三瓶たちを中心にチームワークを高める脳外科は、ついに川内を術者とする手術に挑む。
以前の川内を知る三瓶は、まだまだこれからだと医師としてのさらなる飛躍を期待する。
6巻のあらすじを振り返ってみましょう。
後遺症に負けない
半年前に脳卒中で倒れ、左半身の麻痺を抱えながらも、川内の尽力により職場復帰を果たした患者が、てんかん発作を起こし再び運び込まれた。
脳卒中の術後、てんかん発作を起こす患者の再発率は高く、三瓶は抗てんかん薬を使用することに。
それを受けて川内は、自分も予防のために抗てんかん薬を処方されていると打ち明ける。
川内への投薬を不信に思った三瓶は、かかりつけ医に直接話を聞くが釈然としない。
てんかん発作を起こした患者は、三瓶が抗てんかん薬の適切な量を見極め生活の質を落とさないよう注意しているが、職場での理解が追いつかず休職を勧められていた。
三瓶と川内は、周囲が正しく理解することで患者の力を発揮できるようにと職場に掛け合う。
患者の人柄もあり、無事これまで通りの居場所を得られることになり喜ぶ川内は、自分もとことん後遺症に向き合うと覚悟を決めた。
川内の服薬の謎
三瓶はさっそく川内の脳波を調べるが異常は見られず、抗てんかん薬が予防投与であるなら、少しずつ減量していこうと提案した。
抗てんかん薬の服用がなくなれば、過度な制限がなくなり夜間勤務にもできると期待する川内。
しかし、血中濃度を調べると薬の量は二人が思うより少なく、三瓶はまだ気になることがあるから薬を中止しないようにと川内に指示し、処方された本当の理由を探り始める。
綾野の立場
綾野の婚約者の祖父である西島同窓会長は、綾野に一刻も早く論文を完成させ医学博士となり結婚の話を進めるようプレッシャーをかける。
医師として現場から離れることに心残りがある綾野は、医学博士・経営者の道に踏み出せずに婚約者との間に溝ができ始めていた。
そのうえ、父の病院を継ぐことを押し切ってまでカテーテルを極める道を選んだ手前、臨床から離れることを父にも話せずにいる。
三瓶に呼び出され食事を共にした綾野は、大迫教授が川内に処方している抗てんかん薬の予防投与について相談され、三瓶と同じように違和感を感じる。
予防投与ではないとしたら、その理由を隠すのはなぜなのか―。
三瓶は綾野に対し、調査に協力してほしいと頼む。
西島と川内の葛藤
綾野が大迫教授のパソコンに侵入しようとしていることを察すると、婚約者の西島麻衣は三瓶を訪ねてやってきて「綾野を巻き込むな」と抗議する。
縁談がうまく行かなければ周囲にひずみが生じることを恐れる西島に対して、三瓶は「その縁談のために犠牲になるのが川内なら許せない」と一歩も引き下がらない。
三瓶は川内に過去にてんかん発作を起こしているかもしれないと、予防投与ではない可能性を話した。
綾野や西島に迷惑がかかるなら、これ以上は調べなくても休薬すれば分かると提案する川内だが、三瓶と星前は発作が起こると危険だと川内を止める。
さまよう川内
二人に反対されたものの、真実が知りたい川内は勝手に服薬をやめてしまう。
そのころ綾野は、医大で川内が脳波検査を7回も受けていたことをついに突き止めた。
しかし記録は消去されていて、異常がないことを確認するための検査とは思えず、三瓶はやはり何か隠されていると確信した。
休薬していた川内は、夜間に仮眠をとる三瓶と星前の前で発作を起こす。
寝言を言いながら歩き出した川内を急いで追う二人、その時三瓶にしか分からない過去の記憶が川内によみがえった。
発作が治まると、三瓶は側頭葉てんかんの症状だと説明をする。
すでにてんかん発作を起こしていたことが分かり、落ち込む川内に三瓶は診断名がついたのは記憶障害の治療の前進であると励まし、川内に寄り添った。
大迫教授の思惑
嘘をついて投薬していた大迫教授の思惑に気づいた三瓶は、削除された川内の脳波検査の記録を復旧するため、綾野とともに医大にもぐりこむ。
脳波検査を繰り返す画像を目の当たりにし、川内の側頭葉てんかんを知っていながら治療をせず記憶障害を残したままにしようとした大迫教授を問い詰めた。
綾野と西島の婚約を進めるために川内の治療を意図的に遅らせていることに激怒する三瓶だが、大迫教授はしらをきりとおす。
発作が起こらず、記憶がよみがえらないギリギリの量で処方していた大迫教授に対し、三瓶の疑問が解消するならと薬の増量を切り出す川内。
不安要素もある中、川内に押し切られる形で三瓶は抗てんかん薬の増量に踏み切った。
【6巻のまとめ】
三瓶は川内の記憶障害の秘密に一歩近づくが、まだ「何か隠されている」と真実は見出せないまま。
綾野は婚約者の西島との間に気まずい空気が流れているが、川内のためにと三瓶に協力する。
川内は三瓶と共に、試行錯誤しながら記憶を取り戻そうともがく。
【6巻の見どころ】
この巻の見どころは、川内の服薬の謎が次第に明らかになり、記憶障害の背後に潜む秘密へと迫る緊張感あふれる展開です。
脳卒中後の患者のてんかん発作をきっかけに、川内自身も抗てんかん薬を服用していることが判明します。
しかし、服薬の理由が曖昧なままでは納得できない三瓶は、川内の脳波検査を進めるうちに、新たな疑問を抱きます。
そして、休薬を決意した川内がついに発作を起こしたことで、彼の「側頭葉てんかん」の診断が下される瞬間は、衝撃とともに安堵を感じさせる場面です。
一方、大迫教授の思惑が浮かび上がり、川内の治療が意図的に操作されていた可能性が示唆されます。
真実を追う三瓶と綾野の奮闘も見逃せません。

次巻へ続きます。
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