デブでオタクのカズキ、イケメンで情報収集担当のサイケ、運転・機動担当のタケオの3人は被害届の出せない悪党だけを狙う窃盗団、通称「バックスカーズ」。
サイケの同窓で振り込め詐欺グループに属していた洋介との内通を皮切りに次々と熟練したテクニックと連携で金を盗み出していく。
親から虐待され、少年院でも酷いイジメを受けながらも強く生きてきたカズキの夢は、犯罪集団の金を横取りしていつか日本を買収し、恵まれない子供たちの将来を守ることにあった。
ヤクザの宮島はカズキが「バックスカーズ」の一員で裏稼業界の頂点に立つ六龍天の関わる詐欺店舗をも襲うと知り、カズキのことを気に入るように。
一攫千金を狙うカズキ達は詐欺グループを追って六龍天の1人である安達に行き着くが、作戦の代償は重く、捕まったサイケとタケオは重傷を負い、洋介は粛清を受けるハメに。
六龍天の怖さを思い知ったカズキだが、高田と組んで安達潰しに向けて動き出す。
カズキは安達系列の店の番頭である加藤が営む詐欺店舗に潜入し、結果として高田が内偵として送り込んでいた鰯田をはじめヤン達チャイニーズマフィア、そして宮島も巻き込み、加藤を味方に引き入れ全員で安達を潰しにかかる協力関係が生まれた。
そしていよいよ、加藤がリークする情報をもとに安達潰しが始まる。
時を同じくして、カズキ達が振り込め詐欺の店舗を襲った際の見張り役、張本が復讐のためにカズキ達を狙っていた。
日系2世の不良グループに絡まれながらも張本はダミーの情報を流し、カズキ達を誘き寄せることに成功。
まんまと罠にハメられたカズキ達は逃走するが、相手の不良グループは走り屋集団。
激しいカーチェイスが始まるのだった。
9巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
何とか追跡を撒くが…
走り屋集団を相手に見事な運転で対抗するタケオ。
そしてカズキも牽引したベンツをクレーンで操って追っ手の車にぶつけ、距離を稼ぐ。
〈カズキのファインプレー [ギャングース 9巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
3人は建設現場に忍び込んで車を隠し、走り屋集団の追跡を見事に撒いた。
逃げ切られたことでプライドが傷つけられた走り屋集団は張本に八つ当たりを始める。
外国人の風貌というだけで差別を受けてきた彼らの境遇を知り、痛めつけられながらも同情した張本。
〈覚悟を決めた張本 [ギャングース 9巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
彼らの仲間になると決めた張本は自らを「ホセ張本」と宣言し、カズキたちを追うために再びサクラに連絡を取るのだった。
走り屋集団とも和解
張本たちはサクラの部屋で待ち伏せし、カズキたちと対峙する。
持っていた札束を巡り争いが起き、「自分達と同じような境遇の人が安心して暮らせる居場所を作りたい」という互いの想いがぶつかり合う。
漢気を見せた張本がその場を収め、カズキは持っていた金を自ら譲ることを宣言。
〈自ら金を譲るカズキ [ギャングース 9巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
そんなカズキと張本に触発され、走り屋集団も振り上げた拳を降ろし、全員が仲間となるのだった。
安達を孤立させる作戦
その後、カズキが墓に隠した1億は寺の住職に見つかってしまい手元に帰ってくることは無かったが、マルコス山田率いる走り屋集団を味方につけたカズキたち。
番頭の加藤が安達系列の詐欺店舗の情報を集め、いよいよ安達潰しが本格化する。
〈作戦会議 [ギャングース 9巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
狙うは売上金を安達に渡すためのメッセンジャー達を統率する人物「X」の特定。
裏稼業はカズキたちが襲い、表の家業は宮島が嫌がらせでまず安達を孤立させ、最後は詐欺の主導役として警察に逮捕させる作戦である。
〈「X」を特定せよ [ギャングース 9巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
他方、安達は金と暇を持て余しカズキに狙われたときのようなスリルを求めているのだった。
アゲハが安達のスパイだった?
「X」を特定するため、カズキたちは加藤から情報を得た私設私書箱を下見に行くが、常時人がいるうえに安達の息がかかっている可能性が高く、早くも壁にぶち当たる。
カズキは秋葉原の裏道具屋で携帯を使ったセンサーを用意し、集金に来るメッセンジャーの女を特定、尾行を開始する。
尾行対策に余念のない女を必死に追跡し、デパートの女子トイレに入っていくところまで確認したカズキたち。
〈必死の尾行 [ギャングース 9巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
しかし女が出てきたときには金の入った封筒はバッグから消えていた。
その後少しして出てきたアゲハ(加藤の詐欺店舗の副店長)が女子トイレから出てくる。
カズキはすぐにアゲハがメッセンジャーから金を受け取ったことに気づくのだった。
〈アゲハの正体に気づく [ギャングース 9巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
【9巻のまとめ】
走り屋集団と対峙したカズキ達は「自分たちと同じ境遇の人が安心して暮らせる世界を作りたい」という共通の夢のもとに和解。
ともに安達潰しに協力することとなる。
安達を孤立させるために系列店の襲撃計画を進める一方で、安達に収益金を手渡す近しい人物「X」の特定を急ぐカズキ達。
一筋縄ではいかない備考の末、カズキは加藤の詐欺店舗で副店長をしていたアゲハが「X」であることに気づくのだった。
次巻へ続きます。
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