食物連鎖の一環で人間も天人に食べられるのが使命であり、天人の完璧な統治のおかげで人類は真の平和を手に入れた。
天人による洗脳によって人類の誰しもがそれを当たり前の常識として考える世界で、高校生の天沢は世界の異常さに気づいた。
そしてクラスメイトで孤立している帆秋と万智音もそれに気づき、天沢に接触。
幼馴染の柚も天人への生贄として名誉の死を与えられることが決まってしまい、天沢は柚を助けて洗脳を解くことを決意する。
帆秋と万智音もこの天人に支配された世界を壊そうとしており、天人が視察に訪れるなか、天沢は柚を無事に救出。
だが万智音や帆秋らと共に騒動に発展した。
宮廷庁の元管理者として戦闘用に肉体改造されていたが、元教官の辻が大きな敵として立ちはだかる。
辻は戦闘で万智音らを圧倒するものの、結果的に天人が3人も命を落とす大事件に発展してしまった。
だが辻は帆秋が増殖種として貴重な存在であることを突き止めたことで、天人たちを死なせた責任を回避しつつ、増殖種を探し出すためのキーマンとして動き出すこととなる。
一方、天人たちの死を受けて世間や地域社会から厳しい糾弾を受ける高校には「24時間の間、禊として生徒の人権を停止する」ことが決定。
禊の日がスタートし、宮廷庁生産管理課の桜と桐山も高校へ乗り込んでいく。
天沢と柚が桜によって殺害され、また帆秋も桐山によって身体を真っ二つにされてしまい、万智音も制圧された。
しかし万事休すかと思われた矢先、ナツネと山引(いずれも前作の登場人物)と融合し増殖種となっていた帆秋の力によって天沢や柚らが蘇生。
そして辻も乱入して形勢逆転し、辻は天沢たちを全員自宅へと匿うことに。
何がどうなっているのかわからない天沢たちをよそに、辻は「紹介したい人がいる」と告げる。
すると廊下の奥から得体のしれない化け物が近づいてくるのであった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。
化け物の正体は辻の息子
辻の家で意識を取り戻した天沢と柚。
2人は辻の顔を見るや逃げ出そうとするが、2人を含め捕獲した一行の頸椎には極細の針のようなものが刺さっており、思考や行動力を制限されていた。
辻は天沢らをもてなしつつ、奥の間にいる人を紹介する。
それは四足歩行の化け物になり果てた辻の一人息子・博史だった。
博文を化け物にしたのは万智音の父である榊 千翔世だと言い、辻は「この子の願を叶えてやってくれ」と万智音に頼み込むのであった。
反社会的思想に傾倒していた息子
かつて妻と息子と幸せな家庭を築いていた辻だが、妻を交通事故で失くしてから男で一つで息子を育ててきた。
自身は警察のトップである総監として輝かしいキャリアを手に入れ、息子にも本庁キャリア組に登用されることを期待していたが、博史はいつの間にか天人に仕える社会に疑問を持っており、反社会的思想に傾倒していた。
そして辻は博史が天人の食料となるべき子供の姉弟を自宅に匿っているのを発見してしまう。
辻はすぐに通報しようとしたものの、突き出せば息子の身が危なくなることも踏まえてこの場で姉弟を殺そうとし、それを止めようとした博史と口論に。
するとそこに情報をキャッチした千翔世が部下を引き連れ、さらにTVクルーも呼んでスキャンダルとして煽りながら家宅捜索に来た。
警察と敵対してでも2人を守ろうとする博史を見て辻も決意を固め、秘密の脱出口から一般区に入って身を隠すように博史に指示する。
そして刀を手に辻が時間稼ぎを図るのであった。
辻と息子に課された制裁
脱出ルートを確保するために先を急ぐ博史だったが、姉弟は警察の猟犬に喰い殺され、さらに博史も捕らえられてしまった。
数的不利なこともあり観念した辻も捕まり、医療刑務所で再教育プログラムを受けさせられることとなる。
拘束したうえに舌をかまないように開口器を付けられ、VRを通じて延々と自分の愛する家族が天人に喰われて死ぬ惨い映像を見せられる拷問。
緊張やストレス反応を示せば電気ショックが与えられ、家族の死に対してもストレスを感じなくなったら治療完了というものだった。
通常なら4~5日で終わるところ、耐え続けた辻がプログラムを終えるまで2年もの月日を擁することとなる。
辻は今までの功績、博史は更生の可能性を認められて死を免れたが、辻は6階級降格、博史は増殖種復活プロジェクトの実験に参加させられ、辻が帰宅した頃には既に化け物のような姿になっていた。
息子との哀しい再会に涙を流しながら、辻はこの世界を牛耳っている奴らを皆殺しにすることを胸に誓うのであった。
辻の本当の狙い
辻の本当の目的は息子の願いを叶えること、すなわち現体制を根本から破壊することであり、そのための爆弾も用意してあるという。
天沢たちはその作戦の協力者として期待しているようであり、辻はさっそく天沢にある所への潜入を依頼する。
向かった先は宮廷。
そこでは天人への供物となることを希望した者たちが集められ、品質の検査が行われているのであった。
宮廷への潜入
天沢は検査を受けた後、辻に渡された偽の検査結果の札を使い、一番奥のドアへと通される。
周りの者は他のドアへと通される中、たった1人で見るからに寂れたドアを開けると、そこはド底辺のクズ肉を処理するための屠殺場だった。
待っているのは高速カッターでバラバラになり、天人のベビーフードになる未来だけ。
あえなくバラバラにされた天沢だったが、帆秋から細胞を分けてもらっていたために既に増殖種になっていた。
復活した天沢は朦朧とする意識のなかで処理された肉や作業員を取り込み、復活して意識を取り戻す。
そして辻に頼まれたとおり、宮廷への潜入に成功したのであった。
秘密の施設で衝撃の光景を目の当たりに…
辻は天沢の右の眼球にカメラを仕込み、左の眼球がシャッターとなるように身体改造を施していた。
作業員の服を奪って潜入した天沢は、他の作業員に見つかるが、共に荷物の運搬を手伝いながら宮廷内を動き回る。
そして立入禁止の扉の奥からは女性の悲鳴とスタッフの怒号が。
恐る恐るドアを少し開くと、そこは分娩室のようになっており、複数の女性が横並びで出産の時を迎えていた。
そして女性から天人の赤ちゃんが産まれてくる衝撃の光景を目の当たりにするのであった。
【5巻のまとめ】
辻の息子は反社会的思想に傾倒しており、息子を庇おうとした辻もろとも厳しい制裁が加えられた過去があった。
息子は化け物のような姿に変えられ、厳しい拷問と洗脳を生き抜いた辻は息子の恨みを晴らすためにこの世界を根底から壊すことを願っていた。
同志だった辻が作戦を指揮し、天沢が天人の宮殿に潜入。
そして天沢は地下の奥にあった施設で女性が天人の赤子を出産している衝撃の光景を目の当たりにするのであった。
次巻へ続きます。
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