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1点を巡る死闘、センターの美技に阻まれ試合は緊迫した展開のまま9回へ『ラストイニング』39巻【ネタバレ注意】

 

~前巻までのあらすじ~

弱小と化した彩珠学院の野球部を再建するため、狭山校長は13年前に審判を殴ってから今はインチキセールスマンとして転落人生を歩む元教え子の鳩ヶ谷圭輔に白羽の矢を立てた。

彩珠学院の経営監査を任せられている美里ゆり子が不良債権である野球部の廃部を主張するなか、狭山は理事長に掛け合って「来年の夏までに甲子園に出場できれば野球部の存続を認める」という約束を取り付け、鳩ヶ谷は監督としてチームを指揮することに。

さらに偶然草野球で特大ホームランを放った少年・剛士を借金まみれでどうしようもない実父から引き離し、OB会長の大宮と養子縁組することで彩珠学院野球部に転入させることに成功し、独自のやり方でチームを鍛えていく。

フリーライターの蕨やスポーツ用品メーカー営業の夏子らの協力を得つつ沖縄合宿を経てチームは力をつけていき、さらにヒョロヒョロではあるが変則左投の助っ人投手・スティーブをチームに迎えた彩珠学院。

春の大会でシード権を獲得し、いよいよ夏の県大会が開幕。

直前でエース日高がフォークの自主練で肘に違和感を抱えるアクシデントに見舞われた彩珠学院だが、快進撃でついに全国から優秀な選手が集まる聖母学苑をも破り、甲子園出場を決めた。

その一方、野球部の経営母体のあやのくにグループには土壌汚染のある土地を売ろうとしていたスキャンダルが発覚し、学校の未来に暗雲が立ち込める。

そして学校の外では彩珠学院の売却先候補が浮上し、このまま売却が成立すれば野球部を含むすべての部活動が廃止となる運命。

野球部存続のために売却を阻止したいゆり子は狭山校長と共に学校の理事長であるあやのくにグループ総帥・彩之小路に甲子園での野球部の活躍から新たな学校の買い取り先を探す策を提示し、学校の未来は野球部に託されることとなった。

本来は甲子園出場を果たしたことでお役御免の鳩ヶ谷だったが、そのまま自分の野球を甲子園で試すために監督続投を決意し、いよいよ甲子園が開幕。

甲子園初戦で地元の大声援を背に堅実なプレーを徹底する湊川商工を下し、2回戦でも劇的な逆転勝利で大豊を破り、帝都第一にも辛勝してベスト8に進出した彩珠学院。

しかし日高の右腕にはいよいよ限界が近づいていた。

聖母学苑の桐生監督の厚意で信頼できる整体師の堺を紹介され、マッサージや鍼で日高を治療に専念させるものの、次の試合で本調子で投げられるのは70球まで。

準々決勝の相手は優勝の大本命を破った四国の問題児集団・興洋学園。

4回表に先制に成功した彩珠学院だが、日高のスライダーに異変が起き始め、ついに球数が70球を越えた6回に連打から逆転を許してしまう。

リリーフとして緊急登板した剛士がピンチを凌ぎ、反撃に出たい彩珠学院はその裏にノーアウト1,3塁のチャンスを作って打席に剛士を迎える。

小細工なしの真っ向勝負、試合の流れを左右する場面で剛士の打球は左中間への大きな当たりに。

果たして剛士の打球の行方は…。

 

39巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。

センターのファインプレーに阻まれ反撃は1点止まり

剛士が打った左中間への大飛球。

しかしセンターのフェルナンデスが快速を飛ばしてキャッチし、3塁ランナーの大井がタッチアップ。

犠牲フライとなって1点を上げるが、打球が抜けると思い飛び出していた1塁ランナーの滑川の帰塁が間に合わずアウトになってしまう。(6回裏 彩2-3興)

一転して2アウト2塁、続く川口が打ち取られてこの回も彩珠学院の反撃は1点どまりになってしまうのだった。

日高を再びマウンドに送るか悩む鳩ヶ谷

7回表、彩珠学院は剛士を続投させ、何とか興洋の下位打線を無失点に抑える。

ライトの守備についていた日高はこの間に自分の調子を見つめ直して自分のスライダーがおかしい可能性に気付き、攻守交代のタイミングで八潮を連れ投球練習へ。

そして試行錯誤しながらスライダーを試すうちに、曲がりは小さいが狙ったところに来る新しい球が生まれた。

急造ながらチェンジアップの他に武器になる変化球を手に入れた日高と八潮、次の攻撃は興洋の上位打線。

剛士を続投させて打たれれば一気に崩れてしまいかねない展開に、鳩ヶ谷は再び日高をマウンドに送るか悩むのであった。

1点を追う展開のまま試合は9回へ

7回裏、彩珠学院の攻撃は無得点に終わり8回表へ。

ここで鳩ヶ谷は日高を再びマウンドに送る決断を下す。

新たな変化球を手に入れた日高は興洋の2,3,4番を三者凡退に切って取り、流れを引き寄せていく。

8回裏、興洋の落ち着いた守備に対して正攻法で挑むしかない彩珠学院は2アウトながらランナー2塁のチャンスを作る。

ここで迎えるバッターは3番の滑川。

4番の剛士が後ろに続くことを考えるとバッター勝負に来る可能性が高く、彩珠学院はここが同点に追い付く数少ないチャンス。

積極的にファーストストライクから狙って振り抜いた滑川の打球だが、惜しくもショート摂津のファインプレーに阻まれて同点ならず、試合は9回に突入するのだった。

ピンチの後にチャンスあり

9回表、日高は気迫のピッチングでテンポよく興洋を3人でピシャリと抑え、いい流れで最後の攻撃に繋げる。

9回裏、彩珠学院の先頭打者は剛士。

インコースのストレートを読んだ剛士はフルスイングし、打球は右中間への大飛球に。

フェンスの最前列に飛び込もうかという打球だが、ここもセンターのフェルナンデスがフェンスをよじ登ってジャンプ一番でキャッチするスーパープレーに阻まれてしまう。

ホームランをも阻まれ万事休すか…。

ところが次の川口の打席では、勝利を確信していつもよりも丁寧に守ろうとしたショート摂津のエラーで川口は2塁に到達、一気に同点のチャンスを迎える。

ここで興洋は堪らずこの試合最後のタイムを取り、攻勢に出ようとして鳩ヶ谷はその出方を伺うのだった。

【39巻のまとめ】

剛士の打球は興洋のセンター・フェルナンデスに阻まれ彩珠学院の反撃は1点止まりに。

その後彩珠学院は再び日高をマウンドへ送り、試合は投手戦となって1点差のまま9回に突入。

9回裏、彩珠学院は剛士のホームラン性の当たりをまたもフェルナンデスのスーパープレーに阻まれるも、1アウトから相手のエラーで同点のチャンスを迎える。

ここで興洋は堪らずこの試合最後のタイムを取り、攻勢に出ようとして鳩ヶ谷はその出方を伺うのだった。

次巻へ続きます。

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