夏休みの自然学校で出会った15人の少年少女たちはココペリと名乗る男と出会い、「巨大ロボットを操って敵から地球を守るゲーム」に参加することに。
ウシロの妹であるカナ以外全員がパイロットとして契約を済ませ、ゲームが始まる。
コエムシと名乗る口の悪いマスコットにサポートされながら、ココペリは実際に巨大ロボット「ジアース」を操り敵を撃破した。
しかしワク、コダマが死んだあとで「ジアースは1回戦闘するごとに操縦者の命を奪う」「負けるか48時間以内に決着がつかなければ地球は滅亡する」というルールが明かされ、子供たちは勝って地球を守りながら死ぬか、負けて地球と共に死ぬかの運命を突きつけられる。
巨大ロボットによる戦闘を受けて国防軍も動き出し、関と田中をはじめとする軍からのサポート要員が子供たちのサポートをすることになるが、軍の攻撃では敵にダメージを与えることはできない。
ワク、コダマ、ダイチ、ナカマ、カコ、チズが既に命を落とした。
カコとチズのお腹にいた子供が戦わずして死んだことで誰かが契約していないことが明らかとなり、不足したパイロットの予備として関と田中の2人が契約に加わった。
次はモジの番。
自分の死後、重い心臓病を抱える幼馴染に自分の心臓を移植させることを決意したモジにとって、負けられない戦いが始まった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
軍の援護で逆転、辛勝
モジが思いついたのは、ジアースのコックピット部分を切り離す作戦。

〈コックピットを分離する作戦 [ぼくらの 5巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
人体で言う頸椎の部分ごと切り離して高く飛び上がり、頭上から相手のむき出しになった核に体当たり。
相手の核が割れるが、あと一歩のところでトドメが刺せない。
そのとき、国防軍の戦闘機が相手の核めがけて自爆特攻。

〈戦闘機の自爆特攻 [ぼくらの 5巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
辛くも勝利を挙げ、モジはナギの待つ病院へ。
モジはナギとツバサに真相を告げないまま、命を終えるのだった。
弟の誕生を心待ちにするマキ
もうすぐ弟が産まれるマキ。
家族仲は良好だが、両親は本当の両親ではなく、不妊治療に悩む今の両親に里親として引き取られて大事に育てられてきた。
ウシロも父のこともよく知らず、カナが産まれた直後に母を亡くしており、本当の両親を知らないことでマキはウシロにちょっとした親近感を覚えている。
マキは容赦なく妹に暴力をふるうウシロに家族の大切さを説き、ウシロにも戦う覚悟を持たせようとする。

〈ウシロを諭すマキ [ぼくらの 5巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
モジが死んでから、みんなで色々な決めごとを確認した。
自暴自棄にならないこと、泣いて過ごさないこと。
日常生活を精一杯生きながら、戦闘の時が来たら戦域をなるべく安全な所へ移すこと。
普段通りの生活を送りながら、マキの母が産気づいた。
弟に早く会いたい―。

〈弟の誕生を心待ちにする [ぼくらの 5巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
しかしまたも、その願いは叶わずに戦闘が始まるのだった。
戦いの相手は人間…?
海上で敵と相まみえるマキ。
敵は回転しながら刃でジアースに鋭く切りつけ、不利な展開に。
それでもマキは機転を利かせて体制を低くしながら攻撃をかいくぐって距離を詰め、一気に逆転。
相手の核を掴み、自分の弟が産まれるまであわよくば時間を稼ごうとするマキ。

〈勝利は目前 [ぼくらの 5巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
ところが戦闘機がジアースに攻撃を仕掛けてきた。
よく見れば、戦闘機の形も見たことが無いもの。
真相に近づくために敵の核の殻を破り、中身を確かめる。

〈敵も人間だった [ぼくらの 5巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
中には自分たちと同じような、人間のパイロットたちがいた。
互いの世界の存亡を賭けたルール
コエムシを問い詰めると、ようやく真実が判明する。
マキたちが戦っているのは、並行世界の地球。
枝葉のように分かれた並行世界のなかで、自分たちが存在する宇宙を賭けて戦っており、負けた方の宇宙が消滅する仕組みだった。
いまは相手の地球を舞台に戦っており、敵のパイロットを殺すことが勝利の条件である。
自分の地球を守るためには、相手の地球人100億人を殺さねばならない。

〈相手側の100億の命 [ぼくらの 5巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
その事実を突きつけられても、マキは覚悟を決めて敵のパイロットごと核を破壊。
元の地球に戻ってきたとき、ジアースの力でマキは弟の誕生を感じ取る。
喜びと感動を覚えながら、マキは命を落とすのだった。
気弱で優しいキリエ
次にパイロットに指名されたのはキリエ。
カコと同じくいじめられっ子で気弱なキリエは、戦える自信がなかった。
4歳上の従姉であるカズは、昔は快活で優しい姉のような存在だったが、高校に入ってから苦しむ友人に寄り添って自殺未遂。
結果、友人だけが死んで生き残ってしまい、それからは人が変わったかのようになってしまった。

〈引きこもるキリエの従姉 [ぼくらの 5巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
そうした従姉を間近に見ながら、生と死や自分の存在意義について考えるキリエだが、答えは見つかりそうにもない。
むしろ自分が負ければ従姉を楽にしてやれるとすら考えている。

〈答えが見つからないキリエ [ぼくらの 5巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
チズから死ぬ直前にナイフを託され、仇を討つために勇気を出して一度は畑飼先生を襲ったキリエ。
それでも、キリエは次の闘いに臨めるような状態ではなさそうだった。
【5巻のまとめ】
モジは戦闘機の自爆特攻による援護を得て辛勝、無事にナギへ心臓を移植させて逝った。
次に選ばれたマキの闘いでは、戦う相手が並行世界の地球人パイロットであることが判明する。
枝葉のように分かれた並行世界のなかで、自分たちが存在する宇宙を賭けて戦っており、負けた方の宇宙が消滅する仕組み。
それでもマキはもうすぐ生まれる弟のために戦い、勝利して相手の世界を滅ぼした。
次に指名を受けたのは気弱で心優しいキリエ。
生や死、自分の存在意義について考えるキリエは答えが見つからず、戦い抜く決意は固まらないのだった。
次巻へ続きます。
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