ジジイの立てる計画のもと、殺し屋のイチがヤクザ組長の安生を殺害。
若頭の垣原は事件と確信し、犯人探しを徹底的に行うことを決意した。
しかしそれもジジイの計画通り。
ジジイは情報を操作し、安生の殺害の容疑を船鬼一家に被せた。
船鬼一家は真犯人ではないことはすぐにバレたが、垣原たちと船鬼一家の間に遺恨を残すことに成功したジジイ。
しかしジジイの捜索に本腰をあげた垣原は、ヘロインの密売ルートから井上を見つけ出して殺害する。
自分がイチのターゲットと知った垣原は期待とスリルに胸を膨らませる一方、ジジイたちは垣原を恨む鈴木から垣原殺しの依頼を引き出し、3億もの大金を取り付けた。
垣原は鈴木らの暗躍もあり三光連合から絶縁となるが、自ら組を立ち上げ、暴力を前面に押し出して新宿中を闊歩する。
その頃イチはジジイの指示のもとヤクザマンション内に潜伏し、垣原たちの殺害に備えていく。
イチは精神面に不安定さを抱えながらも、ジジイの指示通りに垣原組の構成員を見せしめに惨殺。
しかしイチは深刻なスランプに陥り、偶然居合わせた金子に導かれて一人の男としての生き方を知っていく。
その頃イチの見せしめの効果は抜群で垣原組は構成員が次々と逃げ出し、残りは4人となった。
そこで垣原は昔一緒に暴れまわっていた二郎・三郎兄弟を援軍に呼び寄せた。
二人とも残虐極まりない性格の持ち主で、垣原にとっては大きな戦力である。
垣原が龍をおびき出して殺害し、同じく捕まった昇も凄絶な拷問を受けていく。
一方、ジジイは自らも手を下しながらイチをスランプから脱却させ、次の殺しを指示する。
指示された通りにイチは二郎と昇を殺害。
三郎はお返しにとヒットマンの雇い主である鈴木を殺害するが、ジジイの計画は止まらない。
残るターゲットは垣原、三郎、金子の3人。
金子はイチが犯人とは知らずに息子の面倒を頼み、イチも金子がターゲットであることに躊躇したが、ジジイの指示は変わらない。
最終決戦を前に過去のトラウマを刺激され、殺害決行へのボルテージが高まっていくイチ。
ついに残るターゲットと接敵し、三郎を殺害。
垣原にも襲いかかるが、逆にスイッチの入った垣原を前にイチは我に返ってしまう。
そこでジジイは金子をけしかけた。
お互いに友人だと思っていたが、金子に撃たれたことでイチにスイッチが入り、金子を殺害。
残るは垣原だけになった。
10巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
垣原の最後
イチが金子を殺し、残るは垣原のみ。
イチの強烈な蹴り上げで垣原の勃起した局部が縦に真っ二つに。
さすがの垣原もイチの暴力に痛みと恐怖を感じ始める。
〈垣原とイチの鬼ごっこ [殺し屋1 10巻](c)小学館/山本英夫〉
咄嗟に逃げ始める垣原と、泣きながら追うイチ。
追いかけっこの末、垣原は廊下の行き止まりに追い詰められた。
イチのドロップキックが迫り、垣原は端から隣のビルへ飛ぶ。
〈隣のビルへ飛ぶ垣原 [殺し屋1 10巻](c)小学館/山本英夫〉
垣原はビルの手すりに右手一本でぶらさがった状態に。
イチは石を投げ、石がなくなると自分の履いていた刃物付きの靴を垣原の右手めがけて投げる。
靴が垣原の中指から小指の3本を切断し、残るは親指と人差し指だけ。
〈絶体絶命の垣原 [殺し屋1 10巻](c)小学館/山本英夫〉
絶体絶命の垣原。
と、そこに鳩が手すりに止まり、フンが垣原の人差し指に落ちる。
垣原は指を滑らせて落下、呆気ない最期を迎えた。
〈最後は落下 [殺し屋1 10巻](c)小学館/山本英夫〉
仕上げのターゲット
殺害をすべて終えたイチは、マンション内でタケシに再び遭遇する。
ジジイから「姿を見られた者はすべて殺せ」と指示を受けていたが、金子との約束を優先し、タケシを見逃すイチ。
タケシはイチが立ち去るのを不思議そうに見ているしかなかった。
拠点のテレクラに戻ったイチのもとに、再びハードMの女から電話がかかってきた。
「イジメてた奴ら、やっつけてあげたよ!」と報告するイチに、「アンタに会うてみたいわ」と興味を示す女。
〈女の正体が…? [殺し屋1 10巻](c)小学館/山本英夫〉
女はホテルの部屋の場所を伝え、イチも会いに行く決心を固めた。
実はこの女の正体はカレン。
ジジイと繋がっていたカレンは、ジジイの指示通りにハードMを演じていたのである。
垣原たちに情報を流していたのもすべてジジイの計画通り。
ジジイは「300万を受けとることになっている」と言ってカレンをイチに教えた部屋に向かわせる。
変態に会うことを渋るカレンにジジイは銃を渡し、「金を受け取って、撃ちたきゃ撃てばいい」と告げた。
カレンが部屋に向かったところで、ジジイはイチに最後の殺人を指示した。
最後のターゲットはカレンだった。
〈最後のターゲットはカレン [殺し屋1 10巻](c)小学館/山本英夫〉
イチのトラウマとなったイジメられっ子と重ね合わせるように刷り込み、「楽にしてやれ!」と背中を押すジジイ。
そして部屋でカレンとイチが出会う。
イチはカレンに襲いかかり、カレンの銃を足で押しのけて首に踵の刃物を突き立てた。
ジジイにとってイチとカレンのどちらが生き残るかは運試しだったが、結果的にイチが勝った。
〈イチがカレンを仕留める [殺し屋1 10巻](c)小学館/山本英夫〉
ジジイはイチに加えて殺人マシーンを増やすため、親を探すタケシに接触する。
タケシはジジイの口車に乗せられ、後に付いていった。
〈タケシに接触するジジイ[殺し屋1 10巻](c)小学館/山本英夫〉
エピローグ:イチとタケシのその後
3年後。
一見、平和になった歌舞伎町。
ジジイはさらに面白い計画を立てているようだが、イチは成長して人の心を持ち、殺人マシーンとしては役に立たなくなっていた。
〈普通の生活を手に入れたイチ [殺し屋1 10巻](c)小学館/山本英夫〉
代わりにタケシを殺人マシーンとして育てているジジイ。
イチはキャバ嬢を口説こうとし、夜の街で待ち合わせ。
その最中に路地裏から手にナイフを持ち血まみれのタケシが現れる。
〈変わり果てたタケシ [殺し屋1 10巻](c)小学館/山本英夫〉
タケシの姿に驚くイチだったが、タケシはイチのことは覚えておらず、そのまま走り去っていった。
そして待ち合わせの約束をしていたキャバ嬢からドタキャンの連絡がイチに入る。
ふと蹴り上げた空き缶がヤクザの組長に当たってしまった。
暴力的に殴り掛かってくる組長。
イチはまた昔のように泣き出すのだった。
〈泣き虫は変わっていなかった [殺し屋1 10巻](c)小学館/山本英夫〉
イチと組長がどうなったのか、その後を知る者はいない。
【10巻のまとめ】
垣原を殺害し、計画を完遂したイチ。
すべてを操っていたジジイは共謀していたカレンをもイチに殺させた。
イチはその後人の心を取り戻していくが、ジジイは生き残った金子タケシを次なる殺人マシーンとして育てていく。
次巻へ続きます。
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参考猟奇的変態たちが暗躍する歌舞伎町の世界『殺し屋イチ』全10巻のあらすじ
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