1977年の夜鳴村。
本多一成と本多奈津子は従姉同士でありながら相思相愛の関係だが、2人の仲を反対されたことに反抗した奈津子は呪術家である実家の薬庫に閉じこもってしまう。
その数日後から「王様」を名乗る謎の人物から命令を記した黒い手紙が村人のもとへ届くようになった。
一成は親友の勇二や友人のミチ子、龍司らとともに最初はゲーム感覚で命令に従うが、従わなかった村人が次々に死んでしまう。
誰が犯人なのかもわからず異常事態に村中が騒然となり、殺人事件として警察も捜査に入るが、その目の前でも人が死んでいく。
続く命令で生贄を1人指名することになった一成だが、ミチ子が細工したクジにより久子が息子の目の前で犠牲になってしまった。
容赦なく届く王様の次の命令は「不要なことを犯すな」。
その真意が「王様への悪口を言うな」であることに気づくまでに大量の犠牲者が出てしまい、残る村人は12人にまで減っていた。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
広がる動揺と不安
4日で20人が死に、封鎖された夜鳴村。
いつもは冷静な狩人である修平も動揺を隠しきれず、関わっている犯人を殺すために猟銃を肌身離さず持っている。
〈余裕がなくなる修平 [王様ゲーム 起源 3巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
日付をまたぎ、堂島の命令で集会所に集められた村人たち。
一成、奈津子、勇二、勇二の姉の早苗、ミチ子と父の篤志、修平・浩司の親子、大輝を亡くした母の百合。
そして和也、龍司、龍司の母のフミ子の3人は別室で治療を受けている。
村人全員が集められているはずなのに、黒い手紙が今度はパトカーの下から見つかった。
「命令6 掲示板の前に村人の生首を置け。
命令に従わなかった者には四肢切断の罰を与える。」
警察の手配のもと、すでに亡くなった村人たちの首を箱に入れ、その箱を掲示板の前に置くことで精神的なストレスを回避する措置が取られる。
〈警察の配慮 [王様ゲーム 起源 3巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
集会所には政府から派遣された生物学者の宮澤をはじめ、専門家たちも集まっていた。
宮澤は全員の血液採取を指示し、警察も全面的に支援する。
不安が広まる中、一成と奈津子は互いに添い遂げる決意を固めていた。
錯乱した百合
翌朝、準備された生首入りの箱を掲示板の前に置いていく村人たち。
心の準備が整わない一成は時間を置くためにいったん自宅で心を落ち着かせる。
しかしそこに黒い手紙が届いているのを見つけてしまった。
〈一成だけに届いた手紙 [王様ゲーム 起源 3巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
「命令7 本多一成は矢倉山の鍾乳洞に一人で来い。
命令に従わなかった場合は住民全員を殺す。
このことを警察に話しても住民全員を殺す。」
違和感を覚えながらも命令に従う一成。
鍾乳洞の中で百合と出会い、一緒に王様と対峙する覚悟を固めた。
億へ進むと、ちょっとした崖の下に勇二が倒れているのを発見する。
慌てて勇二を助ける手段を考える一成だが、後ろから百合に突き落とされてしまった。
〈百合に突き落とされる [王様ゲーム 起源 3巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
百合は錯乱し、「最初の肝試しの時に大輝に声をかけてくれなかったから大輝が死んだ」と一成と勇二を逆恨みしていたのである。
一成と勇二に宛てた黒い手紙も百合が作ったフェイクだった。
一成も勇二もまだ掲示板の前に生首を置く命令は実行しておらず、なんとかして脱出しなければならない状況。
しかし崖を登る手段はなく、百合は2人を見捨てて去っていった。
脱出口を必死に探す2人だが、時間ばかりが経過していく。
一成は怪我をしている勇二に代わって足元を流れる川の真っ暗で冷たい水の中に潜り、川伝いになんとか脱出を果たした。
〈脱出した2人 [王様ゲーム 起源 3巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
そのままツタで勇二を鍾乳洞の中から引き揚げ、下山を急ぐ。
2人とも時間ギリギリで王様の命令を実行した一方で、愛する息子の生首を掲示板の前に置かずに抱いていた百合は四肢をもがれて死ぬのだった。
〈百合の死 [王様ゲーム 起源 3巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
消えた奈津子
王様の持つ超常的な力に恐れをなして派遣されていた研究者たちも何人かは逃げ出している。
ますますいつ死んでもおかしくない状況なのに、奈津子の姿がどこにもないことに気づいた一成。
王様からの次の手紙も見つかってい折らず何か状況が異なることに気づいた一成は、奈津子の自宅を訪れる。
〈奈津を探して自宅へ [王様ゲーム 起源 3巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
奈津子が閉じこもっていた薬庫の奥では禍々しい何かが床にブチまけられているのを見つけ、身の危険を感じてすぐさまその場を後にした。
その帰りの山道、一成は修平・ミチ子・浩司・篤志の4人が行動を共にしているのを見つけるのだった。
〈4人の不穏な動き [王様ゲーム 起源 3巻](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
【3巻のまとめ】
12人にまで減ってしまった村人。
次の命令は「掲示板の前に村人の生首を置け」。
警察の配慮で犠牲になった村人たちの生首を使うことになるが、一成と勇二は息子の死で錯乱した百合によって罠にハメられ、山奥の鍾乳洞に閉じ込められてしまう。
力を合わせて脱出した一成と勇二だが、百合は命令を実行せずに愛する息子の待つ天国へと旅立った。
命令終了後、奈津子の姿が見えないことに気づいた一成。
村中を探しても見つからず、ミチ子ら4人が不穏な動きをしているところに遭遇するのだった。
次巻へ続きます。
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