初夏、友達と下校中だった高校生・永井圭は、交通事故に遭い轢死するがすぐに生き返り、決して死なない「亜人」だと判明する。
亜人のテロリストである佐藤が亜人に対して政府や民間企業が行ってきた非人道的な研究を世間に暴露し、「大量虐殺して亜人の力を国民に認めさせる」という目的に向かう亜人の同志を見つけて殺害予告リストを公表、テロを起こしながら世間を恐怖のどん底に陥れた。
平穏な暮らしを取り戻したい圭は、佐藤に反発する亜人の少年・中野 攻と行動を共にすることとなり、政府機関である亜人管理委員会の戸崎 優やその部下で亜人の下村 泉らとチームを組んで佐藤を止めるために行動を開始する。
特に意識不明の婚約者の治療費を負担し続ける戸崎はなりふり構わず、亜人研究の第一人者・オグラ博士を独断で誘拐し、博士の協力のもと雇った黒服たちと共にIBMとの戦い方や訓練を行う。
一方、少年院では圭の逃走を助けた幼馴染のカイが同房の少年・琴吹を助けたことで協力を得ることに成功する。
亜人である琴吹は翼のあるIBMで、助けてもらった恩返しにカイを一度だけ少年院から脱獄させることを約束するのだった。
亜人管理委員会の会合が佐藤一派に襲われ、大臣は早くも実現しえない「佐藤との和解」に向けて舵を切る。
佐藤が和解に応じるはずがないと踏んだ戸崎と圭は大臣の命令を無視して独自に作戦を進めていき、襲撃リストにあるフォージ安全ビルで待ち構えることに。
圭たちはIBM粒子が亜人にしか見えないことを逆手に取った罠で田中・高橋・ゲン・奥山の4人を制圧することに成功し佐藤を引きずり出すが、佐藤は「自らの身体を粉々にすると最も大きな肉片を起点に再生する」という亜人の性質を活かした転送でビルに易々と侵入を果たす。
ビルの電力とセキュリティをダウンさせた佐藤はゲリラ戦を展開しながらターゲットの居る社長室を目指し、佐藤に解放された田中も何か思うところがあってビル内に留まりつつ上階へと向かう。
泉が田中と、平沢たちが佐藤と接敵する一方、佐藤を追う圭と攻は警察官たちに発見され足止めを食らうことに。
果たしてビル内の死闘の行方は―。
9巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
警察官の足止めを突破
警察官に発見され足止めをくらう圭。
警察官を攻撃するのは攻が反対するであろうことを悟り、可能な限りスムーズにその場を切り抜けるため、ノーマークの攻を人質に取るポーズを見せて警察官を一手に引き受ける。
攻にその後の段取りを託し、麻酔銃で圭が拘束される。
そして攻が治療を受けるフリをしながら二人で不意を突き、その場を突破するのだった。
泉vs田中 IBM同士の戦い
泉と田中、亜人同士の戦いは防弾チョッキなどの武装や佐藤のもとで戦いかたを学んだ経験値に勝る田中に軍配が上がる。
警官の格好をした田中が手錠で泉を拘束、その戦いを目撃した社員や警備員が亜人と判明した泉を見て騒ぎ出す。
先を急ぎたい田中だが、人間側に見つかり非人道的な研究をされた者としては泉に同情し、後味が悪いものとなるのだった。
平沢たちが佐藤相手に奮戦
佐藤と対峙する平沢たちはさらに1人の犠牲を出してしまう。
残り3名となった平沢たちは、佐藤の攻撃に応戦しつつ隙を突き、麻酔銃で佐藤を完全に眠らせることに成功。
ところがここで佐藤が奥の手であるIBMを解禁。
ずっと佐藤のもとで自我を育てられていたIBMが自走を始め、次々と平沢たちに襲い掛かる。
一人、また一人と倒れていき、最後にIBMは麻酔銃で眠らされていた佐藤を攻撃して復活させた。
残る平沢が佐藤にやられる寸前、駆けつけた圭と攻が助けに入るのだった。
佐藤を止めることができず…
平沢は気絶し、再び対峙することになった圭と佐藤。
しかし作戦がなくては正面から佐藤に敵うはずもない。
攻は麻酔銃で撃たれ、圧倒的な強さを持つ佐藤に圭が殴り倒されてしまう。
佐藤はそのまま社長室へと侵入。
セーフルームに立て込もっていた甲斐社長は余裕しゃくしゃくの表情だが、佐藤はその強固な壁を破る方法も用意していた。
自らの腕を切り落として壁に押し付け、物質を貫通して再生が優先されることを利用して壁に穴を開けた佐藤。
甲斐社長を殺害し、もう1人のターゲットである李を探すのだった。
殺しに強い抵抗を示す田中
ビル内を逃げまどう李は田中に発見される。
死を覚悟する李だが、田中は心がわりをしたのか、李の手を取って逃がそうとする。
李はただ研究に巻き込まれただけで、亜人に敵意を持つ悪い人間ではないことを悟っていたのである。
しかしそこに佐藤が追い付き、田中が佐藤に対峙することに。
田中の意図を聞いた佐藤はあっさりと引き上げ、再び圭と戦う楽しみへと向かっていくのだった。
完全敗北、ビルからの逃走
気絶から覚醒した圭たちは社長室へと向かうも、時既に遅し。
セーフルームに穴を開けられたことから、このビルを完全封鎖する手も効かないだろう。
万策尽きた圭に、佐藤はアナウンスで呼び掛ける。
佐藤は圭の作戦の浅はかさを指摘しながら、圭を断頭しに行くことを宣言。
一緒にいた平沢は圭と攻を連れて屋上へと向かい、「逃げるぞ」と告げる。
勝つためには一度立て直す必要がある。
佐藤の銃撃で重傷を負っていた平沢は、もう長くは持たない自分が佐藤を引きつけながら、圭と攻に飛び降りさせて逃がそうとしていた。
攻が先に落ちる一方、圭は平沢を見捨てることができず一緒に戦おうとする。
そんな圭を平沢が撃ち、圭もビルから落とされた。
残る平沢は佐藤に戦いを挑み敗北。
唯一、自我が芽生てあた圭のIBMが屋上へとよじ登って佐藤に襲い掛かるが、佐藤も今後の戦いで再び圭と対峙することを楽しみにしながら飛び降りて逃走するのだった。
戦いを諦めた圭
逃走に成功した圭と攻。
しかし圭は佐藤に完全に負けたことで半ば自暴自棄気味に戦いを諦めようとしていた。
佐藤は止められず、亜人への敵視は増すばかり。もはや社会も佐藤も関係のない山奥や大海原で平穏に暮らすしかない―。
諦めない攻は死んでいった平沢たちの仇を討つため涙を流しながら圭に協力を懇願する。
圭はそんな攻を置いて立ち去ろうとするが、悔しい想いは同じなのであった。
【9巻のまとめ】
佐藤を追う圭たちだが、止め切ることができずに完全敗北を喫する。
ターゲットの1人である李は虐殺に強い抵抗を示し始めた田中が心変わりをして助かったが、甲斐社長は殺され、また平沢ら黒服たちも命を落とした。
平沢に守られてビルからの逃走に成功した圭と攻だが、圭はもはや佐藤との戦いを諦めて身を隠すことを考えていた。
諦めの悪い攻は平沢たちの仇を討つために協力を懇願するが、圭は立ち去ってしまうのだった。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら
全巻まとめに戻る
-
-
参考死なない人間は人類の敵?味方?迫力満点の異能力バトル『亜人』全17巻【ネタバレ注意】
続きを見る