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苦戦を強いられる全国大会の団体戦予選、復帰した千早はバラバラのチームを立て直せるか『ちはやふる』28巻【ネタバレ注意】

~前巻までのあらすじ~

小学6年生の千早は福井からの転校生・新との出会いをきっかけに新の特技である競技かるたに夢中になる。

千早の幼馴染である太一も加わり、仲良し3人組でかるたをするうちに千早はずば抜けた才能の片鱗を見せるようになるが、小学校の卒業が近づくと太一は進学、また新たも祖父が倒れたため東京を離れることが決まってしまう。

小学生最後の大会の団体戦では惜しくも敗退してしまい、悔しさと別れの切なさを噛みしめつつ再会を誓って卒業。

時は流れ、千早は太一と同じ高校に進学を果たすが、福井にいる新はA級昇格をかけた大会に出場した結果、その留守の間に祖父が亡くなってしまったという後悔からかるたから距離を置いてしまっていた。

新が競技かるた界に戻ってくることを信じる千早と太一は高校で日本一のかるた部を創ることを目標に、古典オタクで呉服屋の娘・奏、かるた経験者の西田、勉強が得意な勉を率いれて5人で瑞沢高校かるた部を創立。

千早は憧れの地である全国大会の個人戦で同年代で現クイーンの若宮詩暢と激突し、他を寄せ付けない圧倒的な正確さとテクニックを前に歯が立たなかったが、最後まで食らいついたことで詩暢も千早を生意気なライバルとして認識するように。

千早にとっては自分に足りないものを見せつけられ本気で悔しがると共に、クイーンになるという夢がリアルなものとなる一方、太一はB級で惜しくも準優勝となり、A級昇格を逃してしまった。

そして新学期を迎え、かるた部には太一を彼氏にするという野望に燃える筋金入りの恋愛体質女子・花野菫と、根拠の無い自信でチームの和を乱す男子生徒・筑波秋博という問題児2人が入部、新メンバーを加えて全国大会へと臨み、決勝では選任読手を務める山城今日子の孫、山城理音ら擁する優勝常連の富士崎を運命戦の末に破って悲願の全国大会優勝を決めた。

続く個人戦では太一がB級優勝して悲願のA級昇格、A級では新が詩暢を下して優勝し、C級では勉、D級では筑波が優勝を果たして全国大会は幕を閉じた。

新も太一も千早への好意を自覚するようになり、新が先に千早に告白するが、千早は唐突な告白に戸惑い、返事もできないまま。

一方、太一は高松宮杯で敢闘して周防も注目するようになるも、新との直接対決に敗れて4位入賞という結果に終わった。

千早は元気のない太一を勇気づけようとするが、太一からの告白を受けてその想いに答えることができない。

学力テストでも首位を陥落した太一は失意のなか、学業への専念を理由にかるた部を退部。

生意気な翠らクセのある新入生が入部するなか、太一の退部のショックで動揺し集中力を欠いたままの千早も休部することに。

千早と太一を欠いたかるた部では奏らが必死に支えるなか、太一は周防との再会を、千早は新が高校でかるた部を創設したという知らせを機に復活の決意を新たにするのであった。

 

28巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。

全国大会の東京都予選が始まる

調子の悪い自分と向き合い続けた千早は、意を決してようやく全国大会の東京都予選でかるた部の前に姿を見せる。

しかし離れている間に奏や西田、勉らが牽引していたことで部は今までとは違った形になっていた。

奏たちは千早の復帰を喜びながらも、東京都予選のスタメンには千早を入れないことを決断。

参加校が増えたことで予選も一次と二次に日程が分かれ、ルールも大幅に変更となるなど、何も準備できていない千早を出すわけにはいかないのであった。

生意気で不安定な翠

一次予選に参加する24校のうち、二次予選に進めるのはわずか4校のみ。

ライバルの北央も参加するなか、瑞沢かるた部は翠が自称1年生エースとして調子に乗り始めるが、構ってちゃんのような言動に橋立が「正直言って疲れる」と指摘し、嫌な空気が流れる。

翠はもともとかるた選手だった親と兄の影響でかるたを始めたが、誰も自分の腕を褒めてくれなかったために自分で褒められるように仕向けようとした結果、自慢めいた構ってちゃんになっているきらいがあった。

ゆえに友達も少なく、さらに北央との試合では幼いころからの自分を知る相手にかるたでも敗れ、「かるた負けたらホント褒めるとこねーな」という言葉が翠に刺さってしまう。

チームは戦績が芳しくなく、二次予選に進めるか微妙なライン。

やる気を失った翠は調子が悪いことにして千早に最終戦でのスタメンの座を譲ろうとするが、ここで西田は最終戦も翠でいくことを宣言するのだった。

二次予選進出を決め、千早も部に復帰

翠には読みのタイミングに合わせるのが抜群に上手く、実力があると素直に認める西田。

西田もまた、強く変わるために翠からも学ぶ姿勢を貫いていたのである。

西田がチームを支え、自信を取り戻した翠を含めて最終戦を勝利し、瑞沢は無事に二次予選への進出を決めた。

千早は皆に頭を下げながら勝手をしたことを謝り、部に復帰したのだった。

バラバラのチームを立て直せるか

二次予選は4校による総当たりのリーグ戦で、全国大会に行けるのは2校だけ。

出場校は瑞沢、北央、朋鳴、冨原西の4校。

初戦の朋鳴戦ではスタメン復帰した千早が圧勝するが、瑞沢に勢いをもたらすことができない。

朋鳴は千早との試合の負けを割り切ってスイッチが入り、一方の瑞沢はバラバラのまま接戦に。

周りをよく見渡してチームをフォローしていた太一の穴はやはり大きかったのである。

千早がチームをまとめることができずに瑞沢は2勝3敗で初戦を落としてしまう。

後がなくなり落ち込む部員たちに対し、千早はようやく、太一がいつか戻ってくるまでにクイーンになること、全国大会は団体戦連覇し、個人戦でも全階級で優勝など野望を掲げてチームの目を覚ました。

気合を入れなおして臨む第2戦、そして試合会会場にはなぜか肩を落とす太一の母の姿があるのだった。

【28巻のまとめ】

全国大会の予選が始まり、生意気だが不安定な強さを見せる翠をスタメンに抜擢したまま瑞沢かるた部は何とか二次予選のリーグ戦へ進出することとなる。

千早がかるた部に復帰し、ライバルの北央を含む4校で2枠を争う二次予選では初戦を落としてしまうが、千早がようやくチームの目を覚まさせるのであった。

次巻へ続きます。

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