鬼龍との決闘を経て廃人となってしまった父・静虎が2年間のリハビリを経て奇跡的な回復を遂げた。
地下格闘技「ダーク・ファイト」に身を置きながら治療費を稼いだキー坊は、親友であるリキ丸の計らいで大物フィクサーの柳場道元が主宰する「ハイパー・バトル」への出場を勝ち取る。
静虎も鬼龍を倒す共通目的のもと、その実力を道元に買われて格闘技のスペシャリスト集団「チームD」の一員としてハイパー・バトルに参戦する。
ハイパー・バトルの前回優勝者バトル・キングの正体が尊鷹であることがわかり、鬼龍も乱入するなかバトル・キングへの挑戦権が賭かったハイパー・バトル本戦が開幕した。
影の実力者ガンビーノが巨額の賭けや八百長で大会を支配しようとするなか、「キー坊と静虎に血のつながりがない」という衝撃の事実も明らかとなった。
そしてキー坊が究極の当身技・幻突で静虎を破り、決勝進出を決めた。
しかしガンビーノの雇ったスナイパーが鬼龍を狙撃し、鬼龍が倒れてしまう。
その死の真相は不明のまま大会はガンビーノの実弟にして影の大統領とも称されるジョゼフィーノの私邸で仕切り直しとなり、薬物の力で一気に攻め立てる菊多を破ったジェットが決勝進出を決めた。
菊多を実験とした薬物の武器化に失敗した立川博士はジョゼフィーノの怒りを買い、立川博士の身を守ろうとした静虎もジョゼフィーノから目をつけられてしまう。
ジョゼフィーノに狙われる静虎は襲撃によって負傷しながらも立川博士を救出するが、ブラック・ハウスの中で麻薬密造の現場を目撃したところで部下に追い詰められてしまった。
一方、大会はそのまま続いてキー坊とジェットの決勝戦が開催されることに。
キー坊とジェットが結託して勝負に水を差す悪徳レフェリーを成敗し、バトル・キングがレフェリーとなって仕切り直しとなる。
2人は心置きなく戦い、キー坊の絞め技から何とか脱出したジェットが反撃に出るのだった。
25巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
2人のバトル・キング、そして鬼龍は生きていた
マウントポジションを獲られ絶体絶命のキー坊。
冷静にパウンドを続けるジェットだが、その試合の最中にレフェリーとは別のバトル・キングが姿を現した。
〈バトル・キングが2人? [TOUGH 25巻](c)集英社/猿渡哲也〉
バトル・キングが2人いる異様な光景となり、2人が対峙する。
後から現れた方のバトル・キングがレフェリーだった方を一蹴しマスクを剥ぎ取ると、男の正体が明らかになる。
男は鬼龍に脅されてやむを得ずバトル・キングに扮しレフェリーをしていたことを明かし、鬼龍が生きていることが明らかとなる。
〈鬼龍が生きている? [TOUGH 25巻](c)集英社/猿渡哲也〉
男によれば鬼龍は一度は心肺停止したものの数分後に蘇り、病院から姿を消したようだ。
その鬼龍はガンビーノらに復讐するため、ブラック・ハウスに向かっているのだった。
麻薬密造の証拠を通報する静虎
麻薬そっちのけで静虎に向けてバルカンをぶっ放すバルカン・ボビー。
〈銃弾をかいくぐる静虎 [TOUGH 25巻](c)集英社/猿渡哲也〉
静虎は銃弾の嵐を匍匐前進でかいくぐり、バルカン・ボビーを一蹴。
麻薬密造の現場をカメラに収め、FBIに通報するのだった。
〈FBIに通報 [TOUGH 25巻](c)集英社/猿渡哲也〉
鬼龍が舞い戻り、決勝はさらに激しい打撃戦へ
本物のバトル・キングがレフェリーを継ぎ、キー坊とジェットの試合が再開される。
ダメージが残るなか苦境に立たされるキー坊は、死中に活路を見出し、奥義・菩薩拳でジェットからダウンを奪う。
〈菩薩拳でダウンを奪う [TOUGH 25巻](c)集英社/猿渡哲也〉
しかしまだ決着はついていない。
時を同じくして鬼龍が試合会場に姿を現し、ガンビーノとジョゼフィーノを人質にとりながら試合を見守る。
〈舞い戻った鬼龍 [TOUGH 25巻](c)集英社/猿渡哲也〉
鬼龍の眼前とあり、再び立ち上がって攻め込むジェット。
2人の戦いは激しい打撃戦となっていく。
鬼龍が明かす真実
静虎から通報を受けたFBIは強制捜査を検討し始めるが、ブラック・ハウスに工作員を潜入させていた。
その工作員の正体は鬼龍。
鬼龍は狙撃を弾丸すべりでいなし難を逃れていたが、病院で治療を受けている際にFBIによって頭に小型の爆弾を仕込まれ、逆らえないようにされていたのである。
〈鬼龍に接触していたFBI [TOUGH 25巻](c)集英社/猿渡哲也〉
ブラック・ハウスに舞い戻った鬼龍に対し、静虎がキー坊の母・熹恵との関係と過去を問い詰める。
キー坊の実の父が鬼龍ではないかという疑念だったが、鬼龍の答えは「俺の子は熹一じゃない。ジェットだ」と明かすのだった。
〈ジェットの父親は鬼龍だった [TOUGH 25巻](c)集英社/猿渡哲也〉
ジェットは鬼龍の実子だった
確かに鬼龍は静虎よりも先にパリで熹恵と知り合っていたが、その頃鬼龍は別の女と暮らしており、鬼龍の佇まいに興味を持った熹恵がデッサンのモデルを頼んだのが2人の接点だった。
鬼龍は各地で色んな女性と逢瀬を重ねて子を設け、ジェットもその一人。
不幸にもジェットの母は事故で命を落としてしまいストリートチルドレンとして生きることとなったが、鬼龍は実の子としてジェットには愛情を持っており、自分の息のかかった格闘技ジムで面倒を見させていたのだった。
〈幼いジェットに目をかけていた鬼龍 [TOUGH 25巻](c)集英社/猿渡哲也〉
すなわち、キー坊とジェットの決勝戦は鬼龍の実子と静虎の義子の戦いだった。
キー坊とジェットの激突は終盤へ
既に眼窩底と肋骨を折られながらも執念で戦うキー坊は、この土壇場でさらに覚醒する。
ジェットのパンチを弾丸すべりで躱しながら塊貫拳で反撃する離れ業をやってのけ、ダウンを奪った。
〈弾丸すべりと塊貫拳の複合カウンター [TOUGH 25巻](c)集英社/猿渡哲也〉
しかし鬼龍が実の父であることを感じ取ったジェットの闘志にも火が付き、全身全霊で猛攻を仕掛けてくる。
マウントポジションを獲り、凄まじいパウンドで攻めるジェット。
〈猛攻を見せるジェット [TOUGH 25巻](c)集英社/猿渡哲也〉
果たして2人の激闘の行方は―。
【25巻のまとめ】
追手を撃破し麻薬密造の現場をFBIに通報する静虎。
狙撃を受けながらも一命をとりとめていた鬼龍もFBIの工作員として舞い戻り、自分がジェットの実父であることを明かす。
鬼龍との血の繋がりを知り発奮するジェット。
決勝戦は激しい攻防となり、終盤へ向かっていくのだった。
次巻へ続きます。
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