死刑が廃止され、代わりに極悪犯罪者たちが集められた無法地帯「天獄島」。
大学教授である父を何者かに殺された御子柴は、その容疑者であり父の共同研究者・友人である榊を追って天獄島へ行きつく。
しかし島の中に残る街で課題を出され、合格していい生活をするか不合格で無残な奴隷の姿になるかの選択を迫られる。
出された課題は「神」と崇められる少女の前での殺し合いに勝つこと。
殺し合いに勝利した御子柴だったが、区長が「神の祝福」と呼ばれる薬を摂取して死んでしまうとその罪を着せられてしまう。
「神の祝福」はガン細胞の信仰を完全に止める副作用で健康な細胞の成長も止めてしまう禁断の薬で、御子柴教授と榊が開発したもの。
神と崇められる少女イチは御子柴教授の被験者で、奇跡的にその薬に適応した結果、少女の姿のまま成長が止まってしまっている。
御子柴教授亡きいま、獅賀厚生労働大臣のもと完全な奴隷を大量生産するために天獄島で研究が続けられている。
榊はその研究を指揮するフリをして、御子柴教授の遺志を継いで研究の悪用を防ぐために妨害していたが、同じ研究者の水沢が完全体の奴隷を完成させてしまった。
そして御子柴と榊が再会。
御子柴は驚くべきことに榊が悪に染まっていないことを見抜いていた。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
榊の覚悟
なぜ榊は無実の罪を着てまで天獄島に来たのか。
榊に真実を問いただす御子柴。
しかしそこに水沢が現れ、御子柴を次の完全なる奴隷生産の実験対象にすることを提案する。
〈水沢の暴走 [天獄の島 3巻](c)日本文芸社/ 落合裕介〉
御子柴教授は自分の身に危険が迫っていることを予期しており、「何かあった時はイチのことを頼む」と榊に託していた。
そのことを思い返しながら、榊は御子柴を守る決断をする。
御子柴教授の死の真相
水沢に薬を投薬し、傍に仕える完全体奴隷を監獄に監禁することに成功した榊。
御子柴を連れて脱出するが、水沢と完全体奴隷に起きた異変はすぐに気づかれてしまう。
〈榊の裏切りが露呈 [天獄の島 3巻](c)日本文芸社/ 落合裕介〉
榊は御子柴に研究の真実を伝え、御子柴教授から託された録音メッセージを渡す。
音声には、天獄島が受刑者を従順な奴隷に生まれ変わらせる国家レベルの重大な役割を担っていることが録音されていた。
〈父の暴露 [天獄の島 3巻](c)日本文芸社/ 落合裕介〉
従順な奴隷にするための副作用として急激な老化が見られるため、御子柴教授の新薬を不老薬として用いるというのが国の決定だった。
そして御子柴教授は「実験に協力しなければ資金援助を打ち切る」と脅されていた。
それでも圧力に屈しない御子柴教授は実験への協力を拒否し、このことを暴露するべくメッセージを残したのである。
結果、御子柴教授たちは口止めのために政府の手回しで殺され、メッセージを受け取った榊は復讐のために計画に協力するふりをしてまで天獄島に来たのである。
〈真相を語る榊 [天獄の島 3巻](c)日本文芸社/ 落合裕介〉
榊の目的
もうじき黒幕の獅賀が天獄島に来ることを榊は知っていた。
御子柴もそれを聞いて、復讐に走ろうとする。
しかし厳重な警備を突破するためには準備が足りない。
御子柴教授の遺志を継ぎ、「イチを守りながら計画を完成させない」というのが榊の目的。
そして自らが犯人という扱いを受けることで、御子柴を真相から遠ざけようとしていたのである。
榊の目論見ははずれ、真相を知った御子柴。
そして榊の裏切りも露呈したいま、御子柴は全てを壊して島を出る決意を固めるのだった。
〈全てにケリをつける [天獄の島 3巻](c)日本文芸社/ 落合裕介〉
奴隷を売り込む獅賀
獅賀は海外の来賓も天獄島に招待し、研究成果の説明と奴隷の売り込みを図っていた。
御子柴と榊が逃亡中のため、秘密裏に警備を固める指示を出す獅賀。
しかし既に2人は施設内に侵入し、警備室から銃を入手していた。
御子柴は来賓を人質にし、獅賀に銃を向ける。
〈黒幕と対峙 [天獄の島 3巻](c)日本文芸社/ 落合裕介〉
さらに施設の自爆装置を起動。タイムリミットは10分。
御子柴が起こした殺人の真相
家族を殺された後、様々な証拠を当たっていた御子柴。
どうしても自白以外に榊の犯行を裏付けるものを見つけられず、関与した人間がいると突き止めた裏の組織に3年間潜入。
〈御子柴の罪 [天獄の島 3巻](c)日本文芸社/ 落合裕介〉
そこで真犯人のグループを見つけ、雇い主の情報までは得られなかったものの、榊が犯人でないことを割り出していた。
そのまま5人を殺害し、遠流の刑によってまんまと天獄島に流れ着いたのである。
天獄島からの脱出
施設の自爆が始まる。
御子柴と榊はイチを連れ出し、人質をとったままヘリで脱出を図る。
しかし水沢の奴隷が駆け寄り、御子柴と戦闘に。
一方、イチの面倒を見る榊の前には水沢が。
榊はすっかり興奮して取り乱している水沢にナイフで刺されながらも鎮圧。
〈水沢に刺される榊 [天獄の島 3巻](c)日本文芸社/ 落合裕介〉
奴隷も御子柴がとどめを刺し、ヘリで飛び去った。
エピローグ
ヘリの中で榊は御子柴にある者を渡す。
イチの身体を元に戻す薬だった。
〈イチの身体を戻す薬 [天獄の島 3巻](c)日本文芸社/ 落合裕介〉
御子柴に後を託し、ゆっくりと目を閉じる榊。
天獄島の爆発事件により日本の非人道的な研究は世界中にさらされて非難の対象になった。
研究に手を貸していた大国は沈黙を貫いたが、黒幕の獅賀らは遠流の刑に処された。
そして2年後。
外国のとあるところでは再び紛争地域に身を置く御子柴と、その帰りを待つイチの姿が。
イチはかつての少女ではなく、無事に成長を遂げているのだった。
〈成長したイチ [天獄の島 3巻](c)日本文芸社/ 落合裕介〉
【3巻(完)のまとめ】
完全なる奴隷の大量生産という国家機密を阻止し、無事に天獄島から脱出した御子柴と榊。
榊は御子柴に後のことを託し、息絶えた。
イチの身体は元に戻り、成長を再開するのだった。
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参考無法地帯と化した孤島が舞台のサバイバル+サスペンス『天獄の島』全3巻【ネタバレ注意】
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