ゾンビによって廃墟と化した東京で生き抜く人々のストーリーを描くオムニバス作品。
さっそく、上巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
エピソード①:電線を伝って生きるマサル
20XX年12月16日。原因不明の感染によってゾンビが大量発生してから23日後、東京は既に荒れ果てていた。
ひとりなんとか生き延びている勝(マサル)は、最小限の荷物と金属バットを手に安全な場所を探し、マンションの1室に侵入する。
匂いでゾンビが中にいないと判断したが、中には椅子に縛り付けられた男のゾンビと、傍には自殺したであろう女の死体が横たわっていた。
驚いたマサルが転倒した拍子で椅子が倒れ、男ゾンビが女の死体を食い漁る。
〈一室に侵入したマサル [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
マサルは吐き気を催しながら、ベランダから電線づてに脱出。
音を聞いて隣の部屋からも大量のゾンビが押し寄せ、危機を脱した。
〈電線へ脱出 [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
狡猾な生存者、コージ
水は底を尽きかけ、次にいつ手に入るかもわからない。
そして手が滑って貴重な水を落としてしまったマサル。
絶望しながらも、自ら死を選ぶ勇気はない。
そんなとき、遠くの方からマサルを呼ぶ声がした。
他にも生存者がいたのである。
〈コージとの出会い [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
出会った孝司(コージ)はマサルと同様、電線を伝って生き延びており、より知恵の回る男だった。
下調べのうえ、マンションに押し入る2人。
中では女子高生が首を吊って死んでいたが、コージは楽しそうにその死体を弄ぶ。
モラルの崩壊に驚きながらも、無事に物資を手に入れたことでマサルはコージを尊敬し始めた。
〈モラルの崩壊 [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
しかしコージは安心しきっているマサルスコップで殴り、マサルを縛り上げる。
コージはとあるマンションで生きのびていた女性を強姦したことを自慢げに話しながら、物資を持って去っていった。
〈マサルを裏切るコージ [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
美沙との出会いと別れ
隠し持っていたナイフで拘束を解いたマサルは、下種な男に心を許した自分を責める。
そしてコージが口にしていた女性がいるマンションの部屋を見つけ、希望と共に中に入った。
すると拘束されたまま凌辱された女性を発見する。
〈美沙を救出[東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
女性はかなり衰弱していたがまだ生きており、食料もまだ残っていた。
マサルは小倉美沙と名乗った女性を救出し、2人で生き延びることを決意する。
〈惹かれ合う2人 [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
生き延びるため、危険を冒して美沙を残し物資を調達に出るマサル。
しかし無事に調達して部屋に戻ると、窓が開いている。
コージが戻ってきたのだろうか。
胸騒ぎとともに部屋に入ると、胸に刃物を突き立てられた美沙の死体を目にするのだった。
〈未沙の死 [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
エピソード②:パニック寸前のマンションの住人たち
東京が荒廃しきる前に遡り、別のマンション。
普段は優しい西野というお爺さんが部屋から出てこないことで住民たちが心配していた。
既にゾンビ発生のニュースは耳にしているが、まだ実感が湧かない。
しかしゾンビとなってドアに内側から勢いよく体当たりしてくる西野の姿を見て、住民たちは震撼するのだった。
〈マンションでも感染者が [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
組合長の浅川と力を合わせる和彦
マンションでは組合長の浅川がリーダーシップを発揮して安全の確保や食料の配給を指揮していたが、住民たちは不安に駆られて殺気立っている。
会議の結果、生き延びるために近隣の留守宅から物資を調達することとなり、伊藤和彦という青年をはじめ有志が集められた。
浅川は敵をまず知るために、危険を冒してでもゾンビを捕獲することを提案する。
〈ゾンビ捕獲へ [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
覚悟を決め、一斉に飛び出して何とかゾンビ1体を捕獲した。
ゾンビを捕獲してわかったこと。
・体温が低い
・噛む力が強く危険(厚手の皮が有効)
・赤色に興味を示す
・素早い動きに強く反応する
・音、特に規則正しい低音に強く反応する
・火に弱い
・顔に水が浸かるのを怖がる
・頭部を破壊しない限り死なない
以上が浅川の分析である。
子供をこの騒動で失いながらも冷静に分析する浅川に、妊娠中の妻をもつ和彦は違和感を覚えながらも、浅川についていくことを決める。
マンション脱出作戦
浅川はマンション内での籠城ではなく、安全な場所への避難を提案する。
〈マンション脱出作戦 [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
自給自足体制が整い、水で囲まれた場所。
浅川が提案したのは「夢の島」だった。
音でおびき寄せながら、橋を塞げば不可能ではない。
音でおびき寄せる囮役は浅川自らが買って出た。
橋を塞ぐ手段がまとまる前に、ゾンビたちがマンションに集まり正面玄関が突破されてしまう。
住民たちは脱出の準備を急ぎ、決行へ。
フルフェイスヘルメットと革ジャンを着て、小型トラックから大音量で音楽を流しながら浅川がゾンビを引き付ける。
〈囮になる浅川 [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
住民たちはゾンビに気付かれないようにゆっくりと歩を進め、夢の島への端まであと少し。
しかし出てきたゾンビに住民が悲鳴を上げてしまい、ゾンビの群れが次々と押し寄せてくる。
パニックが起きる中、和彦が囮となってトラックを運転し、急ハンドルで転倒させて無理やり橋を塞ごうとする。
〈和彦の活躍で橋を塞ぐ [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
和彦は何とか車体から脱出するが、漏れ出たガソリンが引火し爆発を起こした。
まだ浅川が来ないうちに、橋は炎上し通れなくなってしまったのである。
浅川を救出、微かな希望を求めて
浅川を見捨てない和彦はボートで川から浅川に呼びかける。
〈浅川の救出へ [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
囮役を全うし、ゾンビたちに囲まれた浅川は死を覚悟していたが、和彦の呼びかけに応じて飛び込んだ。
浅川と和彦、2人の活躍で奇跡的に住民たちは橋を渡り切った。
まだある微かな希望に賭けた脱出は続く。
エピローグ:再び1人になったマサル
美沙の死から約1週間後。
もはやゾンビしかいなくなった東京で、ひとり生き延びたマサルは電線を伝って移動を開始するのだった。
〈再び1人で生きるマサル [東京アンデッド 上巻](c)徳間書店/ 佐伊村司・中山茂大〉
【上巻のまとめ】
電線を伝って生きるマサルは、美沙と出会い2人で生きていこうと決意した矢先、同じく電線を伝って生きていた狡猾なコージに美沙を殺されてしまう。
マサルは失意の中それでも希望を失わず、またコージへの復讐のために1人で後を追うことに決意するのだった。
また別のマンションでは和彦を始めとする住人たちが組合長の浅川の指揮のもと脱出作戦を敢行。
人工島である夢の島での文化的な生活の再建を目指し、何とかマンションからの脱出に成功するのだった。
次巻へ続きます。
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参考ゾンビが氾濫する東京、希望を探し生き抜く人々『東京アンデッド』全2巻【ネタバレ注意】
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