目立たずともチームを支え続け優勝に導いた理論派センターバックの我王。しかし契約更新時、彼を待っていたのは非情で無慈悲な大人の世界・・。「金にならん奴とは契約しない」。サッカー選手の価値とはなにか?「ゴールを生むこと」。否、ゴールだけでは語れない魅力がサッカーにはある。サッカー界に新たな価値を。これは世界一稼ぐフットボーラーを目指す男の物語。
(U-NEXT作品紹介より引用)
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。
J1優勝から予想外の転落
同じプロサッカー選手でも選手の年俸はピンからキリまで様々。
J1の東京レックスに所属する鼓屋 我王は、年俸3000万円ながら副業で株式投資にも余念がない。
「ナリキンフットボール」1巻©講談社/清水海斗・明石英之
この日、最終節でさいたまパイソンズとの試合は勝った方が優勝を決める大一番。
レックスは開始早々に相手CBの岡田にセットプレーから1点を許し、反撃を狙うものの、エースの町田のドリブルは岡田に阻まれてしまう。
ハーフタイムには監督からパスを細かく繋いで攻めるように檄が飛ぶが、岡田の弱点に唯一気付いた我王はそれを無視し、相手陣内に雑にロングパスを蹴り入れた。
100m走では陸上選手並みに速い岡田だが、初めの20mだけ見れば町田の方が速く、ロングボールに対する走り合いなら勝算があったのである。
「ナリキンフットボール」1巻©講談社/清水海斗・明石英之
我王の読み通り、ロングボールに抜け出した町田が同点ゴールを決め、その後レックスが試合を制して優勝。
ところがオフシーズンの契約更改では我王に思わぬ展開が。
増田GMに呼び出された我王は、クラブの資金不足を理由に、突如として契約満了を宣告されるのだった。
「ナリキンフットボール」1巻©講談社/清水海斗・明石英之
移籍先はJ2
せめてもの対応として他のクラブへの移籍を示唆されるが、移籍先はJ2の北九州モンキーズ。
どうやらGMはエースで得点王を取った町田には大幅な年俸アップを決めた一方で、金にならないDFは軽視している様子。
「ナリキンフットボール」1巻©講談社/清水海斗・明石英之
世間でもゴールを決めた選手ばかりが評価される風潮。
我王はここから自分が世界一稼ぐフットボーラーになることを決意するのであった。
新チームでの加入テスト
モンキーズでの我王の年俸は900万円に。
新スタジアムも完成し、監督の藤浪は悲願のJ1昇格と新スタジアムを満員にすることを目標にしている。
しかし我王はあくまで自分が金を稼ぐことしか興味はないと宣言。
藤浪は我王を含め、新加入選手だけで軽く体力テストやミニゲームを行うことにし、結果次第で1軍と2軍に分けることを告げる。
「ナリキンフットボール」1巻©講談社/清水海斗・明石英之
J1で戦ってきた我王に注目が集まるが、我王は体力テストでは最低レベルの結果しか残せない。
そしてミニゲームでは我王は体力テスト最下層組の3人としてチームを組むハメに。
「ナリキンフットボール」1巻©講談社/清水海斗・明石英之
ところがミニゲームになると、ブレーン役の我王が敵チームの弱点を見抜き、圧勝をもたらすのだった。
ベテランの元日本代表
ミニゲーム後、モンキーズのボランチである元日本代表・波木 成(ジョー)も我王に興味を持つ。
フォワードと違ってディフェンダーにとってはJ2に落ちるとJ1の舞台に復帰するのは難しく、自身も長くJ2から抜け出せない状況を「沼」と表現するジョー。
「ナリキンフットボール」1巻©講談社/清水海斗・明石英之
だが我王はジョーが34歳というベテランの割に1試合の走行距離が誰よりも長く、J1復帰に一番近いことを見抜いていた。
ジョーもまた、その我王の洞察力を評価するのであった。
スタメンを賭けた紅白戦
トップチームに入った我王は、サブ組として昨季のベストメンバーを相手にスタメンの座を賭けて試合をすることに。
「ナリキンフットボール」1巻©講談社/清水海斗・明石英之
モンキーズのセンターバックの岩瀬・一鉄はJ2最強の「風神・雷神」コンビとして鉄壁を誇り、幸先よくスタメン組が先制する。
しかし我王は早くもその弱点を見抜き、サブ組に作戦を伝授。
CBコンビ以外をがっちりマークし、不用意なパスやパスミスをカットしてからの速攻で点を獲るというものだった。
「ナリキンフットボール」1巻©講談社/清水海斗・明石英之
我王の策がハマり、サブ組が3-2と逆転。
藤浪監督も選手たち自身の実力を見るため、スタメン組に修正の指示は出さない。
が、後半に入るとスタメン組はジョーがチームを指揮し、早速修正に入る。
ジョー自らセンターバックからボールをもらい受け、無尽蔵のスタミナを活かしてマークを振り切りつつプレーに絡んでいく。
「ナリキンフットボール」1巻©講談社/清水海斗・明石英之
そしてチャンスメークしたジョーが自らシュート。
対するサブ組は我王がすんでのところで顔面ブロックし、大量の鼻血を出しながら決定機を阻止して見せた。
「ナリキンフットボール」1巻©講談社/清水海斗・明石英之
スタメン組はジョーを中心に回っていることまで見抜いた、我王の読みが上回ったのであった。
チームの頭脳の座を乗っ取る
シーズン開幕まであとわずか。
開幕戦のスタメンが発表され、藤浪監督は我王をチームの頭脳としてキャプテンに任命する一方で、ジョーをスタメンから外す決断を下した。
「ナリキンフットボール」1巻©講談社/清水海斗・明石英之
これからはジョーではなく我王を中心にして、J1を目指して勝ち上がるという監督からの強烈なメッセージ。
外されたジョーは、サッカーそのものの実力はそこまで高くないわりに自分をブランディングする能力がずば抜けている我王に感心しつつ、スタメンの座を奪い返すことを狙う。
いよいよ、勝負のシーズンが始まるのであった。
【1巻のまとめ】
目立たずともチームを支え続け、チームをJ1優勝に導いた理論派センターバックの我王だが、契約更改で待っていたのは実質のクビとJ2の北九州モンキーズへの移籍だった。
特にディフェンダーにとっては一度入ると返り咲くのは難しいJ2の沼。
世界一稼ぐフットボーラーを目指す我王は、フィジカルは弱いながらも頭脳をめぐらせ、チームの中心的存在だった元日本代表ボランチのジョーからスタメンの座を奪うことに成功。
そしていよいよJ2開幕を迎えるのであった。
次巻へ続きます。
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