S級に昇格してから壁にぶち当たり、思うように成績が伸びない麟太郎。
たまたま観戦に来ていた鍼・灸・指圧の国家資格を持つコンディショニングトレーナー・伊藤一路と出会い、フォーム改善と強化に向けて心強い見方を得た。
同期のライバルたちが集うルーキーチャンピオンレースや競輪とは違う「競技」が数多く開催される「全プロ」のチームスプリントでは惜しくも優勝を逃したものの、会心の走りで最高グレードGⅠ開催の「寛仁親王牌」への出場権を獲得。
そしてトップ選手たちが集う寛仁親王牌ではレースを通じて成長を遂げながらも力及ばず好成績が残せなかったものの、推薦枠でオールスターに出場が決まる。
オールスターでは麟太郎も気合十分で二次予選に臨むが、厳しいマークにあい思うような展開に持ち込めず、さらに不運なことに大落車に巻き込まれて無念のリタイアとなってしまった。
落車によって大事な利き手の指を骨折してしまい、完全復帰を目指してトレーニングに励んだ麟太郎は、ぶっつけ本番ながらもヤングGPでの激闘を制し、復活を遂げる優勝を果たした。
このまま翌年のGPで秋谷と対決に向けて気合が入る麟太郎だったが、ミホが不妊に悩んだ末に麟太郎のもとを去ったことがきっかけでしばらく調子を落としてしまう。
メンタルの不調から自力で立ち直った麟太郎は、杏里たちの支えで元気を取り戻したミホと入籍し、ここから本来の勢いを取り戻して快進撃が始まった。
一路の指導のもと着実に結果を残した麟太郎は、いよいよGⅢレースに出場し、圧倒的な走りを見せる。
だが決勝では 最後の二踏みまで完全にできたはずが不本意な4着に終わり、相当悔しさを抱える麟太郎。
トップの舞台では最後の踏み込みでさらにギアを上げるべく、一路の指導を仰ぎながら次の大舞台であるGⅡレース「サマーナイトフェスティバル」を迎える。
シーサーや富士見らと共に初日の特別選抜予選に出場した麟太郎、 最後の最後の半踏みでギアを上げられるかどうかが最大の勝負どころとなるのであった。
21巻のあらすじを振り返ってみましょう。
伝説の徹底先行を思わせる走り
麟太郎にとっては最後の最後まで踏み込むことができるかという自分との勝負が最大の山。
「Odds VS!」21巻©双葉社/石渡治
後ろからシーサーたちが追い込みをかけるなか、ついに最後のギアアップに成功した麟太郎が後続を引き離してトップでゴールした。
その走りはまるで伝説の徹底先行と言われた鷹取のよう。
さらなる進化の可能性を残し、麟太郎の走りは関係者たちに衝撃をもたらすのだった。
「Odds VS!」21巻©双葉社/石渡治
雨のレースの罠
サマーナイトフェスティバルの2日目、ガールズケイリンでは麟太郎の後輩にあたる羽衣サラが惜しくも2着での決勝進出となる。
雨が降りだすなか、順調にレースが進み、準決勝で麟太郎は五漢とラインを組み、雨にめっぽう強い村雨兄と戦うことに。
走りが重くなるコンディションにも関わらず、自分の足がどこまで通用するかの実験を兼ねて麟太郎は赤板から発進。
緩やかかつスムーズにギアを上げてスピードをコントロールすることで後続を削る巧さも見せつつ、村雨兄との勝負へ。
「Odds VS!」21巻©双葉社/石渡治
村雨兄は五漢の牽制をものともせずに加速し、麟太郎もギアをさらに上げる。
しかしゴール目前で麟太郎の前輪が滑り、ウィリーしたことで失速。
村雨兄に1着をさらわれ、雨のときの課題を知る結果となるのだった。
「Odds VS!」21巻©双葉社/石渡治
ガールズ決勝、夜の女帝となったのは…
年のせいか衰えが見える五漢は決勝進出を逃し、最終日のレースでも3着に終わった。
先輩の五漢のためにも、優勝に向けて気合いが入る麟太郎とサラ。
まずガールズの決勝ではサラ、京都の一色彩、九州の沓掛淳子の3強による戦いに。
4コーナーで一色が仕掛けた際、外側に斜行させられた沓掛が遅れを取り、サラとの一騎討ちに。
そしてサラは最後の二踏みが甘くなり、僅差で一色が優勝となった。
「Odds VS!」21巻©双葉社/石渡治
サマーナイトフェスティバル決勝
決勝で麟太郎は単騎での苦戦が予想されていたが、村雨兄とラインを組むサプライズを見せる。
2人は急造ラインといえど、特別指導訓練でずっと一緒に練習した間柄。
「Odds VS!」21巻©双葉社/石渡治
さらにこのタイミングで雨が降りだした。
このコンディションのなか、いつもどおりSを取った麟太郎はどんな走りを見せるのか…。
【21巻のまとめ】
最後のギアアップに成功した麟太郎の走りは、まるで伝説の徹底先行と言われた鷹取誠吾を彷彿とさせるものだった。
圧倒的な走りで勝ち進む麟太郎は、準決勝では雨で最後の追い込みの際に前輪が浮いてしまう課題に直面し、雨男の村雨兄に1着を譲る結果に。
そして雨のなか迎えた決勝、その村雨兄とラインを組んだ麟太郎はどんな走りを見せるのか―。
次巻へ続きます。
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