新型コロナウイルスが蔓延する日本で、突如としてほとんどの人類が消えていなくなってしまった。
世界に取り残されたのは主人公・浜田 誠とがり勉の安井 輝夫、柔道バカの田畑 靖、ギャルの松岡 綾香のそれほど仲良しでもない高校生4人だけ。
学校でのサバイバル生活が始まり、最初こそ非日常を楽しんでいたものの、靖は元の世界に戻ると信じてひとりで柔道の練習に精を出し、周りを見下しがちな輝夫は綾香と徐々に衝突していく。
ほどなくして地域への電力供給そのものがストップし大停電に陥り、電気を失った誠たちはこれからこの世界の現実を直視しなければならなくなった。
綾香と輝夫の衝突が決定的となり、内心では綾香を自分のものにしたいと思っていたものの、輝夫はハッキリと拒絶されてしまう。
他方、元の世界に戻ることを信じてやまなかった靖だが、自分にとって全てだった柔道の大会の当日を迎えても世界は元に戻らなかった。
靖はそのショックから精神的におかしくなり、他の皆がいるであろう世界へ行くために集団自決することを決め、ナイフで綾香を刺してしまうのだった。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。
一時は正気を取り戻した靖だったが…
笑みを浮かべながらナイフを向けてくる靖。
誠はこの世界で生きていくしかないと説得しようとするが、靖に投げ飛ばされてしまう。
靖が誠に馬乗りになりナイフを突き立てようとしたとき、綾香は涙を浮かべながら靖に言葉をかける。
その言葉が響き、集団自決を思いとどまってナイフを落とす靖。
しかしそこに輝夫が消火器を噴射しながら突入し、消火器で輝夫の頭を何度も殴打。
靖がせっかく正気に戻ったのに、輝夫が殺してしまうのだった。
手探りで綾香の傷を処置
動揺する輝夫と共に、誠は腹を刺された綾香を保健室に運ぶ。
だがネットの知識がなければ何もできない輝夫はアテにできず、誠は医療知識もないまま昔見た映画のマネで出血部位を止血。
怖いが、自分がやらなければ綾香が死んでしまう。
誠は自分の腕に裁縫セットで皮膚を縫う練習をしたうえで、綾香の腹の傷を縫っていく。
その様子を見ることしかできなかった輝夫は、自分がどこで道を間違えたのかと後悔するのであった。
現実逃避する輝夫
裕福な家庭に生まれた輝夫は、幼い頃には映画監督になる夢を持っていた。
だが出来のいい兄とは違って医師である父の助けになることもできず、映画研究会でも空回りし、家でも学校でも孤立。
コロナ禍で自分を可愛がってくれる祖母にも会うことができなくなった。
過去を思い返す輝夫は、コロナが無ければ自分だってもっとできたはずと現実から目を背けるのであった。
誠の嘘
唯一、必死に冷静さを保っている誠は綾香への処置を終えた後、輝夫を連れて靖のもとへ。
ひょっとして全部夢だったのでは、と淡い期待を持っていたが、そこにあるのは靖の遺体。
翌朝、無事に目を覚ました綾香に対して誠は「靖はあの後意識を取り戻し、屋上から自ら飛び降りて死んだ」と説明する。
苦しすぎる嘘。
だが、3人でこの世界を生き抜いていくためには、輝夫を守ってやることしか思い浮かばないのであった。
精神的な限界が近づく
自分の態度を反省し、輝夫は自ら街へ必需品の調達へ足を運ぶ。
スーパーの地下にはネズミやゴキブリが繁殖し、輝夫は辛い現実を受け入れ始めた。
誠と輝夫は二人で靖の遺体を学校の裏に埋める。
殺したことへの弔いとして輝夫に土をかけるように促す誠。
だがどうしても靖を殺してしまったのは正当防衛だと思いたい輝夫は、罪悪感から逃げ出してしまう。
結局埋葬も誠が1人でやることになり、精神的に限界が近づく一方、輝夫も孤独へと強い恐怖に襲われるのであった。
【3巻のまとめ】
誠の説得で靖は一時は正気を取り戻すも、早まった輝夫が靖を撲殺してしまう。
自分が殺してしまった罪悪感に向き合うことができず、現実逃避し続ける輝夫。
唯一正気を保っていた誠は手探りながら綾香の傷に応急手当を施し、何とか3人で生きていくことを考えるが、精神的な限界は近いのであった。
次巻へ続きます。
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