24時間以内に命令に服従しないと王様から罰が下る死の王様ゲーム。
夜鳴村で最初に始まった王様ゲームの事件を描く、ホラー・サスペンス漫画。
本多智恵美、奈津子の父である一成が巻き込まれた最初のゲームとは―。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
1977年、夜鳴村
1977年、夜鳴村。
本多一成と本多奈津子は従兄妹同士ながらも互いに思いを寄せ合っている。
〈惹かれ合う一成と奈津子 [王様ゲーム 起源 1巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
しかし閉鎖的な村なうえ、奈津子の家系は曾祖母まで伝統ある呪術家と厳しく、特に奈津子の母の弓子は2人の関係に反対していた。
それでも結婚を諦めない2人だったが、ある日帰りが遅くなったことを弓子に咎められ、反抗心から奈津子は自宅の薬庫に閉じこもってしまう。
〈閉じこもる奈津子 [王様ゲーム 起源 1巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
これが全ての始まりだった。
王様からの最初の命令
4日後。
一成は親友の勇二に「面白いものがある」と呼び出され、同級生の龍司、ミチ子らも集会所に集められた。
奈津子、年下の静世、和也も合流したところで、勇二は自宅に届いた黒い手紙を見せる。
そこにはこう記されていた。
「これは村人全員で行ってもらう王様ゲームです。
王様の命令は絶対なので今日中に従ってください。途中棄権は認められません。
命令1 10代の村人は人間の死体に触れ。
王様の命令に従わなかった者には首吊りの罰を与える。」
〈最初の命令 [王様ゲーム 起源 1巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
勇二は肝試し感覚で村の墓場に行くことを提案する。
10歳になったばかりの大輝は母親がうるさいこともあり、今回の危険な遊びには付き合わせないことにした。
その夜。
墓場で名も知らぬ人の墓を掘り返す勇二たち。
怖じ気づいた静世だけが死体に触るのを嫌がったが、その他のメンバーは度胸のあるミチ子を筆頭に全員死体に触れる。
〈死体に触れた一成たち [王様ゲーム 起源 1巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
墓を元に戻し、これでゲームは終わり。
このときはまだ皆がそう信じていた。
静世と大輝の死、続く命令
しかし異変が起きたのは翌朝。
静世と大輝が首を吊って死んでいるのが見つかったのである。
〈死体に触れなかった2人が死ぬ [王様ゲーム 起源 1巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
大輝の母の百合は泣きわめいて取り乱し、村の大人たちも動揺している。
半信半疑ながらも王様の命令との関係に気づいた一成と勇二は、再び勇二の家のポストを確認する。
すると、2通目の黒い手紙が来ていた。
「命令2 オオスズメバチを村人の人数分生け捕りにしろ。
足りない場合、不足した数だけ村人を無作為に選び、こま切れの罰を与える。」
〈次の命令 [王様ゲーム 起源 1巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
悪戯にしては趣味が悪いが、警察や大人に話しても信じてもらえそうもない状況。
一成は肝試しのメンバーにこのことを共有し、協力して命令の実行と犯人捜しをすることにした。
山でオオスズメバチの巣を探し、猟をしていた修平と出会ったのち、一成たちは崖に巣ができているのを見つける。
漢気を見せた龍司が崖を上りオオスズメバチの巣を落とす。
無事に巣ごと確保したが、龍司は全身を刺されて重傷を負ってしまった。
〈全身をハチに刺された龍司 [王様ゲーム 起源 1巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
下山した一成たちはこんな状況でハチ捕りに出かけたことを大人たちに叱られる。
しかし、自分たちの行動が正しかったと信じるしかない。
考えを巡らせると、王様は命令の服従を確認するためにどこかで監視しているか、もしくは一成たちの誰かが王様ではないかという可能性に気づく。
疑念にかられながらも、とりあえずはハチを確保したことで安心し、一成は眠りにつくのだった。
異常事態に警察が捜査へ
翌朝。
一成はサチ子がこま切れになって死んでいるのを発見した。
〈更なる犠牲者 [王様ゲーム 起源 1巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
捕らえたオオスズメバチのうち3匹が昨夜のうちに死んでしまい、命令に服従できていなかったのである。
残る2人の犠牲者はミヨ子と高志だった。
親しい友人や家族が死んでいないことに胸をなでおろす一成だが、村はいよいよ事件を重大視していた。
大人たちは勇二の家に届いていた黒い手紙を本物と信じ始め、警察に通報して解決への糸口を探る。
〈事件を担当する堂島刑事 [王様ゲーム 起源 1巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
事件を担当することになった刑事の堂島は、一成と勇二から事情を聴取。
2人の反応を見ながら、3通目の黒い手紙を差し出す。
「命令3 集会所の前でたき火をしてその中に10万円の紙幣を投げ入れろ。
命令に従わない場合は心臓麻痺の罰を与える。」
王様からの命令に誰か村人が関わっているのはほぼ間違いないと堂島は考え、犯人が見つかるまで警察が村に常駐することとなった。
一成と勇二は自分たちも警察に犯人と疑われていることに気づきながらも、ひとまず命令に従うために金を集めることにする。
と、雄一と美千代の夫婦が親戚のもとへ避難するために村を出ていくところに遭遇した。
本当は避難した方がいいと頭の中ではわかっていながらも、この村に生まれ育った一成たちは大好きな村と仲間たちとともに留まる決意を固めるのだった。
〈この村で生きていく [王様ゲーム 起源 1巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
【1巻のまとめ】
1977年の夜鳴村。
本多一成と本多奈津子は従姉同士でありながら相思相愛の関係だが、2人の仲を反対されたことに反抗した奈津子は呪術家である実家の薬庫に閉じこもってしまう。
その数日後から「王様」を名乗る謎の人物から命令を記した黒い手紙が村人のもとへ届くようになった。
一成は親友の勇二や友人のミチ子、龍司らとともに最初はゲーム感覚で命令に従うが、従わなかった村人が次々に死んでしまう。
誰が犯人なのかもわからず異常事態に村中が騒然となり、殺人事件として警察も捜査に入るなか、次は「10万円をたき火の中に投げ入れろ」という命令が来るのだった。
次巻へ続きます。
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