃病院では塩見の遺体が、全て両目をくり抜かれた状態で見つかったのであった。
謎を残したままテロが起こる当日を迎える
鍋を囲んだ翌日から琴音が失踪し、琴音が関係するところで3人の遺体が見つかった。
さらに両目がくり抜かれているのは、10年前に琴音の両親が殺されたときの状態とも似ている。
そのことを知っているのは当時事件を担当していた柳たち警察と、事件現場に居合わせたハジメを含む事件関係者だけ。
柳は琴音が事件に関係しているか、または巻き込まれているかもしれないことからハジメから話を聞こうとするが、ハジメは口を閉ざしたまま。
そして胸に殺意のような思いを抱えながら、最初の時間軸で琴音がテロを起こした運命の12月27日を迎えるのだった。
現場で直接琴音を待ち伏せ
テロが起こる時間帯に、現場となる駅に向かったハジメ。
ハジメを心配して真由も姿を現し、ハジメは真由と食事をするなどして時間を潰しながら琴音が現れるのを待つ。
そしてハジメの悪い予感は的中。
女子トイレから琴音が姿を現し、ハジメは琴音を殺してでもこれから起こる凄惨なテロ事件を食い止めることを決意するのであった。
【3巻のまとめ】
ジュンペイとミヤコが黒幕に近いことを確信するなか、ハジメは琴音と幸せに暮らすことを考えていたが、そのハジメが今度はジュンペイとミヤコに命を狙われてしまう。
車に細工され事故を起こしてしまうが、幸いにもハジメは無事。
だがそんななか、悩みを抱えている様子だった琴音が突然失踪し、ミヤコ・ジュンペイ・塩見の遺体も琴音がよく通っていた場所で次々と発見される。
それらの遺体は全て両目がくり抜かれており、その様子は琴音の両親が殺されたときと同じもの。
当時から事件を担当している柳刑事はハジメから話を聞こうとするが、ハジメは口を閉ざしたまま。
そしてハジメは琴音を殺してでもテロを止めるという決意を胸にテロ事件発生の当日を迎え、駅で琴音を待ち伏せするのであった。
次巻へ続きます。
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