同級生はもちろん先生でさえ凌駕する圧倒的な運動神経を持つリア充で中3の凡田夏之介。
そんなノリノリの夏之介の前にクラスのマドンナである永倉さよりが接近し、突如として交換日記が始まった。
しかしその中身は恋愛ではなく野球談議と称した賭け。
ミステリアスでギャンブルに強いさよりの勝負勘は実家の雀荘で鍛えられたものであり、親戚にはプロ野球のスカウトである安田よしきもいる。
そして夏之介の友人でありさよりに想いを寄せる堀田も2人の間に首を突っ込もうと、凡田と共に甲子園を目指すことを宣言し、凡田・堀田に加えてさよりとその親友である智子の4人が鶴見川高校に入学した。
鶴見川高校の野球部に入った夏之介と堀田は入学前の春休みから野球部の練習参加に勧誘されるが、そこで洗礼を浴びることとなる。
ハードな練習に同じ練習性が次々と脱落する中2人は泣きながら食らいついていった。
そして4月になり新入部員が揃うなか、春休みの練習に食らいついていった成果から夏之介と堀田はいち早くハードな練習にも慣れを見せる。
野球部の空気にも少しずつ慣れてきた夏之介と堀田は、クラスでも陽キャな女子である本村と池尻に絡まれてWデートをすることに。
堀田は池尻に初めてのキスを奪われて恋するようになるが、池尻にとってはただの遊びであり弄ばれただけの結果となってしまった。
他方、練習試合で調子を崩しショックを引きずっていた西浦は、立ち直るきっかけをくれた智子と急接近し交際を開始。
2人の交際は生徒たちの間で噂になるほどで、体育器具庫で隠れてキスをするなど、青春を謳歌し始めていたのであった。
最終巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
堀田は今度は池尻と付き合いだす
体育器具庫で智子と隠れてキスをするなど、彼女に溺れていくうちに野球へのモチベーションも上がっていく西浦。
一方、堀田はまだ池尻に弄ばれたショックを引きずっていた。
そんな堀田を見かねた本村は、今度は池尻に代わって自分が慰めてやろうと堀田を体育器具庫に連れ込む。
そして堀田のウブさに帰って母性本能をくすぐられ、本村が堀田にキスすると、堀田も本村に抱き着いてしまう。
また同じ轍を踏もうとしていることに気づき、慌てて我に返り立ち去ろうとする堀田。
しかし本村は堀田にこのまま2人で付き合って池尻のことを見返してやろうと提案し、2人が付き合うことに。
その体育器具庫で息を潜めて隠れていた西浦と智子は、2人が付き合いだしたことを知ってしまうのだった。
野球部のオンナのヒエラルキー
さよりという意中の相手がいながらも本村に溺れ始める堀田。
そして池尻も自分が弄んだ堀田を本村に取られたようでいい気はしていない様子。
他方、西浦が智子と付き合いだしたことは学校中の噂となっていき、西浦は野球での成績が絶好調である限りは不問という扱いになっていく。
練習試合でも西浦は絶好調を維持し、次第に西浦は智子を通じて後輩に技術的なアドバイスも伝えるようになっていった。
こうして智子は大エースのオンナとして女帝のような存在となっていき、智子も無意識のうちに態度が大きくなる。
挙句の果てには西浦から堀田へのアドバイスをなぜか智子が本村に伝え、本村にとっては堀田と付き合っていることを知られている上に彼氏の実力でマウントを取られることに。
本村が池尻に相談すると、池尻は面白半分で「悔しかったら自分がエースのオンナになっちまえば?」とアドバイス。
これがきっかけとなり、状況が大きく変わることになるのであった。
恋の修羅場が訪れ、西浦は女関係を清算
野球部の2年生には西浦を含めて3人に彼女ができたが、1年の本村がエースのオンナというだけで他2人の彼女である先輩を従えるように。
その様子を目の当たりにして智子に怒りを覚えた本村は、池尻のアドバイスを実践に移すことを決意する。
自ら西浦にアプローチして略奪に成功し、西浦と本村のキス現場を目撃してしまった智子は失恋。
そして2人が手をつないで歩いているところを目撃した堀田も失恋を突きつけられた。
西浦が智子ではなく本村と浮気をしているという噂を聞きつけた監督は、私生活の乱れを正すべく西浦に鉄拳制裁を下し、西浦は一切の女を絶って野球だけに打ちこむように追い込まれてしまう。
智子と本村、2人との関係を清算し、西浦はまた「彼女なんてすぐできるさ」と前を向いて野球に打ち込むが、やはりモチベーションが上がらずに調子が上がらない。
他方、本村に裏切られた堀田は今度は池尻に慰められ、さらにそこに本村も戻って来て修羅場となる。
本村が堀田に執着していることを知った西浦は、自分をたぶらかした本村が悪女だったと知り、吹っ切れて調子を取り戻すのであった。
エピローグ:野球だけに打ちこみ成長した夏之介
西浦や堀田が青春を謳歌している間、夏之介はひたすら練習に打ち込み、めきめきと腕を上げていた。
実力は既に認められていたが、監督の方針で秋に新チームになるまではどんな有望株でも試合に出ることは許されず、夏の大会では夏之介の出番がないまま西浦がチームを牽引し注目を浴びた。
まだ身体が発展途上の夏之介は秋の大会でも出番はなく、西浦はここでも活躍してプロ注目の逸材と評されるように。
しかし秋の大会直後の練習試合では、初登板の機会を得た夏之介が1失点完投と華々しくデビューし、その後もことごとく結果を出していく。
腕を上げたことで余裕が出てきた夏之介は次第に態度が大きくなり、西浦も夏之介をシメようとイジメるようになるが、夏之介はかつて憧れた西浦も「小物」と感じるようになっていた。
このころから野球部内でも夏之介は西浦からポジションを奪うようになっていき、スパイダースのスカウトであるよしきがいち早く夏之介の才能を見抜く。
よしきは夏之介という有望株があまりライバル球団から注目を浴びないように願う意図もあり、「無闇に先輩は追い越しちゃイカン」というアドバイスを夏之介に送った。
結局、高校時代も野球漬けでオンナに縁が無かった夏之介は、プロ野球選手としても成功し、36歳でメジャーリーグに挑戦することとなる。
一方の堀田は地元の道の駅の店員をしながら、2度目の離婚を経て3度目の結婚に動き出しているという。
その相手はバツイチながらもかつて好意を寄せていたあのさより。
堀田は堀田で野球ではない方向でずっと青春を謳歌していたのであった。
【6巻(完)のまとめ】
青春を謳歌する堀田と西浦に恋の修羅場が訪れ、振り回されていく2人は結局プロ野球選手になることは叶わなかった。
そんななか夏之介は女関係そっちのけで野球に打ち込み、プロ野球のスカウトの目にも止まることとなる。
その後プロ野球選手としても成功し、36歳でメジャーリーグに挑戦することとなった夏之介。
一方、親友の堀田は2度の離婚を経てずっと好きだったさよりと3度目の結婚に向けて動き出したといい、野球ではない方向でずっと青春を謳歌していたのであった。
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