「ママ」と慕われるイザベラのもとで色々な孤児が家族同然に幸せに暮らす「孤児院」・グレイス=フィールド(GF)ハウス。
ある日、主人公で身体能力に優れるエマと知略に優れるノーマンは孤児院が実は「鬼」に捧げる食用児の養殖農園だったこと知ってしまい、リアリストで博識なレイ、年長者のドン・ギルダを仲間に引き入れ、GFから全員で逃げ延びるための脱獄計画をスタートさせる。
ノーマンが志半ばで「出荷」されてしまったが、エマはフィルを始めとする4歳以下の子供たちは2年以内に迎えに行くまで農園に残すことを決断、イザベラの目を欺いて見事15人での脱獄に成功した。
「ウィリアム・ミネルヴァ」という人物が秘かに残していた手がかりが頼りのエマ達は、途中で宗教上の理由から人間を食べない異端の鬼、ソンジュとムジカに窮地を救われる。
そしてこの世界は”約束”によって人間と鬼の世界に分断され、鬼は安定した食糧供給のために農園を作ったという真実を知り、最終目標は人間の世界への移住となる。
ミネルヴァが指定した場所で地下シェルターを発見し、拠点を確保したエマ達。
同じく高級農園を脱獄し、仲間を失った後13年間も生き抜いた謎のオジサンを味方に加え、エマとレイはミネルヴァからの次の手紙にあったA08-63(ゴールディ・ポンド)を目指して偵察に出るが、エマは密猟者の鬼が仕掛けた罠に掴まり、連れ去られてしまった。
エマは図らずもゴールディ・ポンドにたどり着き、オジサンの親友であるルーカスや他の子供たちと合流するが、ここは鬼の貴族バイヨン卿が所有する秘密の狩場だった。
狩りに参加する鬼たちは何れも富裕層、特にレウウィス大公は一筋縄ではいかない強敵。
鬼たちへの逆襲を企むルーカス達にエマが加わり、ゴールディ・ポンドでミネルヴァが子供たちに残したあらゆる情報を手に入れ、人間の世界へ渡るという最終目標にぐんと近づく。
しかし鬼たちもGFの脱獄者、最上級の獲物(エマ)が紛れていると気づき、心を躍らせながらすぐに狩りを再開する。
子供たちはルーカスの指揮のもと強化した銃を切り札に決起し、鬼を分断しながら逆襲、見事にルーチェとノウマを仕留めたが、ノウスが激昂。
一方、エマは難敵レウウィスの前に姿を晒し、対峙するのであった。
10巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
作戦の想定外の事態に
ノウマを失ったことで号泣しながら我を忘れるノウス。
ノウスはノウマの亡骸を食べ、子供たちに襲い掛かった。
〈ノウスが襲い掛かる [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
他方、作戦にも想定外の事態が起き始めていた。
ルーチェを撃破したナイジェルとジリアンは、一番の古参であるザックとペペが狙っていたはずのバイヨンが接近していることに気づき、ここで足止めしなければ作戦が瓦解しかねないと悟る。
〈バイヨンの出現は予想外 [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
ナイジェルはジリアンを先に逃がそうとするが、ジリアンが機転を利かせて作戦に無い笛の吹き方で異常発生を伝え、2人でバイヨンに立ち向かうことに。
バイヨンの言動から鬼たちは反乱を鎮めるために首謀者(ルーカス)を狙っていると気づいた2人は誘導しながらの逃走を試みるも、バイヨンはすぐにジリアンに追いつき重傷を負わせる。
ジリアンの命を握られ、首謀者のもとへ案内するか選択を迫られるナイジェル。
〈選択を迫られるナイジェル [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
と、その背後からペペが姿を現し、不意を突いて2人を救出。
そのまま一旦退くが、この展開もバイヨンは読んでいるのだった。
〈バイヨンはあえて泳がす作戦に [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
エマとレウウィスのゲーム
レウウィスと対峙するエマは、時間を稼ぐ作戦。
それはレウウィスも想定内だったが、レウウィスが過去に討ち漏らしたルーカスからの伝言として「もう一度ゲームをしよう」とエマから切り出す。
昔レウウィスがルーカスに提案したゲームとは、「鬼の弱点や殺し方を教えたうえで15分間の狩り対決を行い、最初の10分は鬼が抵抗しない」というもの。
〈エマとレウウィスのゲーム [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
これを再度提案して15分間を稼ぎたいエマだが、それを読んだうえでレウウィスはあえてエマに10分与え、待つ余裕を見せる。
ただし10分の間にエマの仲間が誰も現れなければエマが1人で自分の相手をする、という条件。
エマにとって運命の10分が始まる。
〈運命の10分が始まる [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
バイヨンの撃破
あえてペペ・ナイジェル・ジリアンの3人を逃がしたバイヨンは、その後を追って子供たちの拠点を突き止める算段である。
3人を尾行して木の根元に隠された地下壕への入り口を発見したバイヨンが、その中へと足を踏み入れていく。
そこは本物の地下壕だったが、鬼が追ってくることを読んでいたルーカスやオリバーたちが待ち伏せしたうえで一斉射撃を食らわせた。
〈待ち伏せに成功 [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
最初に鬼と人間で「約束」が交わされてから人間の農園の管理を任され、貴族に成り上がったバイヨン。
来る日も来る日も出される死肉にいつしか飽きてしまい、生きた肉の味を求めるうちに秘密の狩りが始まった。
禁断の行為だがそのペースは上がっていき、その情報を掴んだピーター・ラートリーがバイヨンに秘密の狩場を与えたのだった。
そしてその狩場の主がいま、子供たちの反乱によって倒れたのだった。
〈バイヨンを仕留める [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
レイとオジサンも駆けつける
バイヨンを倒しながらも、最後の抵抗でオリバーが重傷を負ってしまった。
ペペも負傷しており、戦力がどんどん減っていることが危惧されるなか、さらに多くの子供たちがノウスによって追い詰められていた。
〈戦力が足りない [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
身を隠したヴァイオレット以外は全員やられる大ピンチ。
しかしそこにオジサンとレイが現れ、素早く戦況を理解し、オジサンは冷静に狙いすまして見事ノウスの目を狙撃で撃ちぬいた。
〈オジサンとレイが駆け付ける [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
これで残りはレウウィスだけ。
ヴァイオレットはルーカスのもとへ、そしてオジサンとレイはエマのもとへと急ぐのだった。
レウウィスの説得は不可能
約束の10分が近づき、レウウィスが腰を上げる。
他の鬼たちがやられたことも悟っているようだが、エマの仲間で間に合ったのは近くの家に身を潜めるナイジェルだけ。
最悪の状況で必死に思考を巡らせ、レウウィスと戦わない道を探ろうとするも、そもそも命の奪い合いに快楽を覚えるレウウィスの説得は不可能。
〈レウウィスの説得は不可能 [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
そして約束の10分を迎えた。
エマは素早くその場を離れ、そこに予め周囲に仕掛けていた自動銃の一斉射撃を加えるのだった。
〈タイムリミットと同時に一斉射撃 [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
レウウィスの決戦が始まる
ヴァイオレットの到着で戦況とオジサンが生きていたことを知ったルーカス。
自動小銃の一斉射撃の隙にナイジェルと合流したエマ。
そこにペペも到着し、本来10人がかりで戦う作戦を3人でどうにかすることに。
水道管を破裂させ、電気を流すことでレウウィスの動きを止めつつナイジェルが切り札の銃でレウウィスを狙撃する。
〈仕留めきれず [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
しかし電気を食らいながらもレウウィスは弾を防いだ。
万事休すかと思われた時、誰もが予想していなかった2発目の切り札がレウウィスの仮面を砕いた。
狙撃したのはレイと共に到着したオジサン。
オジサンにとっても因縁のあるレウウィス、エマ達は倒し切れるのか―。
〈決戦が始まる [約束のネバーランド 10巻](c)集英社/白井カイウ・出水ぽすか〉
【10巻のまとめ】
数々の負傷者を出しながらも何とかバイヨン、ノウスを撃破し、残るはレウウィスのみ。
レイとオジサンも駆けつけ、動ける者総出でレウウィスに挑む。
オジサンにとっても因縁のあるレウウィス、エマ達は倒し切れるか―。
次巻へ続きます。
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