初夏、友達と下校中だった高校生・永井圭は、交通事故に遭い轢死するが、すぐに生き返った。
外見は人間だが決して死なない「亜人」だと判明した永井圭は、戸崎を始めとする政府機関に追われる身となり、疎遠になっていた幼馴染の海斗(カイ)を頼ってバイクで逃走を図る。
しかし「帽子」と呼ばれる亜人のテロリスト佐藤が仲間の田中と共に圭に近付こうと、圭の妹を誘拐する。
カイを危険に巻き込ませまいと決意した圭は、1人で佐藤のもとへ向かうのだった。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
政府に囚われた圭
佐藤との待ち合わせ場所である人気のない神社に着いた圭。
始めは警戒していた圭だが、佐藤の低姿勢で真摯な態度に拍子抜けする。
しかしその会話の最中、どこからか放たれた麻酔銃によって昏倒してしまう。
意識を取り戻したとき、そこは亜人の研究施設の解剖台の上だった。
佐藤は圭の信用を得た上であえて黒い幽霊を使って圭を狙撃し、人間側に差し出したのである。
自分たちが恨みを買わないようにしながら人間への憎悪を煽るため、まずは協力者の田中のときと同様に人体実験の生贄にさせるのだった。
待ち受けていたのは非人道的な研究
全身を拘束され、さらに声帯も切除された圭に、非人道的な研究が始まる。
痛みへの抵抗からか、圭は無自覚のまま黒い幽霊を研究室に放っていた。
そして圭の人間への殺意が募っていき、黒い幽霊が暴走を始めようとする。
ところがその矢先、圭の脳裏に浮かんだのは自分を人間扱いしてくれたカイの悲しげな顔。
人間を殺したらカイに嫌われてしまうかもしれない―。
その想いで圭は殺すのを思いとどまり、実験に耐え続ける覚悟を固めるのだった。
亜人擁護の思想=危険人物
圭が捕まったニュースは拡散され、圭の同級生たちにも元の日常が戻る。
圭が亜人だと分かった途端に人間ではない何かとして扱う友人たちに違和感を覚えていた中島啓介は、圭のためにできることを探す。
彼女よりも圭の擁護を優先し、行き着いた先は「亜人差別撤廃協会」のwebサイト。
しかしこれは政府が用意したダミーであり、亜人擁護の考えをもった要注意人物リストに中島も載ることとなるのだった。
佐藤たちが圭の救出のため襲撃へ
その頃、佐藤と田中は圭を救出するための準備を進める。
用意した人間の臓器を裏取引で武器に変え、研究施設の襲撃作戦を立てた。
しかし佐藤が最優先に考えていたのは圭の救出ではなく、その研究施設を訪れていた亜人研究の第一人者オグラ・イクヤ博士の誘拐。
田中にオグラ博士の誘拐を、そして佐藤は圭の救出を狙い、襲撃が始まるのだった。
圧倒的な戦闘力で圭を救出する佐藤
研究所にいた戸崎と下村は佐藤たち亜人の襲撃を察知し、正面から戦う覚悟を決める。
あくまで亜人は麻酔銃で無力化すべきと考える戸崎、それは亜人の殺害は過去最悪の「中村慎也事件」の二の舞になりかねないからであった。
麻酔銃を撃ちこめば勝ちとの考えで対抗する警備員たちだが、佐藤は黒い幽霊・通称IBMを使わずとも亜人特有の「死んだら全快」という特性をフルに活用して圧倒的な強さで攻め込んでくる。
国内2例目の亜人だった田中を救出したときと同様に、あっと言う間に圭を救出する佐藤。
しかし人間側への憎悪で涙を流した田中とは異なり、圭は薄っすらと涙を浮かべただけであっさりとした反応。
佐藤は圭が自分が期待した通りに仕上らなかったことを悟るのだった。
外伝:中村慎也事件の真相
交通事故で死んだ際に、自分が亜人であることを初めてしった中村慎也。
慎也は誰にも自分が亜人であることがバレないように事故現場を片付けつつ、バレて捕まることに怯えながら過ごすこととなる。
黒い幽霊も見えだして錯乱する慎也を友人の裕介が助けようとするが、2人の前に亜人管理委員会の追跡の手が及んだ。
慎也は自分の頭部が事故で切断されてしまったことに気付かないまま再生し、その斬り落とされた頭部が亜人管理委員会の木戸の手に渡ってしまったのである。
「亜人は殺害して動きを止める」というセオリー通りに木戸は躊躇なく発砲。
慎也を庇った裕介が銃撃を受けて命を落としてしまい、絶望と激しい憎悪に包まれる中慎也も頭を撃たれた。
しかし一件落着と木戸たちが安堵したとき、事件は起こる。
おびただしい数のIBMが一般人の目にも見えるレベルで発言し、木戸と部下たちを皆殺しに。
そして再生した慎也は裕介の無念を抱えて街に消えていくのであった。
【2巻のまとめ】
佐藤と接触を果たした圭だが、それは佐藤の罠。
佐藤は人間への憎悪を煽って自分の仲間にするため、あえて圭を眠らせて人間側へ差し出す。
囚われの身となった圭は非人道的な実験の対象とされ、佐藤は仲間の田中と共に圭の救出と、その研究所にいる亜人研究の第一人者・オグラ博士の誘拐を狙って研究所を襲撃した。
亜人だけが出すことのできる黒い幽霊・IBMを使わずとも不死という特性をフルに活かし、圧倒的な戦闘力で侵攻する佐藤。
難なく圭を解放させるが、圭は人間への憎悪と殺意は思いとどまっており、佐藤は自分の期待通りに仕上がらなかったことを悟るのだった。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら
全巻まとめに戻る
-
参考死なない人間は人類の敵?味方?迫力満点の異能力バトル『亜人』全17巻【ネタバレ注意】
続きを見る