売れない漫画家・藤沼悟は、「再上映(リバイバル)」と呼んでいる特殊能力を持っていた。
リバイバルは自分の意思とは関係なく発動し、直後に起きる「悪いこと(事件・事故など)」の原因が取り除かれるまで、その直前の場面に何度もタイムリープしてしまうというものだった。
能力が発動しても周囲で起きるトラブルが回避されるだけで、大半は悟にとってプラスにならない結果となるため、能力に不満を持ちながら、ピザ屋のアルバイトをこなす日々を過ごしていた。
ある日、ピザの配達中に起きたリバイバルの結果、児童が交通事故に遭うことを未然に防いだ悟は、代わりに自身が車にはねられ二日間入院することになる。
これを機会に、見舞いに来たピザ屋の同僚・愛梨と親しくなり、また事故の知らせを受け上京した母親・佐知子がアパートで共に暮らし始めることになる。
後日、佐知子との買い物中にリバイバルが発生、このとき子連れの男と目を合わせたことで佐知子は誘拐が未然に防がれたことを確信する。
佐知子はその翌日、1988年に北海道で起きた連続誘拐殺人事件の真犯人と同一人物であることにも気付くが、悟に伝える前に何者かに殺害される。
悟はアパートで遺体を発見後、リバイバルで佐知子の殺害を阻止しようと強く念じたところ、それまで経験したことがない長期間のタイムリープにより1988年に戻ることになる。
果たして悟は過去を変えることができるのかー。
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登場人物紹介
藤沼 悟(ふじぬま さとる)
主人公。北海道出身。1977年3月2日生まれ。
2006年5月時点では29歳の漫画家。人間関係は希薄。
「再上映(リバイバル)」というタイムリープ能力の持ち主で、過去を変えることができるが、自分の意志とは無関係に発動するためにその能力を疎ましく思っていた。しかし母親の死をきっかけに、2006年と1988年を往復する「再上映」が発動。そのチャンスを活かし、過去と現在の悲劇を回避するために奔走する。
雛月 加代(ひなづき かよ)
小学校時代の悟のクラスメイト。母子家庭で、母親とその愛人から虐待を受けている。その家庭環境ゆえに卑屈な性分となってしまっており滅多に言葉を発さず、クラスでは貧乏ゆえに偏見を持たれている。
オリジナルのタイムラインでは連続誘拐殺人事件の被害者となり、1988年3月1日に死亡。
片桐 愛梨(かたぎり あいり) / アイリ
悟のバイトの後輩である女子高生。2006年5月時点で17歳。快活で人見知りしないオープンな性格。良くも悪くも素直に物を言うため、当初は悟に「距離感が掴めない」と困惑されていたが、何事にも踏み込んでいく姿勢が悟の心境に変化を与えていく。自分の「正義」に忠実で一本気だが、許せない相手には即殴りかかるような一面もあり、美穂からは「我慢が足りない」とも言われる。
元々悟とはさほど親しくはなかったが、子供を助けて負傷した悟の見舞いに行ったり、廃ビルで転落しかけたところを悟に助けられたことなどから、悟のことを「尊敬できるお友達」と認識するようになった。
幼少期に父親が万引きした疑いをかけられ、母親が信じきれずに離婚した経験から、人を信じることを信条としている。真犯人の奸計により母親殺害の容疑者となった悟を信じ、逃亡を陰で支えた。
藤沼 佐知子(ふじぬま さちこ)
悟の母。2006年5月時点で52歳。夫とは悟が赤子のころに別れ、女手一つで悟を育てた。元テレビ石狩の報道部アナウンサーで高い洞察力と推理力があり、心を読んでいるかのような発言をするため、悟は頭があがらない。
オリジナルのタイムラインにおいて、1988年に起きた連続誘拐殺人事件では、報道が子供たちの目に触れてトラウマとならないように奔走した。2006年、北海道の実家で暮らしていたが、事故に遭った息子の様子見と称して悟のアパートに滞在する。滞在中に、解決したとされていた事件の真犯人の正体に気付き、真相を解き明かすために行動を始めた矢先、先手を打った真犯人に殺害される。
白鳥 潤(しらとり じゅん) / ユウキさん
1988年時点で悟の友人であった近所に住む青年。当時23歳。朝4時から父親が営む弁当屋「白鳥食品」を手伝い、仕事明けの昼過ぎには街をブラブラしていたため、再上映前の悟からは無職だと思われていた。悟にとっては、自分を変えるきっかけを与えてくれた存在であり、尊敬する相手である。1988年の事件の犯人として捕らえられ、死刑を宣告される。
小林 賢也(こばやし けんや) / ケンヤ
悟のクラスメイトでアジト仲間。サッカー少年で、泉水小学校の友達とも親しい。父親が弁護士ということもあり、頭脳明晰で観察眼が鋭く、テレビ石狩による事件の報道規制や、大人の意識をもっている悟の変化を見抜いた。一方、アプローチは下手と自認している。『Re』にて5歳年下の美幸(みゆき)という妹がいることが判明した。
かつては優等生ゆえに「自分だけが特別だ」という驕りから他人を上から目線で見る癖があったが、カズに強引にアジト仲間に加えられて以降は考えを改めるようになる。加代の虐待には以前から気付いていたが、自分の出る幕ではないと特に行動を起こすことはなかった。しかし(2006年からタイムリープしてきた)悟の加代を救おうと奮闘する姿にある種の憧れを抱き、それまでの自分を恥じると同時に悟の親友として彼に協力を惜しまなくなる。
悟が昏睡状態に陥った後は犯人を追ってすぐさま行動を開始しようとしたが、父の助言を受けてそのために弁護士になるべく学業に専念することを決意。両親の支援もあって慶應義塾大学に進学(真犯人と目する八代を追うことと、学業の合間に悟のいる病院に尋ねることも兼ねていた)したが、2001年に北海道C市女児殺害事件(八代が加代を狙う以前に起こした事件)が時効を迎え、西園(八代)の屋敷の前で悔し涙を流していたところを澤田と出会う。以後は真犯人を追い詰めるために澤田と行動を共にし、2003年に弁護士になった。悟覚醒後は再び彼に全面的に協力し、共に真犯人である八代を追い詰めることに成功する。
小説版では主人公を務める。『Re』では悟に協力し始める前後と、悟が植物状態に陥った後の賢也の軌跡が描かれる。そのため、彼のエピソードのみ2話分描かれている。
八代 学(やしろ がく)
小学校時代の悟のクラスの担任教師。1988年時点では29歳前後。明るく親身なために人気がある。禁煙の代償行動で、一人でいるときは飴を手放さない。加代の保護にも積極的に動き、再上映後の悟に父親に似た感情を抱かれていた。
しかし、実は作中で起きる連続児童誘拐殺人事件の真犯人であり、悟や「ユウキさん」を陥れるなど、周到で狡猾な人物。誘拐対象の警戒心を容易く解きほぐすほど人心掌握術に長けており、悟や加代の味方を演じ続けることで信頼を得て、悟に自ら殺害の意思を暴露するまで隠し通した。
「他者の死とその死に抗う姿」に生の喜びを見出し、それを得るために数々の事件を起こした。
西園 学(にしぞの まなぶ)
市議会議員。実は八代と同一人物である。悟が雛月らを救ったタイムラインにおいても、ベテラン議員の娘と婿養子の形で結婚して西園姓になった。同時に名前の読みも「がく」から「まなぶ」に改め、後に死去した妻の父親を引き継いで市議となった。
杉田 広美(すぎた ひろみ) / ヒロミ
1988年のクラスメイトで、女の子のような名前と外見を持つ少年。アジト仲間。
オリジナルのタイムラインでは1988年に事件の3人目の被害者になって死亡した。連続誘拐殺人事件唯一の男児被害者だが、それは広美が男児だと知っている犯人が「広美は女児だと思われて殺された」と見せかけることで自分を容疑者リストから外すための殺害であった。
カズ
1988年のクラスメイト。アジト仲間であり、「アジト」を作った張本人。仲間思いの性格で行動力に溢れており、友達のいなかった賢也をアジトに誘ったり、悟が植物人間になった後は落ち込んでいる仲間たちを元気付けるためにお好み焼きパーティーを開いた。
修(おさむ) / オサム
1988年のクラスメイト。アジト仲間。一時期、悟たちの行動に加えてもらえないことから疎外感を抱いていたが、後に理由を聞いて納得した。
柳原 美里(やなぎはら みさと)
1988年のクラスメイト。気が強く悟や加代をからかう。加代とは過去の事情から互いに嫌い合っており、彼女に給食費盗難の疑惑を掛けようとしたが悟と賢也によって失敗。それ以降はクラスでは浮いた存在になっていた。誘拐殺人事件の本来の被害者3人が全員助かったため、代わりのターゲットにされるのではないかと悟に疑われていたが、逆に彼女の存在を罠として悟が真犯人に嵌められることとなる。
中西 彩(なかにし あや)
悟らが通う小学校の隣にある泉水小学校の生徒。オリジナルのタイムラインでは1988年に起きた連続誘拐殺人事件の第二の犠牲者。明るく人懐っこい性格で友人も多いが、塾にも通っているせいで友達と遊べず一人でいることが多い。そのために事件の標的にされてしまう。
高橋(たかはし)
悟と愛梨が勤めているピザ屋の店長。悟からの印象は「ちょっとウザい兄貴肌」。悟の働きぶりを買っており、漫画が上手く行かないようなら、と社員登用を勧めている。
澤田 真(さわだ まこと)
佐知子の元同僚でテレビ石狩に務めていた記者。2006年時点では退職してフリージャーナリストとなって連続誘拐殺人事件の真犯人を追っており、佐知子とは退職後も意見を交換し合うほか、弁護士である賢也の父とも交流がある。
オリジナルのタイムラインでは、2006年に真犯人に気づいた佐知子に相談を持ち掛けられるがその直後に佐知子は殺害され、母の残した手掛かりを元に尋ねてきた悟に情報を提供する。
雛月 明美(ひなづき あけみ)
加代の母親。旧姓は高島。昭和32年3月12日生まれ。夫・加寿男の暴力にたえかね離婚し現在は愛人と暮らしている。元々は優しい母親だったが、次第に心が荒さみ加代を虐待するようになった。最後は児童相談所に虐待が暴かれ、それでも自身の非を認めなかったが、八代によって呼び出された母が自分を庇って謝る姿を見て泣き崩れた。その後、母に預ける形で加代と引き離される。
八代の兄
故人。八代が初めて「蜘蛛の糸」を見た人間であり、初めて殺害した人間でもある。
暴力的な性格で、幼いころから度々事件を起こしていた。しかし両親が裕福な家庭の育ちであるためにそれに対処する術を持たなかったことが、その身勝手さを助長させていた。また、対する弟の学が優秀だったことから両親の関心を失っていき、その心はさらに荒んでいった。やがて、好みの女児を学に連れ込ませて性的暴行を働くという悪事を繰り返すようになり、中学時代のある時、連れ込んだ女児を誤って殺害してしまう。その場は遺体を隠すことで逃れるが、密かに学に罪を着せようと画策していた。しかしそれを見抜いた学に後日「罪の意識にたえかねての自殺」に見せかけて殺害される。八代の人格形成に大きな影響を与えており、ある意味では全ての元凶と言える存在である。
北村(きたむら)
千葉にある総合病院に所属する悟の主治医。北海道から千葉に悟が転院した後、前任者から引き継いで長い間、悟の治療を続けてきている。悟が目を覚ました後は悟が感じた医学的な疑問に真摯さを以って答えた。
北丸 久美(きたまる くみ)
白血病で入院している少女で、リハビリ中の悟に出会い親しくなった。骨髄移植の手術に恐れており悟に相談にのってもらっている。それゆえに悟に執着していた八代に目をつけられ、事件に巻き込まれることとなる。