桜木らのノウハウを引き継いだ龍山高校は進学校へと一気に成長したが、教職員らが影で「女帝」と渾名される龍野久美子が理事長代行となってからは有名私立大学の合格実績がさらに上がる一方で東大合格者は年々減少し、ついにゼロとなってしまった。
この低迷に桜木は龍山高校の理事となり、既存の特進クラスとは別に「東大専門コース」を設置すると独断で宣言、自身の弟子にして龍山高校初の東大合格者であり、現在は桜木の下で弁護士を務めている水野にその担当を命じる。
東大専門コースの門を叩いた早瀬菜緒と天野晃一郎を迎え、スマホアプリを始めとするITを駆使しながら様々な受験テクニックや勉強法を教えていくことに。
しかし最初の力試しで早速自信を無くすこととなり、気分屋の早瀬がリタイア宣言。
これは反応を先に予想していた桜木のフォローで事なきを得るが、一方の天野も最大の欠点であるメンタルの弱さが露呈。
天野は優秀な弟を見習って自力で立ち直り、いよいよスマホを使った新しい勉強が始まるのであった。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
受験マトリクスで自分を知れ
受験マトリックスにはできた・できなかった、得意・不得意の4マスが書かれており、付箋を使ってセンター試験のなかから全問題を分別する。
分別し終えたらスマホで写真を撮り、これを日記のようにしながら勉強してできるようになった項目を張り直していく。
こうして自分の学力を可視化しながら全部の項目を「できた/得意」に動かすのがこの手法の目標。
勇気を出して自分と向き合い、弱さを知って強さに変える…。
これが受験に勝つということなのだった。
難関大コースの小杉と藤井も東大受験を決意
桜木に対抗する難関大コースの教師たちはそちらでも東大合格者を出すことを目標にし、文系トップの小杉麻里と理系トップの藤井遼に東大を受けさせることに。
藤井はもとから東大を受験するつもりだったようだが、小杉は「浪人したくない」と言って東大志望に否定的な考えを示し、一橋か早稲田の法学部を志望していた。
藤井は周囲をナメている様子、また田村は小杉の志望校を東大に変えさせるためにあえて桜木の手を借りることを決断する。
桜木は「口約束でも『絶対合格させる』という保証をすべきだった」と責め、「生徒は受験で不合格というリスクを背負っている。一緒に戦う教師もリスクを取れ」と言葉をかける。
心を入れ換えた田村は再び小杉と会い、熱心に東大を志望するよう説得。
その真っ直ぐな熱意を受け、心を動かされた小杉は涙ながらに東大受験を決意するのだった。
受験マトリクスで取り組むべき順番
受験マトリックスを作り、いよいよ英語から勉強が始まる。
ここで重要なのは取り組む順番。
正しい順番は①「得意/できなかった」、②「苦手/できた」、③「苦手/できなかった」の順。
受験勉強にスムーズに入るにはまず得意分野をがっちり固め、ミスをしないようにすること。
それには解答冊子を読んで問題の解法を理解し、スタディサプリで学ぶ。
さらに英語から始めるのは英語が最も時間を必要とする最重要科目だから。
2人でスタディサプリの英語にアクセスし、そこで川口の講義を聞きながら楽しく学んでいく。
加えて川口の授業を完全に理解するためにビデオカメラを使い、早瀬と天野が互いに教え合うことで効率的に学力を定着させることに。
スタディサプリで受けた内容をアウトプットする様子をビデオで記録することで一生懸命になれるうえ、教え合うことで自分の理解度も測ることができる。
もう1つ、ピア効果という同じ志を持つ仲間と共に行動することで刺激が生まれより高い学習効果も期待できるのだった。
相手にモノを教えるときのフォーマット
ビデオを用意しながら、相手に教えるときのフォーマットを2つ教える水野。
1つはSDS法といい、概要、詳細、総括の順に展開する方法。
もう1つはPREP法といい、結論や要点、理由、具体例、再び結論や要点の順に展開する方法。
早速早瀬がビデオに撮りながらアウトプットを始めるが、型にとらわれすぎて中身が薄く、講義をそのままなぞるだけになってしまった。
一方の天野は緊張もあり、話しているうちに頭のなかが混乱してしまう。
初日はあまり上手くできなかった2人。
しかし水野は裏で本当の目的として2人の性格データを収集していたのだった。
早瀬と天野の性格診断
早瀬は素直で順応性が高く快活だが、飽きっぽくて淡白であり諦めが早い、つまりわかった気になってしまうタイプ。
天野はとにかくネガティブで失敗を極度に恐れ、ミスを抱え込んで悪循環にハマる、勉強しても成績が伸びないという最も苦労するタイプ。
2人とも思いきった自己改革が必要と水野は判断するのだった。
東大専門コースに対抗心を抱く藤井
東大専科の教室に姿を見せた藤井は、見下した様子で天野に絡む。
桜木が嫌いだという藤井は難関大コースから東大に合格する自信をのぞかせて去っていった。
藤井は桜木とその生徒である落ちこぼれの天野に勝手に対抗心を燃やすのだった。
英語をアウトプットするための画期的な勉強はSNS
受験マトリックスと性格分析を終え、受験準備の第1段階はクリア。
桜木は来年1月のセンター本番ではほぼ満点を目指すことを宣言し、そのための対策として英語に重点的に取り組むことを宣言する。
時間を短縮した画期的な勉強方法として、早瀬にはTwitter、天野にはYouTuberになるように指示する桜木。
毎日英語を使って発信することでアウトプットすることを習慣化してしまえば、学習効果は飛躍的に向上する。
勉強における黄金比率はインプット3対アウトプット7であり、夜にインプットして朝にアウトプットするのが最も効果的。
漠然と始めても挫折しがちなため、SNS上ではキャラクターを決め、早瀬は12歳の帰国子女、天野はカメラの前で毎日30秒間日本の受験生ライフを世界に発信する高校3年生というキャラクターが与えられた。
「天野はたしかに緊張しやすいが、案外図太いヤツだ」
その言葉に背中を押された天野は勇気を出してYouTuberに挑戦することを決意するのだった。
ここから東大合格の道を突き進む
早瀬と天野の志望学部を文科1類と理科2類にしたのは、それぞれ現在最も合格しやすいから。
文科1類はセンターの足切りが最も低く二次試験での逆転が可能。
理科2類は二次試験も含めた合格最低点が理系で最も低く、こちらも二次試験でのリカバリーが可能。
優秀な弟を持ち心の底にあるライバル心に火がついた天野と、東大に入れれば何でもいいという言葉でファッション感覚で東大を目指す早瀬。
ここから合格への道を突き進むのだった。
【3巻のまとめ】
難関大コースの小杉と藤井も東大受験を決意する一方、早瀬と天野は受験マトリクスで自分の勉強すべき範囲と順序を知る。
さらに性格診断で2人とも思い切った自己改革が必要と判断され、英語の効果的な学習も兼ねて早瀬はTwitter、天野はYouTubeを活用したアウトプットを実践することに。
早瀬が文科1類、天野が理科2類の志望に決まり、ここから合格への道を突き進むのであった。
次巻へ続きます。
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