その村の者は、その村で死んだ人間は生き返り、“屍遊者”と呼ばれる人ならぬ者となる。その屍遊者が、生きた人間を喰うと…。 地図にも載っておらず、頑強な3つの壁によって完全に隔絶された集落・猴神村で起こる怪異。 この村に生きる者は外に世界を知らぬ。ただ死の匂いに抗うのみ…。 陰謀と狂気が交叉する怪奇ホラー。
(Amazon作品紹介より引用)
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。
隔絶された村と死者が蘇る奇病
存在をひた隠しにされた集落、猴神村では、死者が蘇る謎の奇病が蔓延していた。
その恐れと畏怖から村は屈強な第三防御壁によって囲まれ、村は禁忌とされた。
村の中では一度死んだ者やそれに一度でも噛まれた者が名前も記憶もなく本能のままに動く「屍遊者」(いわゆるゾンビ)となってしまう。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」1巻©日本文芸社/ボイド
村の青年のトキオも両親が屍遊者となったために両親を手にかけて生き残った過去があり、今は村の青年団の一員として生存者の保護と屍遊者の処理を担当している。
外の世界からは村の存在を知る限られた者たちから投下される補給物資で村の生活が成り立っている状態なのであった。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」1巻©日本文芸社/ボイド
村の禁忌
ある日、村の住人のミチは村に伝わる噂を信じて行動を起こす。
それは、生きた人間を食べさせれば屍遊者が人間に戻るというもの。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」1巻©日本文芸社/ボイド
妊娠中であるミチは幸せな家庭を取り戻すために屍遊者となった夫に介護が必要な義母を食わせたのである。
すると夫は一時的に理性を取り戻した。
しかしそれも束の間であり、夫はひどく悶えながらまるで脱皮のように全身の皮が剥がれ、異形の化け物に姿を変えてしまう。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」1巻©日本文芸社/ボイド
化け物になれば規格外のパワーを手にいれる危険な存在となるため、屍遊者は全て討伐しなければならないというのが村の言い伝え。
その存在がいま、生まれてしまったのだった。
化け物が誕生してしまう
その化け物を実際に知っているのは、30年前に対峙したことのある青年団の班長だけ。
化け物の特徴的な雄叫びを聞いた班長は表情を曇らせながら班を指揮し、討伐作戦を練り始める。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」1巻©日本文芸社/ボイド
村人を襲って回る化け物の動きは素早く、青年団は4つの班に別れて身を隠しながら包囲し、弓の一斉射撃で仕留めることとなった。
だが自宅が襲われそうになった別班の1人が先に攻撃を始め、トキオたちの合流を待たずして弓による射撃が始まってしまう。
化け物は少し悶えながらも反撃で団員を惨殺し、恐怖を目の当たりにした他の班はみな散り散りに逃げてしまうのだった。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」1巻©日本文芸社/ボイド
トキオたちが化け物と対峙
戦えるのはトキオたち四班の9人だけ。
30年前は運良く雷が直撃して化け物が爆ぜたというが、今日は晴天である。
そんななか、トキオが名乗りを挙げて自ら囮として化け物を誘導し、十字路で待ち伏せする作戦を取ることに。
全員で生き残るために化け物に追われながら全力で十字路へ走るトキオ。
ところが十字路で待ち伏せする班長が屍遊者となった団員に噛まれるアクシデントが発生してしまう。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」1巻©日本文芸社/ボイド
それでも気合いと根性で化け物に大鎌で一撃を浴びせる班長。
暴れる化け物がトキオに馬乗りとなり、他の班員はトキオへの誤射を恐れて弓を射るのを躊躇うが、トキオは自分に構わず射るよう叫ぶ。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」1巻©日本文芸社/ボイド
そのとき、突如として化け物の頭が爆ぜた。
何が起きたかわからないトキオたちは不思議な雷かと考えるが、第三防御壁のうえから防衛隊員のスナイパーが狙撃したのであった。
村の経緯と日本を操る謎の組織
日本は女性初の内閣総理大臣が誕生したばかりだが、猴神村を管理する組織の男が総理に「申し送り」をする。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」1巻©日本文芸社/ボイド
猴神村の現在や江戸時代に奇病と隔離の起源があること、そして死後に蘇ることについて現在も観察と研究が続いているという事実。
この謎が解明されれば不老不死の実現も夢ではなく、軍事目的への転用や宇宙への人類の進出加速など、日本が大きく世界をリードすることができる。
猴神村の村人の人権を無視した取組みに総理は難色を示すが、組織は総理を脅迫してでも計画を承認させた。
日本はこの裏の組織によって牛耳られていたのだった。
班長から託されたモノ
化け物の討伐に成功したトキオたちは、残る屍遊者を処理し生存者を救出しながら、倒れた班長を隔離房へ移す。
目を覚ました班長はトキオに、「声のする箱」を託した。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」1巻©日本文芸社/ボイド
ただの通信機だが、外の世界とは隔絶された猴神村では全く馴染みのない物。
班長は2~3年前の見回りの際に発見したらしく、その時には「7日に一度、特定の操作をして待機していればまた連絡する」という指示が聞こえたそうだ。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」1巻©日本文芸社/ボイド
しかし班長は伝えるべきことを伝えたうえでトキオの目の前で屍遊者への変化が始まってしまい、完全に人としての意識がなくなる前に自決。
父親代わりだった班長を失ったトキオは、無念さを抱えながら班長の示唆した壁の外のことを知りたいと考えるようになるのであった。
【1巻のまとめ】
存在をひた隠しにされた集落、猴神村では、死者が蘇る謎の奇病が蔓延していた。
その恐れと畏怖から村は屈強な第三防御壁によって囲まれ、村は禁忌とされた。
村の中では一度死んだ者やそれに一度でも噛まれた者が名前も記憶もなく本能のままに動く「屍遊者」(いわゆるゾンビ)となってしまう。
ある日、村では生きたまま人間を屍遊者に食べさせると、元の人間に戻るという噂を信じた村人がその禁忌を犯した結果、屍遊者が化け物へと進化してしまう。
青年団のトキオたちはなんとかして化け物を討伐することに成功したものの、班長が命を落とす結果に。
村の外では謎の組織が陰謀を張り巡らすなか、トキオは班長から託された謎のモノ(通信機)を手に、班長の示唆した壁の外のことを知りたいと考えるようになるのであった。
次巻へ続きます。
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