地球に現れた未知の寄生生物が人間の脳に寄生しようとする中、高校生の泉新一は偶然にも右手に寄生されてしまう。
何者かによるミンチ殺人連続事件が起こる中、新一は「ミギー」を名乗る寄生生物と奇妙な共存生活を始めることになった。
ミギーは学習意欲が高く、人間の言葉を話すことができるようになる。
また、ミギーは新一の感情を読み取り、女友達の村野里美への恋心を見抜いてしまう。
新一はミギーとの関係に戸惑いつつも、他の寄生生物との遭遇と戦いを経験する。
その中には高い知能を持ち、教師に擬態した生活を送る田宮良子がいた。
彼女は果たして敵なのか?味方なのか?彼女の存在は、新一の今後の運命を大きく左右することになる。
Aによる事件が終息し、田宮は学校から去って姿をくらませた。
シンイチは自分が無意識のうちに少しずつ変わっているのではと不安になるなか、隣町の高校のスケバンである加奈がシンイチに強い興味を持つようになる。
そんななか、シンイチの両親が旅行先で寄生生物に襲われ、母が喰われて死んでしまった。
シンイチ自身も母に成り代わった寄生生物によって瀕死の重傷を負い、ミギーの決死の処置のおかげで何とか生きながらえたが、ミギーの細かい細胞が全身に混じって人間離れした力を手に入れることとなった。
重傷を負って入院地している父を守るため、そして母の仇を討つため、シンイチは父のいる伊豆へと向かい、戦いに備える。
そしてシンイチは伊豆の地で、自分と同様に一部分だけ寄生されて共存している宇田という男と出会うのであった。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。
シンイチに起きた変化
宇田は寄生生物に襲われた際、海に転落して溺死しかけたことで寄生生物は脳を奪うよりも口に寄生し呼吸の確保を優先したため、こんな共存になったそうだ。
シンイチの境遇を知った宇田は同情の涙を流して協力を申し出、シンイチは仲間を得たことに安堵する。
だがそんな折、ミギーは改めてまだ話していなかった変化をシンイチに伝える。
それは、緊急手術によって血中に乗ったミギーの肉片は約30%ほど回収しきれず、シンイチの全身と同化したということ。
「寄生獣」3巻©講談社/岩明均
これによって人間離れした身体能力を得たのだが、父と話したときに涙が全くでなかったのもおそらくこのためなのだろう。
シンイチは自分がますます人間から離れているような気にかられるのだった。
復讐を遂げる
ついにシンイチの母の仇が接近してきた。
先に接敵した宇田が相手を人気のない岬へと誘導し、シンイチも急行。
だが道中でミギーが完全休眠に入ってしまい、シンイチは武器のまま身体を固定した右腕を頼りに、宇田と共に戦わなければならなくなった。
そして戦闘が始まり、戦い慣れしていない宇田が相手の刃を胸に受けて倒れてしまう。
次に立ち向かうのはシンイチ。
相手はシンイチがまだ生きていたことに驚きつつ、シンイチに未知の能力があるのを警戒しながら攻撃をしかけてくる。
「寄生獣」3巻©講談社/岩明均
対するシンイチは全身がミギーと同化したことで動体視力も格段に向上しており、単独で相手を追い詰めた。
だがトドメの一撃をお見舞いしようかというとき、母の身体を手にかけることに躊躇いが生まれ反撃を許してしまう。
形勢逆転されたかと思ったその時。
倒れていたはずの宇田が背後から相手の首を切り、倒すことに成功した。
「寄生獣」3巻©講談社/岩明均
宇田の寄生生物は予め心臓を狙われることを予測し、体内で臓器の位置を動かして致命傷を避けていたのである。
宇田のおかげで復讐を遂げたシンイチは、真樹子にも別れを告げ伊豆を去ることに。
帰る途中、何も説明せずに復讐を遂げた岬に父を案内。
「寄生獣」3巻©講談社/岩明均
父に真実を語らなかったのは、真実を知れば父はきっと世間のために行動を起こし、命を狙われるリスクに晒されてしまうから。
一方の父も黙ったまま、何かを感じ取っていたようだった。
そして全てを終え緊張の糸が切れたシンイチは、倒れこむようにして眠りにつくのであった。
学校に戻ってきたシンイチ
再び学校に姿を見せたシンイチは、まるで以前とは別人のように風格があり落ち着き払っていた。
加奈に関してまだ嫉妬している光夫がシンイチに喧嘩を仕掛けるが、シンイチは光夫を余裕で子供扱いし、喧嘩を買わない。
里美はシンイチへの違和感を強める一方、もともと野性の勘が鋭い加奈は以前にも増してシンイチの存在を遠くからでも感じられるようになった。
「寄生獣」3巻©講談社/岩明均
里美といるシンイチの邪魔をせずに見守る加奈。
その視線に気付いているのはミギーだけなのであった。
「寄生獣」3巻©講談社/岩明均
シンイチの考え方にも変化が
全身がミギーと同化したことで聴覚も鋭くなったシンイチ。
耳をすませば車に轢かれて瀕死になった子犬の声にも気づき、車が行き交うなかその子犬を拾い上げる。
子犬は重傷で助かる見込みはなく、公園で最後を看取っていると、そこに里美もやってきた。
シンイチの最近の変化を心配していた里美はシンイチの優しさに胸をなでおろすが、子犬が息を引き取るとすぐにシンイチはその子犬の遺体をゴミ箱に捨ててしまった。
里美に非難されても
「死んだイヌはイヌじゃない。イヌの形をした肉だ」、
と言い放つシンイチ。
「寄生獣」3巻©講談社/岩明均
それは以前のシンイチからは考えられないようなセリフであり、どちらかというとミギーたち寄生生物の考えに近いものだった。
里美に嫌われたのが心に刺さり、人として自分を見つめ直したシンイチは、子犬の遺体をゴミ箱から出して公園の木の下に墓を作ってやった。
シンイチは「はじめからこうしていればよかった」と後悔するのであった。
「寄生獣」3巻©講談社/岩明均
転校生・島田は寄生生物
里美と仲直りできないままのなか、学校には転校生として島田秀雄という3年生がやってきた。
島田の正体は寄生生物が成り代わった姿であり、田宮から言われてシンイチに接触してきたようだ。
「寄生獣」3巻©講談社/岩明均
敵対する意思はなく、食事も実験として人間と同じものを食べ続けているという島田。
寄生生物たちは人間社会の中で人間と共存していくことを模索しているのだと言うが、手放し信じることはできない。
ちょうどミギーが完全休眠に入ってしまい、弱点を悟られないうちにシンイチは島田から離れる。
そんななか、シンイチのことを遠くからでも察知できるほどに勘の鋭い加奈だが、その感覚を頼りにした結果、人違いで島田に絡んでしまう。
「寄生獣」3巻©講談社/岩明均
シンイチと自分が似ていることを看破した加奈に興味を持った島田は加奈にも興味を持ち、トラブルになりかけたところでシンイチが助けに入った。
島田はシンイチに牽制されて退散、助けてもらった加奈はシンイチとの距離を縮めようと腕を組むと、タイミングの悪いことにその様子を里美にも見られてしまう。
他方、島田は人が一人いなくなっても目立たない大きな街のなかでこっそりとターゲットを絞り、人間の捕食を続けているのであった。
寄生生物の存在の公表は…
加奈のことが心配ではあるが、寄生生物の存在と真実を明かすことはできない。
それにしても、寄生生物の存在に気付いている人間は他にはいないのか―。
シンイチが頭を悩ませているなか、実家では父が寄生生物の存在を公表することについて警察のお偉いさんたちと話し込んでいた。
「寄生獣」3巻©講談社/岩明均
テレビでも怪情報として「口だけ頭」という存在が特集され、人々にも知れ渡っていく。
お偉いさんたちはその存在について知りながらも、世間を刺激してパニックになるだけだとして公表は避ける考えの様子。
結果として、父は他言無用の話としてシンイチに自分が見た全てを伝え、初めてハッキリと母の死を伝えた。
寄生生物の話については既にシンイチはほとんど知っている内容だったが、父をこれ以上巻き込まないためにただ黙ってうなずくことしかできないのであった。
「寄生獣」3巻©講談社/岩明均
島田が加奈に接近…
勘を頼りにシンイチに近づきたい加奈だが、またも島田に絡まれそうになる。
そこに光夫が割って入り、むしゃくしゃしている腹いせとして島田を公衆トイレへ連れ出した。
島田をシメてスッキリするはずが、寄生生物の島田に逆にボコボコにされてしまう光夫。
光夫は島田の人間離れした力を目の当たりにするのであった。
「寄生獣」3巻©講談社/岩明均
【3巻のまとめ】
宇田の協力のもと、母の仇である寄生生物を討つことに成功したシンイチ。
父は寄生生物の存在について警察に証言し、公表はされないものの寄生生物の存在が世間に少しずつ知れていく。
他方、シンイチの学校には転校生の島田が現れるが、島田の正体は寄生生物だった。
ミギーとの同化が深まったことで考え方にも変化が生じ、違和感に気付いた里見と距離が生まれる一方、野性の勘で寄生生物の信号を何となくキャッチできる加奈はシンイチとの距離を縮めようとする。
だが島田はそんな加奈に興味を持ち、加奈に危険が迫りつつあるのであった。
次巻へ続きます。
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