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零花に迫る危機、そしてヤバすぎる鳥栖家の実情が少しずつ明らかに…『マイホームヒーロー』8巻【ネタバレ注意】

~前巻までのあらすじ~

主人公・鳥栖哲雄は平凡なサラリーマンだが、推理小説オタクであり、娘・零花が彼氏・麻取延人から暴力を受けたと知り、 延人を尾行したところで延人が半グレ組織の一員であり鳥栖家の実家の財産を狙っていること、そして尾行に気付いた延人が零花を殺そうとしていることを知り、零花を守るために延人を殺害。

妻の歌仙と共謀として死体の処理に奔走するが、 撲殺した麻取延人は犯罪組織(半グレ)のメンバーで、かつ、組織上層部の凄腕の詐欺師 麻取義辰の息子であったことから、実働部隊のリーダーである窪の指揮のもと、徹底した行方探しを開始。

哲雄と歌仙は反グレ組織の実行部隊の恭一をハメて罪をなすりつけることに成功した。

恭一は哲雄が延人殺害の真犯人であることを確信し組織から逃走するしつつ義辰に全てを暴露し、哲雄は自分の家族を守り抜くために義辰とも対峙する。

結局、愛する息子という生きがいを失った義辰が哲雄の前で自ら命を絶ち、その遺体を山中に埋めて全てを隠ぺいした哲雄。

しかし幸せを取り戻したのも束の間、計算外の台風により土砂崩れが発生し、その遺体が警察に見つかってしまった。

正義のために手段を厭わない安元刑事は、顔馴染みの哲雄がわざわざ現場近くまで様子を見に来ているのを見つけ、哲雄の動向を徹底的に調べ上げることに。

一方、零花にはモテ期が到来し、 イケメンで自称大学生の石井 信、コンビニバイトの新人で純朴な高校生の小沢 謙信、零花が通い始めたキックボクシングジムで知り合った金井憲広、自称占い師の紫楽来杉山の4人が近づく。

だがそのうち信は鳥栖家の実家が営む「和服の鳥栖」の財産を狙う志野と窪のスパイ、金井は逃走中の恭一と繋がっており、また謙信も哲雄が推理小説の投稿者であることを特定し、大ファンとして零花を通じて接触しようとしていた。

このうち金井は実家の遺産相続が決まった零花を狙う半グレ組織に始末され、恭一と繋がっていたことも竹田にバレてしまう。

金井の仇を討つため組織を潰す覚悟を固めた恭一は、哲雄に組織がまだ零花を狙っていることを伝え、哲雄と再び協力関係に。

計画を立てた恭一は警察に自首して安元刑事に組織の内部事情を暴露することにし、金井の殺害に加担した構成員3人が警察に追われるハメに。

対応に追われる組織では、窪がリーダーの竹田に責任を取らせるために3人を先に始末するよう命じるのであった。

8巻のあらすじを振り返ってみましょう。

竹田の最期

半グレ組織の最古参の1人である竹田は、自分の身の振り方について考えを巡らせる。

自分は組織から見捨てられているのか、見捨てられていた場合は3人を殺さず協力して窪と戦った方が勝ち目があるか―。

だがもし窪に勝ったとしてもその後組織を相手にすることとなる。

結局、竹田はガスで眠らせた3人の仲間を絞殺。

そして山中で穴を掘って埋めようとしているところで、GPSを追ってきた窪が姿を現した。

窪が自分を殺すつもりがあるかどうか、真意がわからない竹田。

意を決して窪に銃を向けるが、初めから竹田を殺すつもりだった窪が素早く竹田の頭を撃ち抜いた。

窪は表情一つ変えず、付き合いの長い竹田を始末したのだった。

哲雄の真実に迫る謙信

金井の死をニュースで知り落ち込む零花と、零花を守るためにしばらく同じマンションで暮らすことにした哲雄・歌仙。

そんなとき、零花のマンションを謙信が尋ね、応対した哲雄に対して謙信が自分の身を明かす。

謙信はネット掲示板で見た哲雄の推理小説の大ファンであり、哲雄が最近投稿したものは実体験、つまり半グレを実際に殺したと考えている。

その証拠に、零花の引っ越す前のマンションに侵入、配管を漁って肉片を回収し、DNA鑑定でそれが延人のものだと突き止めたこと。

ただ謙信は哲雄を脅すわけではなく、これから信を殺すはずだと考えてその協力を申し出てきた。

ズバズバと言い当てられて動揺する哲雄は、あくまでシラを切ろうとする。

すると謙信は哲雄の信頼を得るため、自分が信の居場所を見つけて哲雄に教えると提案し、今日のところは引き下がるのだった。

信が零花に接近…

翌朝、歌仙は遺産を零花に相続させようとしている件について話し合うために実家へと発つ。

一方零花は信からメールで呼び出され、哲雄が眠っている間に出かけてしまった。

ちょうど謙信から信の居場所を見つけたと連絡が入り、現場へ急行。

しかし謙信が特定した「石井 信」という男は零花に近づいている男とは全くの別人で、以前強面の男たちに学生証を売ってしまったという。

信の名前も出身大学も嘘だったことが判明し、居場所を追う手がかりを失ってしまった哲雄と謙信。

そこに零花から「信と会っている」とメールが入り、すぐさまその男が身分を偽っている危険な男だと忠告するが、それが逆に零花を義憤に駆り立ててしまうのだった。

零花と信の化かし合い

零花とカフェで会い、金井の葬式が執り行われる新潟へ一緒に行こうと誘う信。

もちろん出まかせであり、旅行を通じて零花を手籠めにする算段だ。

哲雄からのメールで信が嘘をついていることを知り、それを自ら暴いてやると意気込む零花。

哲雄にはスマホ紛失時の位置情報共有アプリのアクセスコードを共有し、後から追ってこられるようにしつつ、自分を落としたい信に付け込み、旅行に必要と言ってデパートでブランド物を買わせた。

新幹線に乗った零花に対し、哲雄は1回降りるようにメールするが、そのメールが窓ガラスに反射し、零花の態度の変化を怪しむ信も哲雄に尾行されていることに気付いてしまった。

ここからは信と零花の化かし合い。

信は途中で観光しようと言い出し、高崎で途中下車する。

一方、哲雄は無理やりついてきた謙信と一緒に零花の位置情報を追いながら新幹線に乗るが、その新幹線は高崎を通過してしまうのだった。

行方不明になった零花

高崎で下車した零花と信。

信は尾行を撒くために零花のスマホをどう奪うか考え、零花は信の嘘を暴くために証拠やボロが出ないか考える。

2人の空気は険悪となるなか、信は仲直りのために抱き着くフリをしながら零花のスマホを盗み、路線バスの中に放置した。

スマホを盗まれたことに気付いた零花は、お返しに信のスマホを盗み、隙を突いて逃走を図る。

その頃、哲雄と謙信はようやく高崎駅に到着。

零花からの位置情報が循環バスの沿線をグルグル回っていることから、零花が拉致された可能性も踏まえ、二手に分かれて行方を探すことに。

一方、零花は森の中に逃げたものの信に追いつかれ、木に拘束されていたのだった。

思わぬ再会

信はレンタカーを借りに駅前に戻ってくるはずと考えていた哲雄は、読み通り一人で来た信の姿を確認し、タクシーで尾行開始。

尾行に気付いた信は追跡を撒いて山の方へ向かっていく。

先に山の方を捜索していた謙信と連絡を取りながら後を追う哲雄は、森の中で零花の持っていた所持品や女性もののキャリーバッグ、そして木に付いた大量の血痕を発見した。

その血痕は零花のものであってたまるかと願いながら、血の痕を追っていくと、山道で大きな荷物を背負う男の影を見つけた。

しかしその男は信ではなく歌仙の従兄・鳥栖洋二が連れていた部下であり、洋二との思わぬ再会に驚く哲雄。

哲雄のことを快く思っていない洋二は、大きな荷物の中身は零花ではないとだけ告げ、部下に哲雄を痛めつけさせて去っていくのだった。

鳥栖家のヤバい内情

哲雄と鳥栖家の因縁は20年前に遡る。

当時、歌仙との結婚のために鳥栖の実家を訪れた哲雄は、鳥栖家から血判状へサインしなければ結婚は許さないと反対され、洋二の監視のもとで監禁されていた。

その後歌仙と結ばれ、零花という愛娘を授かった哲雄。

零花を守るため、悲痛な叫びをあげながら洋二の車を追おうとするが、ちょうどそこに森の中から自力で拘束を解いて逃げ延びていた零花が姿を現した。

ちょうどその頃、絶縁状態にあった実家へと帰り、姉の胡蝶に零花の遺産相続の放棄を伝える歌仙。

しかし胡蝶は零花がいま犯罪組織に狙われ、危険な状態にあることも把握しており、歌仙の身を拘束する。

胡蝶は洋二を使って半グレ組織の排除を画策しており、洋二が抱えていた荷物や木に付いていた血痕は全て信のものだったのである。

零花と無事再会を果たし、安堵する哲雄。

だが歌仙の実家の鳥栖家は想像以上にヤバい背景を持つ家系なのであった。

【8巻のまとめ】

窪が冷徹な判断で竹田もろとも実働グループを始末する一方、謙信は独自の推理で哲雄が隠している真実を看破したうえで哲雄に協力を申し出る。

だがちょうど零花が信に狙われ、一時行方不明に。

零花を助け信を殺すべく哲雄と謙信が奔走、すると信に重傷を負わせて連れ去っていく歌仙の従兄・鳥栖洋二と思わぬ再会を果たしつつ、 自力で逃げおおせていた零花と無事に再会することができた。

その裏では零花を鳥栖家の後継者にすることに執着する歌仙の姉・胡蝶が糸を引いており、零花への遺産相続を放棄するために実家を訪れた歌仙も胡蝶に拘束されてしまったのだった。

【8巻の見どころ】

この巻の見どころは、窪による冷酷な粛清から始まる、登場人物たちの知略と覚悟が交錯する展開です。

竹田が生き残るために仲間を手にかけ、窪に銃を向けるも一瞬で撃たれるシーンは、組織の非情さと彼の葛藤を象徴しています。

謙信が哲雄の正体を見抜いて協力を申し出る場面では、推理の鋭さとそれを受け止めきれない哲雄の動揺が鮮烈です。

一方、信と零花の駆け引きは、互いに裏をかき合う知略戦となり、ついには零花が拉致されるという最悪の展開に。

それでも零花が自力で逃げ延び、父と再会を果たすシーンには、緊迫の中に家族の絆が光る感動が詰まっています。
管理人

次巻へ続きます。

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「47年間、一度も刑法を犯さずに生きてきた。だけど、今日から殺人鬼だ。ああ……」人が人を殺してしまうとき、一体どんな気持ちでいたのかを、しがない会社員、47歳の鳥栖哲雄は、ふつふつと煮えていく死体を前に思っていた──。さかのぼること、わずか数時間前。哲雄は、反抗期の娘・零花に煙たがられながらも、愛する妻・歌仙と共に、彼女の成長を誰よりも願い、日常を送っていた。ある日、哲雄が一人暮らしを始めた零花を訪ねると、その顔に殴られたようなアザがあることを見つける。問い詰めても零花は答えない。意を決した哲雄は零花の家に忍び込み、クローゼットに身を隠す。そこで目にしたのは、零花に手を上げた“半グレ”彼氏・麻取延人。さらに延人は元カノを殴り殺した過去を持ち、ヤクザと共に、零花を貶める“ある計画”を進める超危険人物だった──! ©山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会

(Amazpn Prime Video作品紹介より引用)

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