ゴールデンカップスに移籍した凡田だが、パ・リーグの打者の洗礼を浴びて苦戦を強いられることとなる。
生え抜きで似たような年齢・成績の投手である印西とライバルとなり、凡田が地元開幕投手の座を射止めるが、味方打線の援護で勝利したものの凡田自身はピリッとしない内容だった。
印西もまたシーズン最初の先発では黒星を喫し、共に不甲斐ない出来の2人に地元TV局の老山アナとその娘の恵が鋭く切り込んでいく。
ハングリー精神が足りないと指摘された凡田は程なくして2軍に落とされることとなるが、ギリギリで引退を免れた。
ものの翌シーズンから仕切り直し、地元の開幕戦で好投を見せて勝利を飾る。
そしてその試合では凡田の後をトクの愛弟子である布川、本木、薬丸の3人によるアマがき隊がブレイク。
布川と薬丸が一時調子を落とすも復活、本木も好調をキープし、アマがき隊の活躍でチームは首位争いに食い込む。
ゴールデンカップスとパープルシャドウズが激しい首位争いを繰り広げるなか、個人タイトルでも凡田・扇田・則川の3人が最多勝、坪内・河内もホームラン王を狙う位置につけた。
14勝目を挙げた則川が最多勝争いを1歩リードするが、右肘の痛みで登録抹消。
他方凡田は14勝目をかけた試合でメッタ打ちされ早々に降板してしまう。
残る試合はあと僅か、凡田は投げようと思えば投げられるものの、向井監督は終盤に失速した本木と凡田の起用について、優勝が懸かるかもしれない最終戦を任せていいかどうか悩むのであった。
最終戦までもつれこんだ大接戦の結果、ゴールデンカップスが優勝を果たした。
チームからは坪内がホームラン王、扇田と凡田が並んで最多勝、薬丸が最多セーブ、本木が最優秀中継ぎと5人の個人タイトル獲得者が出る結果。
アマがき隊では布川だけがタイトル獲得とはならなかったが、チームはその勢いのままCSへと突入するのであった。
10巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
パープルシャドウズがCSファイナルステージへ
パープルシャドウズも河内がホームラン王、則川が最多勝のタイトルを獲得。
則川はCSファーストステージは絶望的だが、セカンドステージで1試合だけなら投げられそうな見込み。
パープルシャドウズのベンチは手負いの則川をゴールデンカップスにぶつけるには凡田の先発にぶつけるべきと判断し、凡田と同じく6回まで限定で投げ合うことになる。
パープルシャドウズが想定どおりファーストステージを制し、ファイナルステージへと進むのだった。
逃げて粘る凡田
ファイナルステージの第1戦はエース扇田の好投でゴールデンカップスが勝利。
アドバンテージと合わせて2勝0敗となる。
そして第2戦では凡田と則川の投げ合いに。
6年ぶりのCSに気合いが入る凡田だが、初回から河内を含む2者連続ホームランを浴びて3失点。
この日は早々に凡田を諦め継投の準備を始めることにしたトクは凡田に変化球だけでこの回だけは切り抜けるように指示し、凡田は逃げまくるピッチングでたった3球で3アウトを取った。
1回裏は則川の前に5球で3アウトを許してしまい、リリーフの準備ができていないことから、2回も凡田が投げることに。
すると、この回だけ投げきればいいという開き直りが功を奏したのか、凡田は三者凡退に抑えて見せた。
ここからは調子のいい則川と、開き直った好投でズルズルと回をまたぐ凡田の投げ合いに。
6回までと決めている則川は打順2周り目から早くもスプリットを解禁する一方、凡田も初回以降はパーフェクトピッチングで変えるに変えられない状況が続く。
「あと3アウトだけ」という言葉を何度も聞かされるハメになった凡田はトクへの信頼をなくしつつ5回までを投げ抜いた。
一方、肘の痛みが気になり始めた則川は5回裏に乱れ、坪内に逆転満塁ホームランを許してしまう。
そしてこの1球で肘が限界を迎えて負傷交代。
逆転と則川の交代を見てゴールデンカップスは6回も凡田に行かせようとするが、1点差のリードというプレッシャーを嫌った凡田はマウンドをリリーフ陣に譲った。
この試合はゴールデンカップスがさらに点を重ねて勝利し、凡田が勝利投手となるのだった。
ボビーと再会、新たな刺激を得る
結局、ゴールデンカップスが4勝1敗で日本シリーズへ進出。
この試合でも3失点した凡田について、向井監督は短期決戦の先発向きではないと判断し、日本シリーズではワンポイントリリーフでしか使わないことを告げる。
日本シリーズの相手は川崎新監督率いるスパイダース。
日本シリーズに向けて軽いトレーニングをする凡田の前に、持田とメジャーリーグのブルーソックス2Aコーチとなったボビーが訪ねてきた。
バカンス中のボビーは持田にアテンドを依頼し、日本のCSや日本シリーズを観戦しに来ている様子。
そんなボビーとキャッチボールすることになった凡田。
ボビーは遊びながら新しい魔球として無回転で不規則な変化をするナックルを伝授。
日本シリーズまでに習得するのは不可能だが、これが後に凡田にとってもいい刺激となるのだった。
新変化球は通用するのか…?
そして迎えた日本シリーズ。
凡田はスパイダースの主軸で同郷の後輩でもある大野を抑えるべくマウンドを託される。
結果的には四球となってしまったが、凡田が何か新しいことを試していたことに観戦していたボビーは気付いた。
凡田はナックルをアレンジしたナックルカーブを密かに練習しており、日本シリーズの大舞台でそれを試していたのである。
しかしその球は大野に捉えられ、打球が高く舞い上がるのだった。
【10巻のまとめ】
パープルシャドウズとのCSを制したゴールデンカップスが日本シリーズ進出を決めるが、ピリッとしない凡田には「短期決戦の先発には不向き」という烙印が押されてしまう。
そんな折、ボストン・ブルーソックスのマイナーのコーチとなったボビーと再会を果たした凡田は、遊びで取り入れたナックルに刺激を受けてオリジナルのナックルカーブを秘かに練習し始めた。
日本シリーズの舞台でも新たな変化球を試す凡田。
打席に立つのはスパイダースの主軸で同郷の後輩でもある大野、果たして凡田のナックルカーブは通用するのか―。
次巻へ続きます。
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参考ベテラン投手となった凡田が突き進むのは更なる開花か引退への道か『グラゼニ パ・リーグ編』全13巻【ネタバレ注意】
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