若き書道家の半田清舟は、自作を酷評されたことに腹を立て書道展示館の館長を感情に任せて殴りつけてしまい、見かねた父によって自然豊かな五島へ左遷されてきた。
自分の家は村の子供たちである琴石なるや美和、タマなどの溜まり場と化しており、都会とは全く違う村の生活に振り回されることとなる。
なるの底なしの明るさや村人たちとの関わりによって少しずつ気持ちに整理をつけながら、自分を見つめなおすためのド田舎ライフが始まった。
島での生活に慣れ始めたある日、親友で画商の川藤が清舟に憧れる若き書道家の神崎と清舟を引き合わせ、成長やスランプからの脱却を促す。
出会いをきっかけに新たなインスピレーションを得た清舟だったが、台風が島を直撃すると暴風雨で家が大ピンチに。
なるとなるの祖父のおかげで何とか応急処置ができたものの、落雷によってPCが故障。
ネットも電話もない生活を強いられるが、子供たちのまとめ役であるあっきー(タマの妹)のおかげで川藤と連絡を取り、しばらく仕事を休んで次の書展に集中することにした清舟。
村人たちとはすっかり打ち解け、なるとは家族同然のような絆が芽生え始めているのであった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。
ひながやりたかった髪型
ひなの髪の毛についてしまったくっつき虫を取り、ボサボサになった髪を櫛でとかすことになった清舟。
ひなの気に入る髪型がわからず苦戦し、暇を持て余していたなるに髪飾りにするための花を摘んでくるように指示する。
編み込みをするつもりだったものの、ひなは編み込みが嫌いらしく、代わりにやってみたい髪型があることを告げた。
他方、ひなのために花を摘みに行ったなるはケン太たちと遭遇。
ひなのことが好きなケン太はなるのために花を摘み、照れ臭そうにしながらなるの髪に飾ってあげる。
しかしなるはそんなケン太の恋心に全く気付かず、ケン太は凹むこととなった。
結局、ひながやりたかった髪型はなると同じお揃いの形。
編み込みに使わず余ったたくさんの花は2人で仲良く髪に飾るのであった。
風呂に入るのも一苦労
清舟の家の風呂が壊れ、修理までの1週間は郷長に教わりながら昔ながらの風呂釜を使うこととなる。
薪を割って火にくべながら風呂を沸かすという原始的な方法は極力避けたい清舟だったが、郷長はすっかりやる気になってしまい、断るに断れない状況。
追い焚きは誰かにしてもらわないといけないが、通りがかったひな、美和、タマが早速寄ってきた。
1人で静かに入ることもできず、風呂に入るのも一苦労なのであった。
裏山で遭難?
風呂に使う薪を集めに裏山に入った清舟は、山で遊ぶなるたちと遭遇する。
天然のツタを使ったターザン遊びをする子供たちを見て、清舟は落下の危険を排除するためにツタを引きちぎろうとするが、抵抗する子供たちと共に急斜面の下へ転落。
幸いにも全員大きな怪我はなく、夕暮れと共に帰路につくことに。
山から綺麗な夕日を見て新たなインスピレーションが湧く清舟だったが、誤って足を滑らせて再び滑落。
なるたちは気づかないまま下山してしまい、清舟は斜面を登ろうとした際に脚をくじいて動けなくなったまま1人で遭難してしまった。
偶然にも美和が失くしたという合鍵の1つを発見したが、途方に暮れて夜空を見上げると、満天の星空で不安が少し和らいだ。
そして捜索に来たなるや美和・タマたちに助けられた清舟は、満天の星空から得たインスピレーションのままに書展へ出展する作品「星」を描き上げるのであった。
泥遊び
なるの泥遊びに付き合いつつ、泥を使った陶芸にチャレンジする清舟。
翌日は晴れと読んだなるを信じて作品を野ざらしにして乾燥させようとするが、大雨が降って作品は全て流されてしまう。
残念がる清舟だったが、なるの読みどおりか、雨はすぐ上がり陽が差し込んできた。
これでまたすぐに泥遊びができるようになり、なるは楽しそうに走り出すのであった。
隣村の悪ガキたちとのバトル
なるが隣村の悪ガキたちにいじめられているらしく、ひなの助けに応じて清舟とヒロシが遊び場へ駆けつける。
悪ガキたちは美和とタマに運動場を占領されたためにこちらに来ていたらしいが、なるたちの遊び場を守るために大人として生意気な悪ガキたちへの対処に取り掛かる。
一筋縄ではいかず苦戦したものの、最終的には悪ガキたちが野球しているなかで構わずに全力でドッヂボールをして巻き込むという荒技に。
そこにあっきーが通りがかると、悪ガキたちからも慕われるあっきーが全てを丸く収めて去っていくのであった。
なるへの誕生日プレゼント
なるの誕生日が近づき、喜ばれるプレゼントは何か考える清舟。
ケン太らに頼み込んでカブトムシやクワガタを捕獲しようとするが、希少なヘラクレスオオカブトの捕獲には失敗。
努力の証としてケン太からクワガタを1匹お裾分けしてもらったものの、そもそも虫に触るのが苦手な清舟は指を挟まれ、取り逃がしてしまう。
結局、清舟があげたのは「なんでもいうこときくけん 一回」。
清舟が足を引っ張るかたちでなるへのサプライズ作戦もグダグダになってしまうが、なるはそのチケットを思いのほか喜ぶのであった。
清舟が東京に復帰?
書展への出展期限が迫り、勢いのままに書いた「星」の字でいいのか迷いが生じ始める清舟。
そんな折、なるの祖父はなるがもらったチケットを使って清舟にある頼みごとをする。
それは、石垣を組む仕事と神社に寄付した人々の名簿を木の板に書き直す仕事。
不揃いの大きさの石を組み合わせることに意外な才能を見せた清舟。
木の板の末尾には村に貢献した一員という意味で自分の名前も書いていいとも言われ、久々の仕事の案件をこなすことになったが、そこに川藤から大事な連絡が入った。
川藤はもともと清舟が左遷される原因となった喧嘩の相手である館長との関係を取り持ち、館長が清舟の復帰を許したのである。
子供たちの夏休みの習字の課題や夏祭り、花火鑑賞など子供たちと夏の思い出を作った清舟は、別れを切り出すことができないまま荷物をまとめて家を引き払ってしまう。
何も知らずに遊びに来たなるだが、もぬけの殻となった家には村人たちの名簿が綺麗に書かれた木の板があるのみ。
そしてその末尾に清舟の名前は書かれていないのであった。
【5巻のまとめ】
裏山で遭難しかけた際に新たなインスピレーションが沸いた清舟は、書展に出展する作品「星」を描き上げる。
しかし書展への出展期限が迫ったある日、清舟は川藤からの連絡を受けて東京に帰ることに。
なるたちに別れを打ち明けることすらもできないまま荷物をまとめて出て行った清舟。
神社に寄付した人々の名前を木の板に清書する仕事は最後までこなしたものの、村人の一員の中に自分の名前は書いていないのであった。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら
全巻まとめに戻る
-
-
参考挫折を味わった若き書道家がド田舎ライフで人間として成長していくギャグあり涙ありのほっこり漫画『ばらかもん』全19巻【ネタバレ注意】
続きを見る