人生うまくいかないばかりのシングルファーザーがひょんなことからロードバイクにハマり、ツール・ド・フランスを目指して人生をやりなおしていく物語。
自転車やロードレースの解説もしっかりしており、描写も細かいので大人向けです。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
シングルファーザー更科二郎とロードバイクの出会い
主人公の更科二郎は信用金庫に勤めるサラリーマン。男で一つで娘のふくのを育てるシングルファーザーでもあります。毎朝ふくのを幼稚園まで送り、副担任の綿谷先生に引き渡して出社。ふくのはいつも元気いっぱいで挨拶で頭突きをかますやんちゃ娘です。
出社してからは立派なサラリーマンの顔。しかし、更科のもとに新人の部下、小菅守がつけられます。小菅はコネ入社のようで、口数は少ない、笑顔も作れない、ろくに目も合わせることが出来ないコミュ障キャラです。
案の定、客先でトラブルが発生。そして対応に追われる更科のもとに、綿谷先生から「ふくのが目を離したすきに大きな木に登り、下りてこなくなった」との連絡が。
客の対応を小菅に投げ、更科はふくののもとへ自転車で急ぎます。
が、車とぶつかって自転車が破損。
更科は近くの自転車屋に駆け込み、自転車を借りたいと叫びます。
自転車屋の店主の箕輪章博はゲームに夢中で、
箕輪「うるせえええっ!!そこらの好きなの、持ってけええええい!!」
と叫び返しました。
更科は適当に目をつけますが、拝借したのは箕輪が客から預かっていたロードバイク。
更科は慣れないロードバイクに苦戦しながらも、次第にそのスピードに爽快さを覚えます。
〈初めてロードバイクに乗る更科 [かもめ☆チャンス1巻](c)小学館/玉井雪雄〉
が、ロードバイクも修理中で未完成。
更科はボロボロになりながらも無事、ふくののもとにたどり着き、ふくのも木から下りてきました。
交換条件
翌日。拝借したロードバイクが壊れたこともあり、更科は勤務終わりに自転車屋へ弁償しに向かいます。
その日の仕事は小菅のミス等もあり、散々な一日でした。
しかしその壊してしまったロードバイクが140万円もする超希少な限定モデルであることを小菅から教わり、動揺する更科。それでも返さないわけにはいきません。
〈更科が壊したバイクは140万円 [かもめ☆チャンス1巻](c)小学館/玉井雪雄〉
自転車屋の箕輪も、客から預かった商品が無事戻ってきたことで一安心でしたが、この弁償をどうするかについて更科と話し合います。
ロードバイクの持ち主は地元の有力企業で更科の勤める信金の重要顧客である半田物産の社長、半田勇吉でした。
箕輪と更科は早速半田の家へ向かい、半田は謝罪にきた箕輪と更科に、弁償を水に流す代わりにある条件をつきつけます。
「自分と同じ体型になって乗鞍岳ヒルクライムのレースに自分の替え玉として出場し、完走すること」。
半田はロードバイクマニアですがメタボ体型で、とても完走するどうこうのレベルではありません。
しかし、「自分が完走した」という実績だけはどうにかして作り、自慢したかったのです。
代走というロードレースを冒涜する条件に箕輪は憤慨しますが、半田に高額ロードバイクの購入をチラつかされ、あっさりと条件を飲みます。
が、更科は「人の思い出に泥をぬるようなことはできない。そんなことするくらいなら弁償する」と拒否します。
と、そこに更科の信金のライバルにあたる銀行に勤める砂場が乱入してきました。砂場と更科が火花を散らしているところに、半田はさらに条件を付け足します。
それは「更科が替え玉として完走したら、自分の会社のメインバンクを更科の信金へ移す」というもの。
結局、箕輪の後押しもあって更科は条件を飲み、箕輪のもとでロードバイクの特訓をすることになりました。
ロードレースの特訓開始
更科に教えるのは箕輪の娘、箕輪晶です。
乗り方、漕ぎ方からスタートし、特訓は前途多難でしたが、下り坂だけは晶も追いつけないほどのスピードを見せ、更科のダウンヒルの才能が垣間見えます。
〈更科にはダウンヒルの才能が[かもめ☆チャンス1巻](c)小学館/玉井雪雄〉
男勝りな性格の晶ですが、自分が勝てない男に惚れやすく、更科のことを意識し始めます。
特訓がはじまったことで更科はふくのに構う時間が徐々に少なくなっていきます。
綿谷先生にはまるで更科が娘を放置して自転車にハマっているように見えました。
綿谷先生は義憤に駆られ、更科をひっぱたきます。
綿谷「少しはふくちゃんのことを考えてあげえください!」「そんなお父さんでも、ふくちゃんにとっては……空飛ぶかもめみたいだって!お父さんは負け犬じゃないぞって。」
〈娘を放置している更科を叱咤する綿谷先生[かもめ☆チャンス1巻](c)小学館/玉井雪雄〉
「かもめ」という言葉を聞いた更科の顔が曇ります。
更科「ふくが言ってたんすか…それ……俺が、かもめだって……」
更科の脳裏に浮かんだのは、行方不明の妻に言われた「二郎くんはもともとカモメだから」という言葉。
どうやら綿谷先生は更科の地雷を踏んだようです。
【1巻のまとめ】
薄幸サラリーマン更科二郎が、ひょんなことからロードレースの特訓をすることになりました。
部下の小菅も娘のふくのも手がかかる存在ですが、自転車に乗っているときだけは何もかも忘れられます。
当面の目標は「乗鞍岳ヒルクライムでの完走」。果たして特訓は間に合うのか。
そして、更科が抱える家庭事情とは。
次巻へ続きます。
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参考人生をやり直すためにツール・ド・フランスを目指す『かもめ☆チャンス』全20巻
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