多重債務者の冴えない青年・梶隆臣はひょんなことから凄腕のギャンブラー・斑目貘と出会い、行動を共にするようになる。
さらに梶は命すら対価にするギャンブルや、それを成立させるために立会人を派遣する中立の秘密組織「賭郎」の存在を知ることに。
裏社会に根を張る賭郎の立ち会いのもと、賭郎の会員権と1千万円を賭けてQ太郎と言う老人とゲームをすることになった貘と梶。
金をもってQ太郎の所有するビルから脱出できれば勝ちという内容だったが、実は本物の銃を持った傭兵に追われ、負けたら命を取られる危険なものだった。
貘がかつて賭郎トップのお屋形様との勝負「屋形越え」に敗れた伝説のギャンブラーであることを知ったQ太郎は、賭郎の頂点に立つという野望のために遊びではなく本気になる。
Q太郎は息子にして側近のマルコに注射を射ち、別人格である廃ビルの悪魔・ロデムを発現させて投入。
全てを凌駕する暴力を持つロデムが貘たちを追うも、貘はロデムを無力化するどころか自分の配下として操り、完全に形勢逆転。
敗北を認めるQ太郎から全ての財産を吐き出させつつ、さらにロデムにQ太郎を追わせるのであった。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
マルコも手に入れた貘の完全勝利
相手の階数を把握する仕組みはその前のギャンブルて使っていた硬貨に発信器がつけられていたというものであり、途中でそれに気付いた貘もその硬貨をQ太郎のポケットにこっそり返していた。
必死に逃げ回るQ太郎の様子をさんざん楽しんだ貘。
Q太郎が観念したところで狩りを止め、マルコに「自分が何者かは自分で確かめろ」と話しかける。
主人格に戻ったマルコに沸き上がってきたのは、これまでさんざん自分に酷いことをしてきた父への怒り。
その手で父を殺すのは思い止まったが、マルコの殺気でQ太郎は完全に戦意を喪失し、貘の勝利が確定した。
自分が何者かという悩みを抱えたマルコに対し、「俺についてくればいい」と進むべき道を示し、貘はQ太郎の資産に加えてマルコという仲間も手に入れる。
他方、命拾いしたQ太郎だが、噂を聞いて駆けつけた同じ賭郎会員の女(鞍馬蘭子/次巻で登場)にトドメを刺されてしまうのだった。
賭郎会員権は梶に
貘は賭けで手に入れた賭郎の会員権の名義を梶にすることを決める。
その不自然な申し出を受けた妃古壱は、これも過去に屋形越えであえて負けたのも全て貘の壮大な作戦の内ではないかという疑いを強めていく。
壮大な作戦の全容はまだわからないが、予想を越えていく貘の動きに妃古壱は興味を惹かれるのであった。
闇カジノで全部3000万スッて来い
貘は梶に賭郎の会員権とQ太郎からもらった3千万を託し、「それ全部ギャンブルでスッて来い」と指示する。
金の魔力に惑わされないための実践練習をすることになった梶は、マルコを連れて街へ。
そこで出会った女性から闇カジノを紹介され、梶たちはとあるマンションの一室にたどり着いた。
そこはヤクザ集英組の二階堂 鮫丸と孫六が経営する裏カジノ。
短気な孫六は失礼な言動をするマルコに手を出そうとするもあっさりと返り討ちに。
それでも梶の持つ大金を見てカモだと判断した鮫丸が梶にギャンブルを申し入れ、梶もここで勝って貘に認めてもらおうと受諾する。
鮫丸は駆け引き重視の心理戦としてセブンポーカーを提案し、勝負が始まるのであった。
賭郎に立ち会いを依頼する梶
セブンポーカーは合計7枚で行うポーカー。
最初はオープン1枚と伏せカード2枚が配られ、互いにBetを繰り返しながら最終的にオープン4枚と伏せカード3枚の状態となり、その中の5枚を選んで最終Betとなる。
求められるのは運よりもブラフをかます度胸と、相手の役を読む洞察力。
自分なりに考えながら臨む梶だったが、その思考は典型的な破滅型ギャンブラーだった。
勝つ確信もないままに次々と大金を賭けては負け、みるみるうちに資金が底をつきかけてしまった。
このままでは引き下がれない梶は、そこで賭郎を呼ぶことにする。
そして壱號立会人の能輪美年とその配下たちが到着。
負けた金を取り返すため、自らの命を金に変える覚悟の梶は、成人男性の肉体の値段として200万円を賭郎に借りる。
超希少価値である賭郎の会員権をどうにかして奪いたい鮫丸も梶の勝負を受けて立ち、賭郎勝負へと相成るのであった。
イカサマを見抜いた梶が大逆転
勝負に臨む前に、梶はカードにある細工が施されていることに気付いた。
そのうえでさらに考え、カードのセットを交換して新しいセットを卸すように鮫丸に要求。
その要求を聞いて自分のイカサマがバレていないと確信した鮫丸は自信満々で勝負に臨むこととなる。
梶はあくまで「命がかかっている。立会人も含めて自分以外の人間にカードを触れさせたくない」と切り出し、シューターを使わずにカードを全て置いて並べるように要求。
鮫丸はまず資金力の差にモノを言わせて高額Betで潰しにかかってきた。
しかし梶はここまでの展開を全て読んでいたかのような貘からの贈り物としてバッグの奥底に隠された札束を見つけ、そのBetに応じて1勝を拾う。
次の勝負で確実にトドメを刺そうと狙う鮫丸は、まずイカサマでカードの配置が良いことを確認したうえで、「このゲームで負けたら負けた額の6倍を払おう」と申し出た。
あくまで自分が絶対に勝つことを確信したうえでの撒き餌。
鮫丸が使っていたイカサマは目の焦点をズラすと数字やマークが浮き上がって見えるジュースカードであり、相手の札も場にあるカードも全て見えている状態だった。
ところが梶もこれに気付いたうえで勝負を受けており、ここまでの動きは全て気づいていないと思わせながらここ一番で刺すための作戦だった。
「お前がジュースカードを使ってイカサマをしていることを知っている」と暗にメッセージを送った梶。
このゲームではイカサマが禁止されているため、鮫丸は梶に勝ってしまうとそのことをバらされて賭郎から粛清されることとなる。
完全に場を支配した梶はBetを釣り上げ、640万円から約束通り6倍である3840万円を鮫丸から巻き上げたのだった。
マルコが賭郎に喧嘩を売る
事務所に蓄えている現金が500万円ほど足りない鮫丸は組の事務所に助けを求めるが、あえなく見放されてしまう。
支払い不能に陥ったと見做した能輪は筆頭弟子であるグリス・李に命じて命を取りたてるように指示。
李は鮫丸を一蹴し、次に孫六に目をつけた。
ところがここで何を思ったのか、弱者の味方をするマルコは「金にするならマルコをしてみろ」と李に喧嘩を売るのであった。
【3巻のまとめ】
マルコも仲間に加えてQ太郎に完勝した貘は、賭郎の会員権を梶に譲ることに。
さらにQ太郎から獲得した3000万円を全部スッて来るように指示し、梶はヤクザの運営する闇カジノへと足を運んだ。
ポーカー勝負でイカサマを使われ大金を巻き上げられた梶は、賭郎にも立ち会いを依頼し、壱號立会人の能輪の前でイカサマを見抜いて大逆転を果たす。
賭け金の支払い不能に陥ったヤクザに対し賭郎による命の取り立てが行われようとしたとき、マルコが取り立てに介入し喧嘩を売るのであった。
次巻へ続きます。
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