大きく重い者が絶対的に有利という相撲界の常識を覆すため、小さな力士の潮 火ノ丸が弱小の大太刀高校(ダチ高)相撲部に入部し、日本一と横綱を目指し歩み始めた。
部長の小関と元番長の五條、レスリング国体王者の國崎と、見るからにひ弱な三ツ橋を新たに加え、5人で歩み出した相撲部。
関東新人大会の個人戦では火ノ丸が中学時代の天敵や同じ小柄な力士の狩谷との激闘を制すると、それに触発された元横綱の息子・久世も大会出場を決意する。
まず國崎がレスリング特有の変則的な動きで挑むも、久世の横綱相撲を打ち破るには至らず。
五條も久世に敗れ、決勝トーナメントでは火ノ丸が久世と激突。
心も技も拮抗した2人の対決だったが、結局勝敗を分けたのは体格差だった。
越えられない壁を感じ悔しさをにじませる火ノ丸、その前に親友の辻 桐仁が姿を見せ、ダチ高相撲部の監督として指揮を執ることを宣言。
まうず中学生たちを使って今のダチ高相撲部に勝つと言い放ち、力試しが始まるのであった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
それぞれの課題が浮き彫りになる
中学生力士を使ってダチ高に勝つと豪語する桐仁。
まずは五條が名乗りを挙げるが、得意の突き押しが前のめりになってしまっているところを狙われ、はたき込みであっけなく負け。
期待がかかる國崎も立ち合いの踏み込みで足が浮いてしまう癖を見抜かれ、けたぐりで土をつけられた。
三ツ橋は単純な実力の差で敗戦。
そして小関もまた上半身が弱いことを見抜かれ、足取りでバランスを崩して負けた。
それぞれの弱点を露呈する結果となったが、それは逆に今の彼らにとっての伸びしろでもあるということ。
桐仁はそれぞれの武器を短期間で徹底的に伸ばし、ダチ高が日本一になる手助けをすることを望んでいるのであった。
選手として戦うことを諦めた桐仁
続いて桐仁は自ら火ノ丸の立ち合いの相手を名乗り出る。
選手としては期待するなと言っておきながら、桐仁は鋭いぶちかましで立ち合いを制し、キレのある技で火ノ丸に対応。
そして火ノ丸が練り上げた必殺の投げ技「百鬼薙」に合わせてさらにアレンジを加えて投げの打ち合いを制した。
必殺技のさらなる進化の可能性を自ら示し、火ノ丸にすらも勝つほどの実力を見せつけた桐仁。
しかし桐仁は生まれつき肺が弱く、ドクターストップにより全力で動くスポーツは難しい身。
相撲のような過酷なスポーツであれば全力で戦えるのは「20秒」までというハンデを背負っていた。
そのため1日に何試合もこなす学生相撲の大会に出場することは難しく、ダチ高の団体戦メンバーには三ツ橋を登録せざるを得ない。
桐仁が団体戦に出られないことで内心ホッとしていた三ツ橋だが、自分もダチ高の日本一に貢献するために稽古に熱が入る。
そして國崎からモロだしによる反則負けを誘い、初めて立ち合いで1勝を挙げた。
何が何でも今年のインターハイで勝利を挙げたいと願う三ツ橋に、桐仁も戦力の1人としてカウントすることを決めるのであった。
特別メニューの稽古が始まる
桐仁による指導が始まり、初めはバランス感覚を養うために船の上で四股を踏むこととなる。
そして放課後はそれぞれに特化した別メニューでの稽古に。
五條は空手をベースにした武器に磨きをかけるため、昔バックレた空手道場に再び足を運び、師範に指導を乞うこととなる。
もともと桐仁が各所に根回しをしていたこともあり、不良の道に走ったことを詫びながら自分なりにけじめをつけた五條を師範も受け入れ、とっておきの空手技を教えてもらえることとなった。
一方の火ノ丸は角界でも1・2を争う猛稽古で知られる柴木山部屋への出稽古をすることになるのであった。
火ノ丸は柴木山部屋へ出稽古に
小柄ながらも柴木山部屋の猛稽古についていく根性と実力を見せる火ノ丸。
その士気の高さに部屋の弟子たちも感化され、稽古がさらに熱を帯びていく。
そんななか、幕内力士の冴ノ山も稽古場に姿を見せた。
プロの力士を前に自ら稽古を志願し、まるで歯が立たなくとも何度も挑みかかる。
体格も実力も劣る火ノ丸が軽々しく「横綱になる」と口にしたことに静かな怒りをたぎらせた冴ノ山は、ついに本気で火ノ丸の大相撲への未練を断ち切ろうと決意した。
最後の大一番で火ノ丸は桐仁が見せた必殺技を仕掛け、その殺気にさすがの冴ノ山も驚く。
結果的に技は失敗したものの、冴ノ山は火ノ丸の将来に可能性を感じ、考えを改めて翌日からも稽古をつけることにするのであった。
【5巻のまとめ】
桐仁を監督に迎えた新生ダチ高相撲部は、個々の能力を高めるべく特訓を開始。
なかでも火ノ丸はハードな稽古で知られる柴木山部屋に出稽古に行くこととなり、小柄な体格を侮られながらも食らいついていく。
幕内力士の冴ノ山も火ノ丸に一目置くようになり、翌日からも稽古に参加することを許されるのであった。
次巻へ続きます。
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