全国高校野球選手権大会決勝。のちに伝説として語られる一戦で相対すのは、“神の子”天城雄大と“怪物”佐藤さとる。野球史に残るエース同士の戦いは、正気の沙汰では終わらない――!!己が人生全てを懸けて、互いの野球を”殺す”ために戦う。血よりも深い因縁が、死よりも激しい宿命が絡み合う。勝つのは努力か、才能か!!ヤングマガジンの新鋭が放つ異常激情野球大河、ここに開幕!!
(U-NEXT作品紹介より引用)
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。
伝説の甲子園決勝、神の子vs怪物
夏の甲子園の決勝ではかつてない死闘が生まれていた。
春夏通じて前人未到の4連覇を狙う絶対王者・白王学院と初出場初優勝を狙うダークホース・星秀高校。
両校の戦いはエース同士の凄絶な投げ合いの末、試合開始から3日経っても決着はつかず、延長45回へと突入。
45回の裏、星秀は白王のエース・佐藤さとるを攻め立て2アウト満塁の絶好のチャンスを作り、打席にはエース・天城雄大を迎える。
さとるの総投球数はゆうに1000を超えているが、さとるは歯が折れるほどの強い力で指を噛んで無理やり動かせる状態にし、雄大との勝負へ。
一方の雄大も体力の限界は近く、血反吐を吐きながら目もろくに見えていない状態だが、さとるの野球に自らの手で終止符を打つために執念で打席に立つ。
「シキュウジ-高校球児に明日はない-」1巻©講談社/大沼隆揮・ツルシマ
3季連続優勝投手で投打ともに驚異的な成績を残す「怪物」佐藤さとると、プロ野球選手を父に持ち一度は野球から離れたものの高3から甲子園出場し、最速166kmを武器に2試合連続完全試合や打率・本塁打数でも大会新記録を更新した「神の子」天城雄大の因縁の対決。
さとるがフォークボールの握りを見せ、観客や海の向こうのスカウトたちも固唾を飲んで見守るなか、2人は己の野球人生の中で最高の集中力を以て勝負に挑む。
絶対的な父の教え
雄大とさとるは中学時代からのライバルであり、話は2人が小学6年生の頃に遡る。
リトルリーグの北陽ファイターズに所属する雄大はさとるのいるレオーズを完全試合で下したのが2人の初対決。
このとき、雄大はさとるに対して何の印象も抱いておらず、絶対的な投球を披露しながらもわずかなコントロールミスを反省材料とするなど、ストイックに野球に打ち込んでいた。
日本代表のエースでプロ野球選手の父・雄一郎からスパルタ指導を受けて才能を開花させた雄大は、崇拝する父の期待に応えることが野球をやる理由。
「全身が滾り、1球1球に絶頂し果てるほどのめり込め」
「シキュウジ-高校球児に明日はない-」1巻©講談社/大沼隆揮・ツルシマ
父は勝負の世界で生き残るための姿勢を厳しく説き、雄大の成績であっても決して褒めてはくれない。
一方、ある日から雄大に強い憧れを持ったさとるが雄大のロードワークに勝手についてくるようになった。
さとるは打者として雄大の球に間近で触れながら、絶頂にも似た快感を求めて雄大を超えたいと強く願うようになる。
「シキュウジ-高校球児に明日はない-」1巻©講談社/大沼隆揮・ツルシマ
父のいる高みしかない雄大は、このときまだ下から迫りくる怪物に気付いてはいないのであった。
雄大に憧れ執着するさとる
バッティングセンターで140kmを余裕でホームランにするなど、雄大は打撃の才能も一流。
さとるはそんな雄大のバッティングフォームを寸分の狂いもなく再現して自分のものにすることを決意し、夜通し素振りをし続ける。
母子家庭で育ったさとるは「父のように優秀であること」を常日頃から母に求められてきたが、父に会ったこともなく「優秀さ」の答えがわからずにいた。
自分なりに考えた結果行き着いたのは、自分が憧れた相手に執着して模倣し、最後はその相手を破壊して自分が最も優秀であることを示すということ。
そしてさとるは雄大の打撃を完璧に模倣し、いつか雄大を超えるために一緒の中学に進むことを宣言し、雄大にも「本気で勝負してほしい」と言い始める。
「シキュウジ-高校球児に明日はない-」1巻©講談社/大沼隆揮・ツルシマ
本気の殺意を持って真剣勝負を挑まれた雄大は、怪我でドクターストップがかかっていたものの、その場で3球勝負を受けてやることにするのであった。
雄大とさとるの一打席勝負
雄大とさとるの勝負、1球目は空振りとなるが、雄大は初めて理想形である打撃フォームとの対戦に嫌な汗を流し始める。
2球目、雄大は小6にしては異次元の135kmのストレートを投げるが、さとるもこれにアジャストし、ファールに。
このままなら次には打てる―。
そう確信したさとるは高揚していくが、3球目には雄大が隠し持っていた武器を解禁。
コンクリートにめり込むほどの威力を持つ球にさとるは反応できず、見逃し三振となった。
勝利しつつもさとるのことを認めた雄大は、両神殿中に進むことを宣言し、さとるにも「来るなら来い」と告げる。
「シキュウジ-高校球児に明日はない-」1巻©講談社/大沼隆揮・ツルシマ
父の教えにもあった、全身が滾るような感覚を初めて体験したことに興奮する雄大。
その一方で、雄大を超えることができなかったさとるはさらに雄大への執着心を加速させていくのであった。
名門・両神殿中へ進学した2人
両神殿中に進学し、野球部に入部した雄大とさとる。
完全実力至上主義を掲げる同部では、3年であっても実力がないものはボールを触ることすら許されない。
「シキュウジ-高校球児に明日はない-」1巻©講談社/大沼隆揮・ツルシマ
そんななか、雄大は堂々と先輩に逆らい、2年生ながら背番号20を背負う天才投手・紫藤と全てを賭けて勝負することとなる。
紫藤はリトルリーグでは投げることが許されていなかったスライダーで打ち取ろうとするが、雄大は怪我が完治していない右手を使わず、左手一本で悠々と柵越えにしてみせた。
弱肉強食の両神殿中野球部においては、99%が選手生命に終止符を打つ一方、1%だけが後に甲子園やプロ野球で輝かしい成績を残すこととなる。
その1%の猛者は「シキュウジ」と呼ばれるのであった。
【1巻のまとめ】
2人の野球の天才がいる。天城雄大と佐藤さとる。
天城雄大は元プロで日本代表のエースだった父にスパルタ教育を施され、小学生の頃から天才と周りから認められていたが、慢心することなく父に認められるために一心不乱に練習に励む。
そんなある日、雄大の凄さを身をもって知った佐藤さとるは異常なまでに雄大に執着し、常軌を逸するほどの努力で急成長を見せる。
そしてさとるは雄大を追って名門・両神殿中の野球部に入部。
完全実力至上主義のなかで下剋上を狙うのであった。
次巻へ続きます。
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