空手の大会に颯爽と現れ、あっさりと優勝した範馬刃牙。
その正体は東京ドームの地下に存在する禁じ手なしの裏闘技場のチャンピオンだった。
地下の闘技場では現役横綱やプロレスラーをはじめ、様々な闘技者が禁じ手なしの異種格闘技戦を繰り広げる。
チャンピオンである刃牙は”紐切り”を得意とする鎬昂昇・マウント斗羽・鎬紅葉を倒すが、「地上最強の生物」と謳われる父、勇次郎にはまだまだ到底及ばない。
父との対戦に向けて過去に想いをはせる刃牙。
13歳の頃の刃牙は不良集団を相手に真っ向から喧嘩するも途中でKOされてしまう。
大富豪である母、朱沢江珠の管理下で英才教育を受けていたが、より強くなるために自立することを宣言し、家出した。
刃牙はボクシングjウェルター級最強のユリー・チャコフスキーに惨敗した刃牙は山籠もりの修行で脳内麻薬の制御と死に際の集中力を体得。
過酷な修行の末、夜叉猿にも打ち勝った。
刃牙はユリーをあっさりと破壊して見せた日本一強いヤクザ、花山薫との死闘にも打ち勝つが、勝敗が決したところで勇次郎が乱入し、2人に格の違いを見せつける。
刃牙はまだ勇次郎を満足させられるレベルにはなく、江珠は勇次郎を振り向かせるためにより一層刃牙を鍛えることを決心するのだった。
そして刃牙についに勇次郎への挑戦権が与えられる。
勇次郎は刃牙の戦友である夜叉猿を殺して刃牙を煽っていく。
怒りに燃える刃牙は決闘に向けて最後のトレーニングとして最強の実戦部隊と戦うことに。
順調に隊員たちを倒す刃牙だったが、二重人格で眠っていた最強のリーダー、ガイアが目覚め、人間離れしたパワーを見せる。
一方的にやられる展開となるが、刃牙も脳内麻薬を分泌。
反撃に転ずることができるか。
17巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
ガイアの過去
エンドルフィンを分泌して覚醒した刃牙。
ガイアに真っ向から立ち向かうが、それでも刃牙の攻撃は当たらない。
周りのすべての環境と、刃牙の身体までもがガイアを味方しているかのようだ。
〈ガイアに触れることすらできない[グラップラー刃牙 17巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
そのカラクリはガイアの過去にあった。
20歳の頃にウガンダの戦争に傭兵として参加していたガイアは、捕虜となったときに死の瀬戸際に立たされる。
結果的にはすんでのところで味方に救出されたが、それ以降相手の殺気を敏感に感じ取るようになり、相手の動きや闘志をすべて読めるようになったのである。
ようやくガイアに攻撃がヒット
カラクリを明かしたうえで、刃牙を追い詰めるガイア。
しかし刃牙が反射的に放った反撃がガイアにヒットする。
刃牙がこれまでいじめ抜いてきた身体は、刃牙の折れそうな心とは裏腹に、ガイアの攻撃に勝手に反応していく。
〈身体が勝手に反応[グラップラー刃牙 17巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
闘志を取り戻した刃牙はガイアと互角の戦いを繰り広げる。
ガイアの奥の手
ダメージを追うことが増えてきたガイアが、ついに奥の手を出す。
驚異的な肺活量を最大限駆使して空気を吸い込み、雄たけびを上げた。
〈ガイアの雄たけび[グラップラー刃牙 17巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
その衝撃波が周囲を襲い、刃牙は三半規管を狂わされる。
その隙にガイアが刃牙の背後に回り、首を締めあげた。
刃牙は必死に自分の顔を殴って気付けを行い、なんとかガイアの拘束から逃れる。
刃牙 vs ガイア 決着
しかし今度はガイアが水を掌に取り、刃牙めがけて力いっぱい投げつける。
弾丸のように発射された水が刃牙の目をくらまし、ガイアは木の上から蔦を刃牙の首に巻きつけた。
〈首を吊られる刃牙[グラップラー刃牙 17巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
刃牙の首を吊る格好となり、刃牙の意識が遠のいていく。
意識が肉体から離れ、そのまま死ぬかという瞬間。刃牙の野生の血が騒ぎ、再び復活。
〈血が騒いで復活[グラップラー刃牙 17巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
刃牙はそのままガイアの頸動脈を指で押さえて失神させ、勝利を飾った。
勇次郎が首相に殺害予告
戦いを経て部隊の5人全員と親睦を深めた刃牙。
刃牙がガイアに勝ったことはストライダムを通じて勇次郎にも伝わる。
それを聞いた勇次郎は何を思ったのか、「見せてやるよ。正真正銘の暴力ってやつを」と言い放ち、総理大臣官邸に電話をかけ始めた。
今から1時間後に首相を殺しに行く、という前代未聞の殺害予告だった。
〈勇次郎が殺害予告[グラップラー刃牙 17巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
【17巻のまとめ】
勇次郎に匹敵すると称されるガイアをついに倒した刃牙。
その報せを聞いた勇次郎は「正真正銘の暴力」を示すため、首相官邸に殺害予告をするのだった。
次巻へ続きます。
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