赤場帝一は、将来総理大臣を目指すべく、名門海帝高校へと進学し、生徒会長を目指すことに。
まず、ルーム長に選ばれ、相棒の榊原光明を副ルーム長に任命し、活動することにしたのだった。
厄介者の東郷菊馬とその右腕の根津二四三、そして6組の大鷹弾が強力なライバルとなる。
特に大鷹は外部生で、成績は超優秀、人望も厚いということで家は貧しかったが、ルーム長に選ばれたのだった。
今後の出世争いのために、まずは次の生徒会長選で勝ち馬に乗ることが必須。
大本命の氷室ローランドの忠実な犬になるべく、熱い視線を送りアピールする帝一は、同じく氷室につきたい菊馬と争うことに。
夏休みにはルーム長合宿が行われ、帝一は氷室のために尽くそうとしたが、結局2年で氷室のライバルである森園億人に敗れてしまった。
その後、氷室から生徒会長選の有力候補である草壁を消す密命を受けた帝一と菊馬が奔走。
帝一は光明が夏休みの自由研究で作ったウソ発見器を利用して過去にあった文化祭での草壁の裏工作の暴露に成功し、うまく草壁を失脚させることができたのだった。
4巻のあらすじを振り返ってみましょう。
目次
熾烈な生徒会長選挙始まる
いよいよ生徒会長選挙。
選挙管理委員会の委員長に帝一が任命された。
生徒総会が開催され、選挙公約が候補者3名から発表された。
安田は退屈な演説に終始した一方、森園は能力主義を採用し、文化部・運動部問わず「期待予算」を計上すると宣言。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
そして、氷室はスポーツ部に予算を大幅に増やすことを公約とした。
すると、体育館にいる生徒たちは氷室コールに沸いた。
氷室は多数派である運動部系の票を確実に押さえるという作戦に打って出たのである。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
必然的に森園と安田で文化部系の票を取り合う形となり、氷室の勝利は早くも手堅いものに。
しかし氷室はすべての票を取りに行くと宣言し、1年生のルーム長のすべての票を氷室票にするよう、帝一、菊馬たちに指示するのであった。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
森園の大きな駒
弾と将棋をする森園は、選挙戦では今のままでは自分は勝てないことを悟っていた。
勝つためには何でもありの喧嘩として考えるならば、自分を守り、味方になってくれる大きな駒が来るのを待っていると話す森園。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
その大きな駒として、弾に期待を寄せているのであった。
帝一の海帝祭開会式
氷室が統括する今年の文化祭「海帝祭」では、開会式の演出を帝一と光明、閉会式を菊馬と根津が担当することに。
今年のテーマは堂山から「日本美」というテーマをもらっていた。
帝一が中心となって海帝祭実行委員が結成され、帝一もその大役をこなした。
美美子にも海帝祭のことを話すと美美子も見に行きたいと話すが、帝一は弾と再会させる機会を作ることを絶対に避けるべく断りを入れる。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
しかし美美子は帝一に内緒で海帝祭へと出向き、帝一の家族と鉢合わせすることに。
こうして海帝祭開会式が幕を開けるのだった。
帝一、男を魅せる
帝一は開会前に家族や美美子を見つける。
美美子には「あれほど来るなと言ったじゃないか、帰ってくれ」と告げるが、美美子は海帝祭を見て回る。
そして開会式では帝一が演出した、「裸太鼓」が披露される。
運動部長の圧倒的スケールと、氷室・帝一・光明をはじめとする男どもの裸に、美美子や帝一の妹・夢子をはじめ女子たちは顔を赤らめる。
帝一は氷室の肉体美を中心に運動部の部長たち全員で一丸となることが票固めしたい運動部系への最大のアピールになると考え、演出したものだった。
帝一の狙いどおり会場は大きく沸き、海帝=運動部と印象付けることに成功するのであった。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
弾と美美子の距離が近づく
開会式の影響もあり、海帝祭の運動部の屋台は活気づく。
氷室や駒も運動部の票取りに余念がなく、忙しくしていた。
そんな時、美美子の姿を偶然見つけた弾は、近くにいた森園にも引き合わせ、一緒に文化部を回ることに。
森園は文芸部で、高校生推理小説大賞を取っており、相棒の京田もオカルト系の同人界隈では異例の人気を博しているようだ。
演劇部もコンクールで金賞を獲るほどのレベルで、高校生離れした脚本、役者、演出の出来栄えに美美子も号泣。
パレードを披露する吹奏楽部や写真部、美術部などもレベルが高く、森園はこれらの文化部を切り捨てる氷室は間違っているとの考えを明かす。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
ちょうどそこに帝一が姿を見せ、美美子に自分の仕事に集中できないから帰ってほしいと告げ、ここで美美子は帰っていくのであった。
帝一と弾の決裂
帰り際に美美子が弾に見せた笑顔がひっかかった帝一は、屋上に弾を呼び出し、提案を持ち掛ける。
それは、自分が生徒会長になったら弾を副会長にし、2人でこの学校を牛耳ろうというもの。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
その代わり、今度の会長選では氷室に票を入れることと、今後美美子に近づかないことが条件。
しかし、出世争いに興味がない弾はその提案を飲まなかった。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
帝一のことを友達と思っていた弾に対し、いずれ一般学生に成り下がる弾を友達と思ったことは一度もないと切り捨てることにした帝一。
この海帝祭で帝一と弾は決定的に決裂したのであった。
「猫」で獲得できた一票
帝一が弾と決裂したことを氷室に報告すると、そこには菊馬の姿が。
何やら弾が氷室に一票投じたくなるようなネタを提供しにやってきたようだ。
帝一たちはその遅れを挽回すべく、光明が中学のころ「猫部」で仲良くしていたルーム長の中村らのもとを訪れる。
光明がウソ発見器を改造し猫の感情が分かるようにした「ニャンニャンスピーク」を2人にプレゼントする代わりに、氷室への票を獲得することに成功。
それを氷室に報告しに行くと、そこにはたまたま氷室の父がいた。
帝一たちが自己紹介をすると、どうやら氷室の父は「赤場」という名前に心当たりがある様子。
その様子を見ていた帝一の父、譲介も氷室の父を見つけて何か思い当たるところがあるのだった。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
礼子の激励
その頃、弾は書道パフォーマンスを終えた担任の礼子から話しかけられる。
寄付金のない弾をルーム長にしたことでボーナスが半減したことや、学校から実家に電話がかかってきて、「弾との間で怪しい関係が疑われるから辞職をお勧めします」と言われたことを明かす礼子。
それでも礼子は嫌がらせに屈しず、弾にこの学校を変えてもらいたいと願う。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
礼子の激励を聞いて弾は、何か心に刺さった様子なのだった。
弾の宣戦布告
閉会式を迎え、菊馬たちは氷室の心を打つ「日本美」として花火を演出する。
氷室は弾に声をかけ、父を亡くした弾に対し、実家の豊富な資金力で弾の父が残した多額の借金を特別に救済する代わりに弾と副ルーム長の佐々木の2票を氷室に投じてほしいと交換条件を持ちかけた。
だが弾は、氷室の顔にパンチをくらわす。
弾は氷室の甘い言葉に揺らいだが、戦う覚悟を固め、その退路を断つべく殴ったのだ。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
そして森園を生徒会長にするために戦うと生徒みんなの前で宣言したのだった。
森兄弟との取引
森園への票を獲得すべく、運動部の部長たちを説得しに行くが、門前払いされる弾。
一方、氷室は1年5組の森兄弟の票を固めてきて欲しいと帝一・菊馬に命じていた。
森兄弟は金にがめつく、夏合宿では帝一を強請ろうとしてきた奴らだ。
翌日、森兄弟から「話がある」と呼び出される帝一と光明。
そこには菊馬と根津の姿もあり、自分たちの票をいくらで取引するかプレゼンしろと逆提案を受ける。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
光明は合法風なねずみ講のやり方を森兄弟に説明し、100万円を稼げるやり方として提示。
一方、菊馬は父親同士の上下関係によりほぼ確実に自分が帝一に勝つことをアピールし、自分が生徒会長になった際の会計の座を確約し、部費からのキックバックとして30万円を提示。
結果、森兄弟は労せずして十分な金が得られる菊馬の案を採用。
さらに10年後、森兄弟は光明のアイディアをヒントにねずみ講で金を稼ぐが、摘発されてしまうのだった。
美美子の言葉がヒントに
夜、工事現場のバイトを終えた弾は帰り道に、家の窓辺に佇んで外を眺めている美美子を発見する。
帝一とのように糸電話を使って話し、弾が帝一と敵対関係となったことを伝えると、美美子は「みんなで力を合わせればいいのにね…」とつぶやく。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
その言葉にハッとした弾は、氷室との戦い方を思いついた。
そこにいつもどおり変装して現れた帝一は、杖で弾を突き飛ばし、美美子のおじいさんのふりをして弾を追い返す。
嫉妬と動揺を隠せない帝一は美美子に「君は誰が好きなんだ?」と問うと、美美子は「帝一君よ」と答える。
しかし帝一と別れた後、弾に対する帝一の態度にモヤモヤを抱える美美子は、帝一への想いが冷めないよう、大好きだった帝一のピアノが聞きたいと心の中でつぶやくのだった。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
「億章同盟」結成
弾は美美子の言葉を受け、会長選のライバル同士である森園・本田たちを呼び、同盟を結ぶことを提案する。
票が固い森園組の16票に本田組の6票を足せば、氷室とも戦える可能性が出てくるという計算である。
本田はもともと堂山会長からの誤解が解けたことで当初の希望はほぼ成就しており、森園が会長になったら本田たちを本部役員に入れるという条件のもと、億章同盟(森園億人、本田章太の名前からとったもの)」が結成された。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
しかしその様子は盗み聞きしていた根津を通じて菊馬から氷室に伝わり、勝利を確信していた氷室は怒りに震えるのだった。
氷室と駒の友情物語
氷室と駒は海帝中学校で出会ってから4年になる付き合い。
当時から2人でタッグを組み、他校の不良とケンカに明け暮れていた。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
相手を制するまでとどまることを知らない氷室は、他校の連中から“金髪の狂犬”と呼ばれ、駒と2人で天辺を取ろうと約束していた。
氷室が荒れたのは、日本に来た小3に遡る。
氷室は日本語がよくわからず、金髪であったことを珍しがられ、からかわれたりいじめられたため、転校初日からクラスメイトにつかみかかった。
氷室の父はアメリカナンバーワン自動車メーカーの「ハリケーンモーターズ」の海外営業部部長であり、母が日本人。
そんなアメリカ帰りの日本語があまりわからない氷室が名門、海帝中学校に入ることは相当な努力を要したことだろう。
そして中学に入り、爆発したかのようにケンカに明け暮れていた氷室の姿に男ぼれした駒が、自分から氷室に声をかけ、喧嘩デビューしたのだった。
しかし、ケンカが学校に知られることが多く、2人の親も度々学校に呼び出される。
氷室は毎回駒をかばったものの、父がお金でもみ消していた氷室とは違い、お金に余裕のない駒は退学を免れる条件として氷室と手を切ること、ケンカを2度としないことを約束させられる。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
駒は泣く泣く、事情を話すことなく氷室と縁を切り、氷室は更に荒れていった。
氷室の喧嘩はエスカレートし、たった1人で10人以上の不良や大人・暴走族と喧嘩していることを知った駒は、退学を恐れずボロボロで死にそうになっている氷室に駆け寄っていく。
氷室を止める方法をずっと考えていた駒は、退学がかかる中学のうちは一緒につるめないが、この国を動かせるくらいの本物の天辺として海帝高校の生徒会長を目指すことを約束。
「帝一の國」4巻©集英社/古屋兎丸
この生徒会長選挙は、まさに氷室と駒がタッグを組む喧嘩勝負なのだった。
【4巻のまとめ】
生徒会長選挙が始まり、公約で氷室は多数派を占める運動部の票を固めるべく、運動部の予算を大幅に増やすと宣言した一方、森園は文化部も切り捨てない考えを明かす。
そして海帝祭が幕を開け、帝一らはその実行委員を担う一方で票集めに奔走。
美美子も帝一から止められていたが、海帝祭を訪れて弾や森園と文化部を見て回り、それに嫉妬した帝一が弾と決別する。
森園のために戦う覚悟を固めた弾は、皆の見ている前で氷室に宣戦布告し、氷室の優勢を覆すべく、森園・本田の「億章同盟」を結成させるのだった。
次巻へ続きます。
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(※2024/08/02現在の情報です。最新の配信状況等は各公式HPをご覧ください)